全国古書籍商組合連合会傘下の古書業者は全国で二千三百軒に上ります。一店あたりの平均的な売り上げが年に二千万円ぐらいだとすると、合計で四百六十億円です。ブックオフの連結売り上げが八百億円弱で、そのほかの業者の分が合わせて約五百億円あるとすると、古書業界全体では千七百億円ぐらいの売り上げになります。ただし、これらの売り上げには業者同士の取り引きも含まれるので、最終的な市場規模としては、もう少し小さいかもしれません。
2022年の新刊書籍と雑誌の販売金額は約一兆七千億円だったので、ちょうどその十分の一が中古市場になるわけです。いささか小さすぎるような気もしますが、古本では雑誌の割合が低いので、書籍だけ八千億円の二割と考えれば納得がいきます。
ただし、ここにはネットでの販売だけを扱う個人業者は含まれていません。そうした個人業者を古本業界に含めていいかどうかはまた別の問題だとしても、彼らの売り上げがどれくらいなのか、その実態はつかめていないようです。「Amazon」アフイリエイトの経験者によると、中古の本はそちらから売れることも多いそうなので、かなりの金額の古本が流通しているのは確かでしょう。