・「Ponponpon…」・「愛の言葉をリル」・「シャイなハートがドキドキ」・「あの日観てた“サウンド・オブ・ミュージック”」・「瞼閉じれば蘇る」・「幼い頃の大事な宝物だけは」・「ずっとこの胸に抱きしめて来たのさ…Ahah」・「夜の酒場でLonely」・「あの娘今頃どうしてる?」・「さなぎは今、蝶になって」・「きっと誰かの腕の中」・「肩寄せ合い声合わせて」・「希望に燃える恋の歌」
(ブザー)4番!トランジスタの足が曲がってるんだけっじょも。
(みね子)すみません…。
お父さん…助けて下さい…
はいここでトランジスタラジオについて説明しておきたいと思います。
昭和30年代に入るとラジオはそれまでの真空管を使った大型のものから小型の乾電池で動くトランジスタラジオに変わりました。
一家に一台から一人一台に。
持ち運びが可能になったことでラジオはビーチやキャンプ場野球観戦にまでと一気に活躍の場を広げたのです。
そもそもラジオというのはトランジスタコンデンサー抵抗器発振コイルトランスなどで出来ていてみね子たちがやっているのはそれらの部品を基板に差していく仕事です。
更にアンテナを取り付ける作業や周波数を合わせる作業が行われこちらが向島電機のトランジスタラジオの完成品になります。
さて仕事初日から何日かたったあとのみね子はというと…。
(ブザー)4番!セラコンの位置が間違っとるがね!すみません。
(ため息)
(愛子)大丈夫。
そのうちできるようになるから。
澄子…。
(ブザー)4番!抵抗の場所が違っとる!すみません。
(ブザー)すみません。
(ブザー)もう…すみません。
大丈夫そのうちできるようになるから!フフッ!あっ!
(松下)ストップ!すみません!
(松下)このトランジスタ1石いくらすると思ってんだ。
はい…。
しっかり頼むよ!あっみんなごめんなさい。
ありがとうございます。
大丈夫だよ。
(幸子)おなかすいたね。
(優子)ね!あ〜おいしそう。
(幸子)いただきます。
大丈夫。
そのうちできるようになるから。
なんないよ…。
お父さんそのうちできるようになんてなりませんきっと…。
私が不器用なのはお父さん似だそうで。
ちょっぴり恨みます
(ブザー)あぁまたか…。
6番!ケミコン抜けちゅうき。
ちゃんとやりや。
(時子)すみませ〜んすみません。
お父さん…時子がわざと失敗したのは明らかで…
大丈夫大丈夫!さっ頑張ろう!フフフ!
(幸子)スイッチ入れます!
(一同)はい。
(ブザー)
(和夫)はい。
(豊子)ありがとうございます。
多めか?
(澄子)はい!
(和夫)はい。
ありがとうございます。
少なめでいいです…。
おう…はいよ。
はい。
どうも。
普通で。
おいしい?はい!そう…。
お父さん…私はだんだん心がねじ曲がっていくようで今も心の中では「あんたよくそんなに食べれんね」と思っていたりして…
ちゃんと食べよう。
冷めちゃうよ。
私役に立ってねえどころか足引っ張ってばっかりで…。
何か申し訳なくて…。
(優子)そんたこと言わねぇの。
気にすることねぇよ。
(時子)そうだよみね子。
みね子の好きなナポリタンだよ。
食べよう。
食費は食べねくても引かれますよ。
「そんなことは分かってるよ。
それはあんたらができるから言えんだよ」と心の中で思っていて…
(愛子)こらみね子さん。
ちゃんと食べなさい。
食べないといい仕事できないよ。
いい仕事なんて…そんなこど…。
大丈夫。
そのうちできるようになるから。
ね!
今の私には笑顔で根拠なく「大丈夫」と言われることはとどめのように腹が立ってしまうわけで…
みね子見て見て!芦川いづみ私この人好きなの。
きれいだよね!うん…きれいだね…。
うん…。
うん…。
元気出せみね子!う〜!うう〜!でもさ何で愛子さんはあんなふうに言うんだろ。
「そのうぢできるようになる」って。
励ましてくれてんのは分かっけどさ…。
まぁ分がんなぐはないけど…。
でしょ?愛子さんにそう言われて腹が立つの?何で?だって…。
愛子さん私たちの先輩なんだよ。
え…?そう私たちど同じように15歳がらずっとこの会社の工場で働いでだんだよ。
ず〜っと。
(幸子)お父さんどお母さん早ぐ亡ぐなって弟と妹ど3人暮らしで愛子さんが働ぐしかなかっだがら。
そのころはもちろんトランジスタラジオじゃながったんだろうけど何つくっでたんだろうね。
愛子さんすごく不器用でいっつも怒られでだんだって。
昔は今みだいに工場の人優しぐなぐてどなられたり蹴られだりしたらしいよ。
それに工場の機械も今みたいに安全に出来てなくてケガばっかりしてたって言ってあった。
・「下町の空にかがやく太陽は」・「喜びと悲しみ写すガラス窓」・「心のいたむその朝は」
(幸子)愛子さんずっと働いて弟と妹ちゃんと学校行かせでね。
でも体壊しちゃったんだよね。
んだげど本当に頑張って一日も休まず何年も働いでだから会社がね事務の仕事やらないがって。
それで今の仕事になったんだよ。
働いでる私だちのごどよく分かってるからって。
だから言ってるんだよ。
「そのうちできるようになるから」って。
お父さん…。
打ちのめされてしまいました…
・
(愛子)・「ああ」
(ノック)・「太陽に涙ぐむ」
(ドアが開く音)わっ!びっくりした!どうしたの?みね子さん。
愛子さん…。
はい何でしょう?ごめんなさい。
いいのいいの!えっ?何が?本当に…ごめんなさい!えっ?ハハハ…何だろ?何だか分かんないけど許す。
ハハハハ!ハハハハハ…。
じゃ…。
みね子さん!はい。
大丈夫。
そのうちできるようになるよ。
はい…。
(ドアが閉まる音)寝る。
おやすみ。
おやすみ。
おやすみ。
おやすみ。
(豊子)あの時子さん。
ん?今日わざとミスしましたよね。
(時子)まぁね。
(豊子)それってどうなんですかね。
(時子)間違ってるよ。
えっ?間違ってるよ。
そんなことは分かってる。
あんな追い込まれた顔したみね子見たこどなかったからなんとかしたかっただけ。
(豊子)そんなことしたってどうにもならねし仕事なのでおがしいと思います。
ん?だから間違ってるのは分かってるって言ってるでしょ?
(豊子)んならいいですけんど。
(雑誌を閉じる音)
お父さん。
私のことでもめてます
起きたい…
(はな)
今から70年ほど前。
戦後の日本は全てがゼロからの出発でした
2017/05/04(木) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 ひよっこ(28)「乙女たち、ご安全に!」[解][字][デ]
みね子(有村架純)は何度もベルトコンベヤーを止めてしまい、自分の失敗にいら立ちが募る。明るく励ましの言葉をかけてくる愛子(和久井映見)にも腹を立ててしまう。
詳細情報
番組内容
みね子(有村架純)は、仕事の失敗が続く。不器用でうまく部品を挿せず、さらに慌ててしまうのだ。何度もベルトコンベヤーを止めて叱られるが、そのたびに愛子(和久井映見)は「そのうち出来るようになるから大丈夫」と励ます。自分のふがいなさに、いらだちが募っていくみね子。特に明るく励ましてくる愛子に腹を立てるが、その言葉の真意を知って…。そんなとき、時子(佐久間由衣)が仕事中にわざとミスをする。
出演者
【出演】有村架純,佐久間由衣,小島藤子,藤野涼子,松本穂香,八木優希,陰山泰,奥田洋平,和久井映見,【語り】増田明美
原作・脚本
【作】岡田惠和
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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