ソマリア治安部隊、「誤って」大臣を殺害 過激派と勘違いか

死亡したアブドラヒ・シェイク・アバス大臣
Image caption 死亡したアブドラヒ・シェイク・アバス大臣

ソマリア当局によると、治安部隊が3日、閣僚最年少の公共事業・国土再建担当相(31)を射殺した。イスラム過激派と間違えたという。

ソマリア政府によると、アブドラヒ・シェイク・アバス大臣は首都モガディシュの大統領官邸近くで、車内にいるところを殺害された。

国営ラジオは、事件を受けてエチオピア訪問中のモハマド・アブドラヒ大統領が急きょ帰国することになったと伝えている。

ソマリアの首都では武装勢力による自爆攻撃や銃撃が続いており、治安部隊は緊張状態にある。このため、過去にも治安部隊は政府関係者や自分たちを誤って撃ったことがあると、BBCのソマリア専門家、アブドラヒ・アブディ氏は指摘する。

ただし、アバス公共事業相ほどの高官が誤射で殺害されるのは初めてだという。

アバス大臣は、ソマリアの干ばつや内戦を逃れた市民数十万人と同様、ケニアのダダアブ難民キャンプで育った。昨年11月の総選挙で元閣僚を番狂わせで破り、最年少の国会議員となった。

大統領は、「この不幸な悲劇の真相を突き止め」、加害者に「責任をとらせるよう」治安当局幹部に指示したという。

国営ラジオによると、アブディラフマン・オスマン情報相は、数人が逮捕されたと明らかにしたが、詳細は話していない。

ロイター通信によると、モガディシュ市長室の報道官は、アバス氏は「間違って」殺害されたと述べ、治安部隊が「誤って(アバス氏の)車に発砲してしまった」と説明している。

ソマリアの大半はいまだに、過激派勢力アルカイダとつながりのある、イスラム過激派アル・シャバブの支配下にある。

(英語記事 Somalia attack: Minister Abdullahi Sheikh Abas killed in Mogadishu

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