5/8
なろう限定ss 鬼祭2、3
鬼祭2≪セッツブウン≫
切尽武運、という東方から伝わってきた祭りがある。
東方の暦の特定の日に行われるそれは、魔を払うと言われる大祓豆を邪鬼に投げつけて追い払い、その後福を呼び込むのだという。
東方の鬼とは種族が異なるものの、周辺諸国で一番知られた鬼種は、やはり小鬼だろう。
短期間で出産と成長を繰り返し、個で見れば対処することは難しくないが、一度群れると時には農村を襲う事もある厄介なモンスター。
それを払う、という意味のある祭りは、その手軽さと、荒れ地でも育ちやすく手間のかからない大祓豆の普及とともに長年娯楽の一つとして続けられている。
そして今日はそのセッツブウンの日。
とある大森林にある拠点、そこに在る広々とした≪外部訓練場≫では、数千名の戦士達が二つの陣営に分かれて対峙していた。
戦意は十分で、皆ギラギラと目を輝かせている。
「升に入れられた豆を投げつける事と、身体の軽い接触以外は全て禁止。豆が無くなれば後方の拠点で補充する事。勝敗は拠点にある旗を奪われるか、制限時間終了時にまだ立っていた者の数で決定する」
静まり返り、衣擦れの音すら聞こえてきそうな中、戦士達の長であるオバ朗の声は良く響く。
オバ朗がいるのは、対峙した二つの陣営の中間だ。
両陣営からも、その姿はよく見えた。
オバ朗の手には巨大な豆入りの升があり、その身に纏うのは虎柄のパンツと、敵味方を区別するためか腕に巻き付けられている赤い布だけ。
まだ肌寒い時期ながら、【環境適応】などが付与された虎柄パンツの効果によって、全く寒さは感じられない。
そんなまさに東方の鬼と言わんばかりの格好のオバ朗と同じ赤い布を巻いているのは、カナ美ちゃんやオーロ、鍛冶師さんやブラ里さんなどである。
また赤い布だけでなく、男性なら虎柄パンツ、女性なら虎柄ビキニのような露出の多い格好をしている。
普段は露出の少ない服を着ている鍛冶師さんや錬金術師さんなどは恥ずかしそうに顔を染めつつも、どこか楽しそうにしている。
それに対するは白い布を巻きつけている以外は似たような格好のミノ吉くん率いる、アス江ちゃんやアルジェントや鬼若やスペ星さんなどだ。
普段と違う衣装を身につけているだけでなく、今回は安全性の面から普段は参加しない非戦闘員まで参加しているからか、拠点は盛大に盛り上がっている。
念のため、非戦闘員は特別に守護のマジックアイテムも追加されているので、事故が起こる可能性はかなり低くなっている事も非戦闘員がリラックスして楽しむ事が出来る要因だ。
「以上、説明終わり。では用意――」
そうして簡単な説明を終えたオバ朗は一端自陣に戻った。
セッツブウンについてはこれまでに再三説明されてきただけに皆理解しており、後は行うだけだったのだ。
先程のはあくまでも確認である。
「――始め!」
響く合図、と同時に轟く爆裂音。
「ぬうん!」
「ブゥルウッ!」
最初の攻撃は、オバ朗とミノ吉くんの投げた豆だった。
互いに掴んだ豆を握力と魔力で圧縮し、まるで金属塊のように一塊としたそれを投げたのだ。
固められ、魔力を帯びてそれは豆鉄砲ではなく豆砲弾と化し、敵陣に向けて飛翔。
そして空中で正面衝突し、爆散したのだ。
破片と化した豆が散らばる中、皆それぞれ敵陣に向かって豆を投げつける。
散弾めいて広がる豆。狙撃するような豆。中央の暴風とは無関係なように和気あいあいと優しく投げられる豆。
それぞれに差異はあるが、皆楽しそうにしていた。
そしてそんな中、全力で戦っている者達も居た。
「やるな、ミノ吉くん」
「ブルル、ソッチもナ」
一番目立つのは、やはりオバ朗とミノ吉くんだ。
圧縮豆砲弾は当たれば敵を弾き飛ばす威力があるモノの、升に入れられた豆の量には限界がある。
無駄な豆の消費は自身の首絞める事に繋がるが、それなりの大きさがなければ互いにダメージを負わすことはできない。
魔力強化された豪速の豆だとて、少量ではあまりにも威力が小さいからだ。
だから両者は近くに居る敵陣の雑兵を豆一粒で減らし、消耗を押さえながら、隙を窺っている。
周囲には小鬼程度なら地面を転がされる程の威力がある豆一粒を恐れ、誰も近付かなくなっていた。
激しい戦場で形成された空白。
そこで二鬼は笑い合う。
「いっくよー、アル!」
「ちょま、うわー!」
違う場所では、鬼の姉弟が戯れていた。
手にした豆を情け容赦なく白組の弟鬼に投げつける赤組の姉鬼。
反撃しようにも、姉鬼の隣で一緒に豆を投げつけてくる、同じ赤組の妹鬼のせいで抵抗出来ずにいた。
「にーに、かくごー」
可愛らしく言うが、種族的に秘めた膂力は凄まじい。
投擲される豆は身体に当たると平たく変形するほどで、上半身は剥き出しな服のせいで、直接肌を叩かれているような状態だった。
「痛いッ! あて、アタタタタタ!」
「ほらほら、反撃しなさいッ」
「はんげきしなさーい」
「無茶言うなと……アタタタタタ!」
背中を見せて逃げ惑う弟鬼。
姉妹鬼に追い立てられるが、誰も助けてはくれなかった。
巻き込まれる事を恐れたのだろう。
「ガハハハハハハ! ソラソラソラソラー」
そんな兄鬼を助ける事無く、白組の弟鬼(鬼若)は手に持つ豆をばらまいていた。
無造作に掴み、投げる。
ただそれだけの行為ながら、豆は小鬼や中鬼を容易く薙ぎ払い、半鬼人や大鬼などにまで痛打を与えていた。
目指すは敵拠点。
遊ばず、真面目に勝利を目指して頑張っていた。
「クソー」
「ユンヤー」
「ヌゥワー」
「アバー」
「一斉攻撃だ!」
雑魚をばらまいた豆散弾で薙ぎ払い、それに対抗すべく周囲の敵から一斉攻撃されても自前の防御力で突破する。
戦場を我が物顔で進み、障害を薙ぎ倒すその姿はまるで王者のそれである。
しかし、その前に立ち塞がる者が居た。
正確に言えば、進んでいたところに偶然出会ってしまった、になるだろうが。
「あら、今度は鬼若が相手なのね」
「か、母ちゃんッ」
鬼若の前に現れたのは、周囲に白組の小鬼達が倒れ伏した中で佇む、鬼若の実の母親である鍛冶師さんだった。
虎柄ビキニながら、青色を取り入れることで個性が出ている。
鍛冶にて引き締まった体型の鍛冶師さんは一児の母にはとても見えないが、甘く見ていると酷い目にあうだろう。
「それじゃ、いくわよ~」
優しげな笑みを浮かべて豆を振りかぶる鍛冶師さんを前に、鬼若は慌てた様子で飛び退いた。
「鬼は~外~。福は~内~」
「速ッ、アイタタタタ!」
鍛冶師さんを始め、とある【職業】を持つ人間は、相方となった鬼に簡単に壊されないよう身体が強化されるし、【鬼種特攻】という能力なども得る。
【鬼種特攻】とは鬼種に対してあらゆる攻撃が強化されるモノなので、普通なら何でも無い今回のような事でもダメージが通るのだった。
ちなみに威力だけでなく、速度や命中率なども上昇する。
「こ、こなくそー!」
ピシピシピシピシと豆が身体に当たり、思わず鬼若も逃げたが、やられてばかりではいられない。
投げつけられる豆を我慢しながら受け止め、すぐに反撃するようになった。
「きゃー、うふふ。こういうのも楽しいわね」
散弾めいた豆が途中で勢いを無くし、鍛冶師さんに当たった。
マジックアイテムによって守られているからか、鍛冶師さんは笑う余裕があるらしい。
「お返しに、ほらほらほらほらー」
「ヌゥオオオオ! ま、負けるか!」
息子である鬼若との普段の触れあいは鍛冶が絡む事が多いだけに、こうした行為は何やら新鮮だったらしい。
笑いながら、豆を投げ交わしていた。
「ほら、ニコラも投げてみなさい」
「あーだ、だーだう」
鍛冶師さんとその息子の鬼若とのやり取りが羨ましかったのか、赤組の錬金術師さんは腕の中にいるニコラに豆を持たせてみる。
するとニコラは手元に光り輝く【紋章】を浮かべた。すると豆は宙に浮かび、あっと言う間に射出される。
その先には赤組の小鬼達相手に無双していた白組の女騎士が居たのだが、気配に気がついたのか振り返った瞬間、その額へと着弾した。
「アガッ」
頭が後方に跳ね飛ぶように動いた女騎士が、衝撃で動けなくなって棒立ちになる。
その隙を逃さず、蹂躙されていた小鬼達はここぞとばかりに反撃し、持ち直した女騎士に追いかけ回される事になった。
「……良く出来たわね」
「ふんすっ」
誇らしげなニコラに対し、錬金術師さんは笑みをこぼしつつ、戦場の外縁から独り言ちる。
「本当に、ここは飽きないわね」
錬金術師さんの視界には、跳んだり跳ねたり、消えたり増えたり、笑い合う大家族が居た。
錬金術師さんはしばらくそれを眺めた後、鬼若と戯れていた鍛冶師さんと合流する。
「手伝うわ」
「あら、ありがとね」
「そ、それは卑怯……ヌゥワー!」
鍛冶師さん、錬金術師さん、そしてニコラからも豆を投げつけられれば、流石の鬼若も敵わない。
その後は仲間の助力を得て巻き返したりするのだが、それはさておき。
今回のセッツブウンの勝敗は人数差によって決められ、赤組が数名の差で勝利した。
打ち上げは豆を使った料理が並び、皆楽しげに笑ったという。
鬼達のセッツブウンは、そうして過ぎていったのだった。
鬼祭2・了。
鬼祭3≪鮮血のスイートバレンタイン≫
某日の、とある大森林の奥地に存在する拠点の厨房。
都会から離れた僻地とも言える場所にあるのだが、その厨房はとても大きく、かつ最新の調理器具などで充実していた。
火力を自在に調整できる釜。
切れ味鋭い包丁。
軽くて使いやすい、熱伝導効率の良いフライパンや鍋。
蛇口を捻るだけで清潔な水の出る流し台。
その他にも特定の調理に使える特別な器具など、王城などで王侯貴族といった権力者達の料理を用意する【宮廷料理人】が使用するような一級品も多く取りそろえられている。
【料理人】ならば思わず感激してしまうだろうそこには、現在、多種族の女性達が集まっていた。
「それでは、迫る『スイートバレンタイン』の為のショコラを作りたいと思います」
「皆さん、用意はいいですか?」
集まった女性の数はざっと見ても五十名は居るだろう。
吸血鬼だったり鬼人だったり小鬼だったり人間だったりエルフだったりと、種族的には統一感のない女性達は、しかし和気藹々と仲良さそうにしていた。
大体五名で一グループとなり、大きな長方形の調理台を使っている。
調理台には食材や調理器具がそれぞれ用意され、何時でも調理が始められるように整えられている。
『はーい』
約五十名の女性達が唱和し、その視線を一身に浴びる今回の調理の指導を担当する二人――姉妹さんは、優しく微笑んだ。
「ではまず、用意されている“ショーコラン”の殻をとりましょう」
「殻は少し硬いですから、ハンマーで砕くか、すき間に包丁を差し込んでください」
姉妹さん達が約五十名もの女性達を集めて行うのは、姉妹さんが先ほど言ったように『スイートバレンタイン』がすぐそこに迫っていたからだ。
ちなみに『スイートバレンタイン』とは王国の【異界の賢者】が広めたイベントであり、異性のお世話になった相手や、好きなヒトに甘いショコラを贈るというモノである。
基本的には女性が男性に贈るのだが、そこで貰えるか貰えないかで男達の明暗がハッキリと、それはもう清々しいまでに数値として表示されてしまう為、ショコラのように甘い一時を過ごす者も居れば、慟哭にむせび泣く者も多く出てしまうという、楽しくも悲しいイベントだ。
ともあれ、ここに集まった者達――パラベラムのメンバーは、それぞれの思いを胸に、自作ショコラを作るために集ったのである。
「んー、包丁使うのも面倒ね」
愛するオバ朗にショコラを渡すため、その中には当然カナ美ちゃんもいる。
その手には硬い殻に包まれた、ヒトの頭ほどの大きさの細長い実があった。
それは“ショーコラン”という木の実であり、その中にある種子がショコラの原材料となる。
今回用意されたのは迷宮産の最高級品で、種子を守る殻も通常よりも硬い。しかしその分だけ完成品の質は高くなり、また味もより良く、深いものとなる。
そんなショーコランの実は本来なら邪魔になる殻をハンマーなどで砕くか、僅かなすき間に包丁を差し込んでこじ開けるのが基本的だ。
しかしカナ美ちゃんはそれが面倒だったらしく、ガシ、と両手で実を掴んだ。
そして少し力を込めた、かと思えば殻が割れて実がパカリと開く。
硬いとはいっても、カナ美ちゃんの膂力の前では意味のないものだったのだろう。
中にある黒い宝玉のような無数の種子が、断面から顔を覗かせていた。
「なんや、それでええんやったら、ウチにも出来るな」
それを見たアス江ちゃんはニカリと笑い、親指と人差し指で摘まむ。するとこれまたアッサリと殻は砕けた。
綺麗に取り出さなければならない、と思ったので身体の大きいアス江ちゃんは遠慮していた部分があったのだろう。
しかしこれなら大丈夫、と言わんばかりに次々と殻をとっていった。
そして周囲も手早く殻を取り除いた二鬼に倣い、包丁ではなく、手で割り始めた。
小鬼など膂力の足りない者は包丁などを使っているが、それでも大半は手でとっている。
アチラコチラからバキッ、と音がする。
それに姉妹さん達も思わず苦笑した。
「普通では、そう簡単に剥けるはずないんだけどなぁ……」
「ま、まあ、よく考えれば、そうなるんだけどね……」
あまりに豪快な殻剥きを見て、このメンバーならわざわざ包丁を使う必要はないと認識しつつ、姉妹さんは気を取り直して作業を進めた。
取り出した黒く甘い匂いのする種子を集め、用意されていたミスラル製のボールに入れる。
そして種子をすり潰すようにしてミスラル製の棒でかき混ぜるのだが、道具がどちらもミスラル製という事もあり、思いっきり力を込めて種子を潰す事が出来た。
下手に脆い道具だと、それを壊さないようにしなければならないので、その手間が無いだけ皆生き生きと潰していく。
この作業が最も肉体的な疲労が蓄積されるのだが、殻を破った時と同じく、女性達はさほど苦労せずにすり潰していった。
そうして細かくなった種子は湯煎されてドロリと溶けたので、そこに数種類のあらかじめ用意していた材料を次々に入れて混ぜ合わせる。
しばらく混ぜ続けると次第に、甘い匂いのするショコラとなった。
簡単ではあるが、これで基本が出来た。
そこからはそれぞれ酸味のある“ラーンブランスの果汁”や酸っぱい“艶紅時雨の実”、甘い“ベアービーの蜂蜜”や苦みのある“常夏ノ実”などを入れていく。
ヒトそれぞれでバリエーションにあふれているが、それは送る相手に適したモノを選んでいるからだろう。
皆各自で持ち寄った素材について話したり、分け合ったりしている。
そしてそんな中でも特に目を引くのは、やはりカナ美ちゃんだった。
「ふんふふーん」
右手首をザックリと斬り、ドバドバと鮮血を投入している。
血の赤とショコラの黒。
どこか淫靡で背徳的な仕上がりとなるショコラは、とても魔的な魅力を宿している。
「……何だか、ショコラを使った儀式みたいね」
「そうね。でも、送る相手を考えると、悪くないのよね」
姉妹さんはそれを見て苦笑いし、しかしその選択は間違いではないと思うのだった。
普通なら、贈ったショコラに血や髪の毛を入れる行為は推奨されない。
微量ならどうと言う事は無いのかもしれないが、やはり不衛生である。細菌がショコラ内で繁殖し、食べると体調を崩すことも考えられるだろう。
また拗らせすぎて、意中の相手と一緒になるなどの危険な思考だと言えるかもしれない。
自分の肉体の一部を好きな相手に食べてもらう事で恋が実る、何て呪いめいた事もあるかもしれないが。
しかしカナ美ちゃんの場合は少々事情が違った。
カナ美ちゃんが贈る相手の本命はオバ朗である。
となると、カナ美ちゃんのような強力な種族の血が混じっているのは悪い事ではないのだった。
むしろ、好む可能性の方が高いだろうか。
「美味しくなーれ、美味しくなーれ」
カナ美ちゃんはその他にも色々と混ぜ合わせていく。
その傍らでは普通のショコラなども作っているが、本命ショコラの気合の入れようは半端ではない。
一般的な常識からすれば一種の狂気にすら触れていたかもしれない。
そして周囲も若干感化されたのか、皆より一層気合が入っている。
流石にカナ美ちゃんほどではないにしても、贈る対象によっては工夫も違う。
姉妹さん達は適切に諫めたりしながら、なんとか調理を進めていくのであった。
〇 § 〇
無事? にショコラの調理が終わり、『スイートバレンタイン』当日。
カナ美ちゃんを始め、姉妹さんや鍛冶師さんなどはオバ朗に手作りショコラを手渡した。
周囲では似たようなやり取りを行う男女の姿がある。
ちなみに団員には共通してショコラが配られるので、個人的に貰う分が無くても精神的ダメージは少なめだ。
「美味しくできてると思うから、じっくり味わってね?」
それぞれからショコラを受け取ったオバ朗は感謝を行動と言葉で表現しつつ、最初にカナ美ちゃんのショコラを食べる事にした。
爛々と輝く双眸に気圧されたとも言えるだろう。
「では頂きます。……ふむ、酒精の入ったショコラか。それも上等なのを使ってる。香りもいいし、味も深い。それに身体の奥底から力が漲るようなこの感覚は……うん、美味しいよ」
巨大なハート形のショコラを豪快に食べ、オバ朗は何かを察したのだろうか。
美味しいのは間違いないが、使用された素材が何であるのかも見抜いたのだろう。
やや苦笑いしつつ、それでも美味しそうに完食する。
「そう? よかった。まだまだあるから、食べたくなったら何時でも言ってね!」
「お願いするよ。でも、今は他の皆のがあるからね」
オバ朗はそう言って、他の皆のショコラも食べ始めた。
甘党なところのあるオバ朗はどれも美味しそうに食べ、夜には摂取したカロリーを消費するように動く事になる。
ちなみに、今回カナ美ちゃんが使用した血の量は約一リットルであり、ショコラと混ぜ合わせる為に膨大な魔力が込められている。
使用された素材と膨大な魔力によってある種のマジックアイテムと化したとも言えるそれは以後も作られ、時折【■■■■】でも産出される至宝となるのだが、それはまた別の話。
愛のために赤く甘いショコラ。
しかしその裏では、もしかしたら愛執もあるのかもしれない。
恋する乙女は、時としてとても恐ろしくなるのであった。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。