経済産業省は4日、4月下旬から愛知・三重県沖で実施しているメタンハイドレートの商業化に向けた実験で、天然ガスの産出を確認したと発表した。海底で採掘されるメタンハイドレートは分解すると天然ガスが得られる氷状の塊で、「燃える氷」とも呼ばれる。2013年の前回実験は設備トラブルが起こり6日間で打ち切ったが、今回は3~4週間、継続して生産するのが目標だ。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」が海底からメタンハイドレートを取り出し、天然ガスを抽出する。メタンハイドレートは次世代の国産エネルギーと期待されてきたが、産出や輸送などノウハウが乏しく、安定生産のめどが立っていないのが現状だ。
産出実験に多額の費用がかかることもあり、失敗が続けば商業化の実現性に疑問符がつきかねない。経産省関係者は「今回の実験での成功が不可欠だ」と意気込む。