電圧フリッカ
- 電圧フリッカとはどのような現象か
- 電圧フリッカが発生する原因は何か
- パワーコンディショナ(PCS)とは何か。また何のためのものか
- 太陽光発電やPCSに問題があるのか
- 特定のメーカー製のPCSが原因ではないのか
- 電圧フリッカの発生により、お客さまにどのような影響があるのか
- 照明のチラつきは、白熱球、蛍光灯、LEDを問わず発生するのか
- 安全面・保安面の問題や停電は発生しないのか
- 電圧フリッカを防止するためにどのような対策を取っているのか
- 誰がPCSの設定変更を実施するのか
- 現在計画しているPCSの設定変更を行えば、広域的な電圧フリッカは発生しないのか
- 電圧フリッカはいつまで発生するのか
- 広域的に電圧フリッカが発生することを事前に予測し、お知らせするなどの対応が必要ではないのか
- 電圧フリッカが発生しているときには、どのように対応すれば良いのか
- 「発電事業者さまへ設定変更のご協力のお願い」には、「10kW以上の低圧太陽光発電の場合、PCSの設定変更が必要」との記載があるが、必ずPCSの設定変更をしなければならないのか。
- 電圧フリッカの発生は九州電力の責任ではないのか。
電圧フリッカとはどのような現象か
電圧フリッカとは、電線路の電圧が繰返し変化することで、照明のチラつき等を引き起こす現象です。
電圧フリッカが発生する原因は何か
今回広域に発生している電圧フリッカの原因は、一部の低圧太陽光用パワーコンディショナ(PCS)に備えられている単独運転検出機能(新型能動的方式)から、大量の無効電力が電線路に注入されたためです。
一方、電気炉やX線装置など、電気の使用量が急激にかつ頻繁に変化する場合に電圧フリッカが発生することもあります。
パワーコンディショナ(PCS)とは何か。また何のためのものか
パワーコンディショナ(以下:PCS)とは、太陽光パネルで発生した直流電力を電線路に流れている交流電力に変換する機能と太陽光パネルを電力系統に接続するための保護機能を持った装置のことです。(PCSは発電事業者さまの設備の一部)
PCSは、電線路に接続するために必要な保護機能を有しており、電線路側の停電または発電設備の故障を検出し、電線路から太陽光発電設備等を切り離すことで、「感電事故の防止」など安全を確保します。
太陽光発電やPCSに問題があるのか
今回の電圧フリッカは、PCSの停電を検出する保護機能の設定が、大量に太陽光発電が接続された電線路の状況に適していないことにより生じているものであり、太陽光発電やPCSそのものに問題はありません。
特定のメーカー製のPCSが原因ではないのか
電圧フリッカ発生は、新型能動的方式を備えたPCSからの無効電力注入が原因であり、特定のメーカーさまのPCSだけが原因ではありません。
電圧フリッカの発生により、お客さまにどのような影響があるのか
電圧フリッカが発生すると、照明のチラつきが発生します。
照明のチラつきは、白熱球、蛍光灯、LEDを問わず発生するのか
白熱球、蛍光灯は、電圧フリッカが発生すると、照明のチラつきが発生します。なお、LED照明はチラつきが発生しないものが大部分ですが、方式の違いにより一部のLEDでもチラつきが発生することがあります。
安全面・保安面の問題や停電は発生しないのか
電圧フリッカ現象は、電力品質の問題であり、感電や停電など安全面・保安面の問題はありません。
電圧フリッカを防止するためにどのような対策を取っているのか
新型能動的方式を備えた全てのPCSメーカーさまの製品を対象として、「PCSの設定変更」を進めています。
また、電圧フリッカ発生の恐れがある場合には、安定した電気の供給に影響を与えるような電圧を調整する機器の操作をできる限り避けるなどの対策を実施しています。
誰がPCSの設定変更を実施するのか
系統連系に関する契約要綱上、発電設備が原因となって電力品質面で第三者に影響を及ぼす場合は発電事業者さまの負担で対策することが原則です。
ただし、今回の広域的に発生した電圧フリッカに対するPCSの設定変更については、緊急対策として、当社が積極的に作業のお手伝いをするなど、最大限の取り組みをおこなっています。
現在計画しているPCSの設定変更を行えば、広域的な電圧フリッカは発生しないのか
PCSの設定変更により、電圧変動はある程度低減し、電圧フリッカ発生の抑制に効果的と考えています。ただし、更に需要が小さくなり、太陽光発電の連系量や出力も増加すれば、現在計画しているPCSの設定変更をおこなっても、電圧フリッカの発生が避けられない可能性があります。
電圧フリッカはいつまで発生するのか
これまでの実績から、電気の使用量が少ないほど電圧フリッカが発生する可能性が高まると考えておりますが、現時点で明確にお答えすることはできません。
広域的に電圧フリッカが発生することを事前に予測し、お知らせするなどの対応が必要ではないのか
これまでの発生実績により、太陽光発電の出力が多く、電気の使用量が少ない時期に発生することが想定されます。ただし、現時点で具体的な発生日時を事前に正確に予測することは困難であり、信頼性の低い予測に基づいてお知らせすることでお客さまがご心配や不安をお持ちになることになることが懸念されます。
このため、電圧フリッカが発生した時点でホームページなどを活用して、速やかにお知らせします。
電圧フリッカが発生しているときには、どのように対応すれば良いのか
照明のチラつきが発生しますが、安全上の問題はないため、電圧フリッカが収まるまでお待ちいただくか、照明の電源を切るなどのご対応をお願いします。
万が一、電圧フリッカが発生した場合は、当社ホームページにて電圧フリッカ発生状況の確認をお願いします。また、電圧フリッカ発生により、ご心配な事項などがございましたら、最寄りの営業所・配電事業所にご相談ください。
「発電事業者さまへ設定変更のご協力のお願い」には、「10kW以上の低圧太陽光発電の場合、PCSの設定変更が必要」との記載があるが、必ずPCSの設定変更をしなければならないのか。
当社は、10kW以上の低圧太陽光発電を複数契約お持ちの方々から順に設定変更のご案内をおこなっていく予定としております。当社から個別のご案内があった場合に、ご協力をお願いいたします。
電圧フリッカの発生は九州電力の責任ではないのか。
電圧フリッカ発生は、気象条件や需要状況等によって発生の有無や頻度等が左右されるものであり、また、系統に影響を与えているPCSを特定することが不可能であることから、当社で電圧フリッカ事象の発生を具体的に予見し、電線路で有効な対策を講じることが極めて困難です。
したがって、今回の事象は、当社の責めに帰すべき事由によるものではなくやむをえない事情であるため、当社は法的責任を負わないものと考えております。