妊活中の人、不妊の人が飲むと良いとされ、最近注目を浴びているピニトール。
日本ではまだまだ馴染みがないので、「一体何に効果があるの?」と不思議に思うのではないでしょうか。
聞いたことがない成分だと、副作用があるのかも気になりますよね。
今回は、ピニトールが不妊に与える影響について解説していきます。
もくじ
ピニトールは不妊の原因となるPCOSへの効果が期待されている
ピニトールとは植物の中に存在する天然の物質で、ビタミンBの仲間です。
ピニトールを体内に取り込むと、糖を代謝するインスリンというホルモンと似た働きをし、血糖値を下げてくれます。
そのため糖尿病の予防になる成分として注目されてきました。それが近年、不妊の原因となるPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)への影響についても研究がされています。
まだ数は少ないですが、妊活している人向けのサプリにピニトールが配合されているものもあります。
PCOSの特徴
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)とは、卵巣の中でうまく卵子が育たず、排卵しづらくなる症状のことです。
病気ではなく体質や生活習慣からなり、自覚症状がない人も多いので、不妊検査で初めて自分がPCOSだと知るる人がほとんどです。
自覚症状も人によって出たり出なかったりしますが、以下に当てはまる人はPCOSの可能性があります。
・月経の周期が長かったり、一定ではない
・月経以外に不正出血することがある
・にきび、ふきでものが多い
・肥満
・毛深い
PCOSの人は男性ホルモンが多くなる傾向があるので、毛深かったり太りやすい人も多いです。
中には毎月きちんと生理が来るのに排卵しておらず、不妊という人もいます。
妊活を始めて半年~1年の間に妊娠しなければ、サプリを飲むより先に婦人科を受診し、不妊の原因がないか調べましょう。
サプリはあくまで栄養を補助するものですので、不妊を直接解決してくれるわけではありません。
(関連:PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)ってどんな病気 ?妊娠するための方法)
PCOSと不妊との関係
PCOSになっても、排卵があれば妊娠はできます。実際にPCOSと気づかないまま妊娠し出産する人もたくさんいます。
しかしPCOSによって排卵しにくい、またはまったく排卵していない状態だと、妊娠しづらくなります。
女性は年齢を重ねるごとに卵子の質が下がっていくので、もし月経不順など思い当たることがあるなら、早めに検査を受けることをおすすめします。
ピニトールがPCOSの人に注目されている理由
血糖値を下げると言われるピニトールと、排卵障害を起こすPCOS。
一見、何の関係もないように見えますが、近年ピニトールがPCOSの人に与える影響について注目され始めています。
PCOSの原因はまだはっきりわかっていませんが、ホルモンバランスの異常で男性ホルモンが増えることが影響すると考えられています。
PCOSの人はインスリンの働きが悪く、砂糖や炭水化物を多く取ると糖を代謝するために過剰にインスリンが分泌されます。
するとそれが原因でさらに男性ホルモンが増える…ということに。
そこでインスリンと似た働きをするピニトールをとると、血糖値を下げる手助けをしてくれるのです。
インスリンの分泌が落ち着き、ホルモンバランスが正常になると、排卵もしやすくなります。
ほかにピニトールをとると良いのはEDの人
血糖値が高かったり、糖尿病の男性はEDになりやすいです。
また、生活習慣病や肥満予防のためにも、血糖値を下げてくれるピニトールはおすすめです。
次にピニトールが多く含まれる食品を紹介しますので、夫婦で取り入れていきましょう。
ピニトールが多く含まれる食品
ピニトールは植物由来の成分で、以下の食品に含まれています。
・ルイボス茶
・アイスプラント
ひとつずつ、特徴を見ていきましょう。
納豆にピニトールはほとんど含まれないので注意
大豆食品といえば納豆ですが、残念ながらピニトールは納豆菌に分解されてしまうため、ほとんど入っていません。
またピニトールは水にも溶けやすく、加工の段階でかなり減ってしまいます。
そもそも、食品からひとつの成分をとろうとすると大量に食べなければならず、結果的に栄養かたよってしまいます。
そうするとホルモンバランスが崩れ、妊活にもよくありません。
毎日の生活に豆乳を取り入れたり、食事に豆腐を増やすなどして、無理なく取り入れるようにしてください。
ルイボス茶は抗酸化作用もある
ルイボス茶にはピニトールだけでなく、ミネラルも含まれ、またノンカフェインなので妊活中も安心して飲むことができます。
スーパーやドラッグストアで買えるため、毎日飲むことも難しくありません。
ルイボス茶は抗酸化作用があるので、男性にもおすすめ。精子は酸化ストレスに弱いため、抗酸化力のあるものを取り入れることで、精子の質の改善につながります。
不妊の原因は、女性だけにあるとは限りません。
男性の精子の数が少なかったり、元気がなかったりすることも原因となります。
妊活するときは、できるだけ夫婦で取り組んでいきましょう。
(関連:男性にも本当に葉酸が必要?妊活のために男性ができることとは?)
ミネラル豊富なアイスプラント
アイスプラントは南アフリカ原産の植物で、葉の表面につく塩分の結晶が、まるで凍っているように見えることから名付けられました。
土の中のミネラルを吸い上げるため、生で食べても調理して食べても、ほのかに塩味を感じるのが特徴です。
プチプチ、シャキシャキした食感で、サラダなど生で食べるとおいしさが引き立ちます。
アイスプラントにはピニトールやミネラルのほか、抗酸化物質であるプロリンも含まれています。
栄養たっぷりの野菜として注目されていますが、まだ生産が少なくほかの野菜と比べて高価なため、毎日食べるのは少し厳しいかもしれません。
ピニトールをサプリでとるなら、量に気をつけて
食事から十分なピニトールをとろうとするのは、現代の食生活ではなかなか難しいです。
意識してとりたいなら、食事に加えてサプリで補うことをおすすめします。
ただし、1日の上限量は必ず守ってくださいね。
サプリに入っているピニトールの量が少なかったとしても、大量に飲むと一緒に入っているほかの栄養素のとり過ぎになる可能性があります。
ピニトールのとり過ぎによる副作用はまだわかっていない
ピニトールをとり過ぎると具体的に何が悪いのか、ということはまだわかっていません。
通常、食事でピニトールを大量にとることはできませんので、サプリの飲みすぎに気をつけていれば大丈夫です。
ただし、すでに何らかの不妊治療を受けていたり、PCOSと診断されている人、また妊娠中の人が自己判断でサプリを飲むのはやめましょう。
まず医師に相談し、問題のない範囲で取り入れるようにしてください。
ピニトールが必要な人は、食生活を見直そう
ピニトールをとるメリットは、血糖値を下げる効果が期待できることです。
血糖値が上がると肥満や糖尿病といった生活習慣病から、ED、PCOSへの影響も心配になってきます。
しかし血糖値を下げるには、サプリよりもまず食生活を見直すことが第一。
特に糖分が多い、以下の食品に注意しましょう。
・ファーストフード
・清涼飲料水
・砂糖を多く使ったお菓子
ただし、食事を抜いたり食べる量を極端に減らすと、逆に血糖値が上がってしまいます。
3食バランスよく、腹八分目で食べ過ぎないことが理想です。
ピニトールを含む食品はPCOSの女性と妊活中の男性におすすめ
ピニトールは不妊に直接効果があるわけではありませんが、PCOSの人の血糖値を下げ、男性ホルモンが増えすぎるのを押さえます。
また、ピニトールを含む食べ物には抗酸化作用もあるため、男性が積極的に取り入れると精子の質を上げられるでしょう。
不妊にはさまざまな要素が関わるので、サプリだけで効果が現れるわけではありません。
妊娠を望むなら、早めに夫婦で不妊検査を受けて、医師の適切な指導を受けてくださいね。
その上で、生活の中に上手にサプリを取り入れていきましょう。