自閉症はある意味一つの個性なのである。
自閉症の人のコミュニケーションや体験は通常とは少々違う。だが自閉症ゆえに成功しているというケースがあるようだ。これは”自閉症にもかからわず”、ではないことに注意してほしい。
現在活躍中の7人の自閉症の人々が、その素晴らしさを語ってくれた。
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1. シレー・ジャレル・ジョンソン
詩人、エッセイスト、ディーフ・ポエット・ソサイエティの編集者
両極端な思考の持ち主って言われるけど、全くその通り。好きなものはとことん好きだけど、嫌いなものはとことん嫌い。どちらでもいいっていうのはあまりないね。
何よりも誤魔化せない。神経学的に標準とされる基準を圧倒していて、自閉症の人の嘘偽りのなさ、つまり徹底した裏表のなさの価値はまだあまり認められていないけどね。
自分を抑えるのには凄くエネルギーがいるんだ。だから抑えたりはしない。それが要領の悪さにもつながるんだけど、でも言うべきことは遠慮せずに言うよ
2. リディア・X・Z・ブラウン
作家、活動家、オーティスティック・ホヤのクリエイター
正義感が強いわ。正しいことをやろうっていう燃えるような衝動があるの。それが世界を敵に回すように思える場合でもね。私の極端なまでの共感力のせいでしょう。それは自閉症であるためにした経験によって育まれた部分もあるのだけれど。
幼い頃から暴力を止めたくて、弱者に向けられる国の暴力に反対するっていう今の仕事に情熱を感じてきたわ。
不正や暴力が今もどこかで存在しているって考えると胸が痛むわね。それが自分に向けられたものであろうとなかろうと、人々が怯えずに暮らす世界を実現するために、私は出来る範囲で行動しなければならない。自閉症でなければ、こんな衝動はなかったんじゃないかしら
3. フィン・ガーディナー
コミュニティ教育者、活動家、オーガナイザー
すごい集中力で様々なことを深く学べることが最大のメリットかな。音楽とか、映画とか、とにかく没頭して、人が気がつかないようなことでも発見できる。
障害の歴史でもゲームでも、熱中しているときは関係することは何でも集める。どんな題材でもあっという間に詳しくなるよ。
音楽や映画やテレビにはのめり込む。歌声やリズム、映像や登場人物の感情なんかにどっぷり浸かるんだ。興味を持ったら、まっしぐらさ
4. シャーイン・ノイマイヤー
弁護士、活動家
興味のある分野に感じる情熱の強さかな。自分を駆り立てて、膨大な情報を学習したり、腕前を磨いたりできる。
矯正施設での虐待について読んで、障害のある若者向けの活動を始めたんだ。で、ロースクール時代に障害者の権利保護を行なっている事務所に入って、施設の調査報告書なんかを数十年分読んだ。今じゃ百科事典並みの知識があるし、それに関する執筆や講演も行なっているよ。
自閉症ならではのこうした衝動や記憶力は、虐待を食い止めるための最大の武器さ
5. モレニケ・ギワ・オナイウ
オーティズム・ウィメンズ・ネットワーク議長、活動家
2つあるわ。1つは解放感ね。自分が壊れているのでも、欠陥があるのでもないって気づいたとき、あたり前の基準なんかに従って、自分を決めつけなくてもいいんだって分かったの。
もう1つは、嘘偽りのなさよ。自閉症であるってことは、役割を演じるのではなく、本音でいるってこと。現状維持のための嘘っぽさを演じるんじゃなくて、思っていることを伝えて、心のままに体を動かして行動するの。
自閉症は、黒人であること、女性であることに並ぶ、私を成り立たせる核の部分よ
6. ジュリア・バスコム
オーティスティック・セルフアドボカシー・ネットワーク代表
自閉症っていうのは、何りよもまず生の現実であり、内面の体験であることを知ることが大切ね。外側の欠陥のように言われるけど、自閉症のほとんどの特徴は強力で、ポジティブな効果があるのよ。
儀式や強烈な関心といった強迫的な特徴に関連する喜びは、自閉症の人の人生において大切な、欠かせない一部。自閉症にも喜びがある、そしてその喜びこそが自閉症の核となる部分だということを分かってくれれば、これについて本当のことを話し合えるようになるわ
7. N・I・ニコルソン
作家、詩人、編集者、神経多様性の活動家
どれが一番って訊かれると困るな。色々あるから。via:7 activists tell us the best thing about being autistic/ translated hiroching / edited by parumo
例えば、自閉症であることで、周囲のことをいかに熟慮して対応しているのか気がついたことがあるよ。僕の鋭敏な神経は、様々な感覚入力を選別したり、区別したりすることが難しい。でも詩や作品を書くことができるのはそのお陰さ。
個人としても編集者としても、献身的で進取の気性に富んだ様々な人たちからのサポートを得ている。みんな情熱を持って正義や平等のために戦っているよ。要するに自閉症であるってことは、僕が僕であり、僕の日常生活を送るためには絶対欠かせないものだってことさ
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コメント
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2. 匿名処理班
知的に問題なくて身辺自立してる人ならそりゃ個性で済むだろうよ
一部の成功例だけ見て個性とか言われてもね
3.
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6. 匿名処理班
自閉症だとか ADHD だとかアスペルガーとか学習障害だとかが有名になるにつれて「すべての自閉症 (ADHD、アスペルガー、学習障害)は常人とかけ離れた天才である」という新たな偏見が生まれたように思う
そもそも(成功しているにせよ平凡であるにせよ)人間誰しも「負の個性」といってもいいようなものを持っているのではと思っている(それに名前が付いているか付いていないかの違い)
7.
8. 匿名処理班
自閉症ゆえに「必ず」特別な才能があったり、成功するわけではない
凡庸な自閉症だっていいじゃないか
9. 匿名処理班
1%の成功者と今現在も上手くいかない99%
10. 匿名処理班
周りの環境だったり成長方法を自閉症のために整えられれば自閉症はこれ以上ないほど良いパフォーマンスを発揮できる
だけどさぁ、現実はそうはいかないんだよなぁ
というかこの社会で苦しみを感じ、上手く生きていけないんだから障害扱いになるんだし
障害だから苦しみが生まれるわけじゃないんだよねぇ
でも、いつかは障害でなくなればいいなぁ
11. 匿名処理班
得意分野だとか手に職だとか、子供の頃から何か一つ自分の強みを知って鍛える事はした方がいいよな
自閉症の人に限った事ではないけど
12. 匿名処理班
成功例…?成功と失敗の2極ではなく、どんな人もどんな人生でも肯定的に捉えて生きていこうというメッセージなのでは。
13. 匿名処理班
受け入れてくれる人がいたら肯定的にもなれる。
でも周囲や下手したら家族からも理解を得られない人が多いと思う。
他者から否定され続けた人が自分を受け入れるのは難しいだろうね。
14. 匿名処理班
これは自閉症スペクトラムの人達かな
世の中の理不尽さ、曖昧な基準、正解の出ない世界、みたいな感覚を受け入れる事が出来れば生きやすいんだけどね
日本は空気を読むという習慣があるせいか自閉症に極端に否定的になる傾向があるみたい