【ニューヨーク=山下晃】債務不履行(デフォルト)を宣言している米自治領プエルトリコが3日、債務再編の手続きに入った。プエルトリコは2015年にすでに債務不履行を宣言し、16年には複数回、利払いをせずデフォルトしている。関係債務額はおよそ730億ドル(約8.2兆円)と、米では最大の自治体の財政破綻となる。
プエルトリコは主力だった観光業が周辺地域との競争激化で低迷し、米国本土への人口流出も進み経済が行き詰まった。プエルトリコのガルシア知事(当時)は15年に「債務を支払えない」とデフォルトを宣言。格付け会社はすでにプエルトリコの債務を投資不適格と見なしており、破綻手続き入りによる金融市場への影響は限られるとみられる。
プエルトリコは米国の自治領という特殊な立場にあり、13年に財政破綻したデトロイト市のような米地方自治体の破産申請が認められておらず債務再編手続きが不透明だと指摘されていた。こうした問題に対して米政府は昨年に自治領に対しても破産支援を認める法律を制定。プエルトリコも具体的な破綻手続きを進めることができるようになった。