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【国際】

「核廃絶以外にない」 NPT会合で被爆者訴え

 【ウィーン=共同】核拡散防止条約(NPT)再検討会議の準備委員会で非政府組織(NGO)の会合が三日開かれ、千葉県の児玉三智子さん(79)が被爆体験を語り、核廃絶を訴えた。長崎市の田上富久市長も平和首長会議を代表して、核兵器禁止条約の制定交渉への参加を核保有国や日本に求めた。

 児玉さんは七歳の時に広島の爆心地から約四キロの小学校で被爆。教室の天井が落ち、割れたガラスの破片が体に突き刺さった。皮膚が焼けただれたり、眼球が飛び出したりした被害者が逃げてくるのを、帰り道で見た。

 被爆した十四歳と十歳のいとこが目の前で次々に亡くなった。娘をがんで亡くしたときには自分の被爆が原因ではないかと苦しんだ。「この被害をなくすのは核廃絶以外にあり得ない」と語り、核兵器禁止条約の締結が核拡散を防止し「廃絶に向けての歩みを確実にする」と訴えた。

 田上市長は、核兵器なき世界への「道標」となる被爆者が生きているうちに核兵器の法的禁止を実現するため「勇気を持って一歩を踏み出すべきだ」と強調した。

 平和首長会議の会長、広島市の松井一実市長のメッセージも代読され、核兵器禁止条約の制定交渉を支持し、核保有国を拘束し、検証可能で包括的な法的枠組みに発展することに期待を示した。

 

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