原題 THERE WILL BE BLOOD 製作国 アメリカ 製作年 2007/158分 監督・脚本 ポール・トーマス・アンダーソン 原作 アプトン・シンクレア |
評価:★★★☆ 3.5点
題名『ゼア・ウイル・ビー・ブラッド』とは、直訳すれば「そこに血がある(だろう)」という意味かと思います。
しかし、この「血」が実に多くのモノを指しており、その「血」を巡る一人の男の人生を描く映画だと言えます。
壮絶と言っていい男の生きざまを、ダニエル・デイ・ルイスが鬼気迫る演技で魅せ、その結果はオスカーでの主演男優賞の受賞という形で評価されました。
『ゼア・ウイル・ビー・ブラッド』予告 |
『ゼア・ウイル・ビー・ブラッド』あらすじ |
彼、ダニエル・プレインヴュー(ダニエル・デイ=ルイス)は、足の骨を折りながらも金を採掘した。そして次に手掛けたのが石油採掘だった。
1902年数人の男達を従え、縦穴を掘り続け、死人を出しながらも油田の採掘に成功した。
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その傍らには、バスケットに入った赤ん坊がいた。
それから10年ダニエルは、更なる油田を求め各地で試掘の交渉をして回っていた。
その場には成長したH.W.(ディロン・フレイジャー)を伴っていた。
そんなダニエルの元に、ポール・サンデー(ポール・ダノ)という若者が訪ねてきた。
そのの情報を元にプレインヴューは、H.W.仕事の相棒フレッチャー(キアラン・ハインズ)と相談し、カリフォルニアの小さな町リトル・ボストンのサンデ−牧場を訪問した。
周辺を調査し確信したダニエルは、牧場主エイベル・サンデー(デビッド・ウイリス)に牧場の購入を申し入れた。
その交渉にポールの双子の弟で「第三の啓示教会」伝道師イーライ(ポール・ダノ)が割って入り、自分の教会の為に寄付を要求しダニエルは受けた。
ダニエルはサンデー牧場を皮切りに、その周辺の土地を買い続けた。ただし少ない面積ながら、バンディ家の土地だけは買収できなかった。
ダニエルはいよいよ油田の試掘に取り掛かる。記念すべき初掘削式の前に、イーライが神の祝福を授けたいと申し出たが、式でダニエルはイーライの願いを無視した。
その後ダニエルは掘り続け、ついに油脈を掘り当てたが、その時石油より先にガスが噴出し、櫓にいたH.W.を吹き飛ばした。
作業員:ガスだ!/ダニエル:ライトを消せ(走る)火を消せ!
そのショックでH.W.は聴力を失ってしまう。
ガスにつづいて油が天高く吹き上がったが、その油に火が付き火柱となった。家に避難したH.W.が一人にしないでと頼むが、ダニエルはそれを振り切って現場へ走った。
火炎はダイナイマイトの爆風によって、ようやく消し止められた。
油田から油は湧き出し続け、ダニエルは富を手にしたが、耳の聞こえないH.W.とダニエルは意思疎通が困難になる。
そこにイーライがやってきて、約束の教会への寄付5,000ドルを要求した。
イーライ:いつ金を貰えるんだ、ダニエル?/ダニエル:お前は「治癒師」で「精霊の宿主」だろう。いつお前は俺の息子の耳を直しに来るんだ?出来ないのか!/イーライ:あの油田を祝福していれば−ダニエルこんなこと/イーライ:アンタは第三の教会に5000ドル払うと事前にで決めたはずだ。/ダニエル:抵抗するなガキめ!どうだ、いいぞ。お前を地面の下に埋めてやる。おお。お前を埋葬してやる。
イーライをダニエルは殴打し、H.W.の耳をなぜ直せない、お前を埋めてやると責めた。
イーライは家に戻ると、父に掴み掛り、家にはいない双子の兄弟ポールと共に、2人のせいでダニエルをのさばらせることになったと八つ当たりした。
そんな時、ダニエルの元に彼の弟だと名乗るヘンリー(ケヴィン・J・オコナー)がやってきた。
彼はダニエルと共に仕事に参加するようになる。
H.W.はそんなダニエルの日記を盗み見て、ダニエルとヘンリーの密接な関係に疎外感を持ち、ある晩家に火をつけてしまう。
そんなH.W.をダニエルは汽車に乗せ、騙してサン・フランシスコの寄宿舎学校に追いやった。
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そんなある日ダニエルの元に大手石油メジャー、スタンダード・オイルのテルフォードが訪ねてきて、彼の油田を100万ドルで買うとオファーした。
交渉はまとまるかと思われたが、金をつかんで引退したら「息子の世話ができる」と相手に言われ、ダニエルは息子のことに口を出すなと激高し席を立つ。
(上:お前の首を掻っ切ってやる)
そして、ユニオン・オイルと契約し、自らパイプラインを海まで引く決意をする。ダニエルはパイプラインの施設調査のためヘンリーと共に旅立つ。
最初に唯一買収できなかった、バンディ家に立ち寄るが、当主が不在だった。
その後旅を続けついに海に達し、パイプラインのコースが決まった。
海で遊ぶダニエルは世間話の中で、ヘンリーが本当の弟かと疑念を持つ。
酒場で飲みながらも気分は晴れない。その夜ダニエルは、ヘンリーに銃を突きつけ、本当に弟なのかと問い詰めた。ヘンリーは、ある町でダニエルの弟に会い、彼が結核で死んだので弟に成りすましたと告白した。
ダニエルは許しを請うヘンリーを射殺し、埋めた。
翌朝、バンディー家当主ウィリアム(ハンス・ハウェス)がダニエルを起こした。
彼はヘンリー殺しも知っており、パイプラインを自分の土地に通したければ、イーライの洗礼を受ける事を要求した。
パイプラインのためダニエルは、イーライの教会で「子供を捨てた罪びとだ」と屈辱の懺悔をさせられ、洗礼を受けた。
土地の問題が解消され、パイプラインが順調に建設される中、ダニエルはH.W.を呼び戻した。
「愛している」というダニエルに対して、H.W.は怒り殴りかかった。
しかし、その後二人はパートナーとして常に傍らにいて、共に仕事の場にいた。
イーライは宣教のため町を離れていった。
月日がたち1927年青年H.W.(ディロン・フリーシャー)はイーライの妹メアリー(シドニー・マカリスター)と結婚をした。
ダニエルにとって順風満帆かと思われた時、H.W.が彼にある相談を持ちかけた・・・・・・・
『ゼア・ウイル・ビー・ブラッド』出演者
ダニエル・プレインビュー(ダニエル・デイ=ルイス)/ポール・サンデー:イーライ・サンデー(ポール・ダノ)/ヘンリー(ケヴィン・J・オコナー)/フレッチャー(キーラン・ハインズ)/H・W・プレインビュー(ディロン・フリーシャー)/メアリー・サンデー(シドニー・マカリスター)/H・M・ティルフォード(デヴィッド・ウォーショフスキー)/ジーン・ブレイズ(ダン・スワロー)/ウィリアム・バンディ(ハンス・ハウェス)
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ありがとうございます(^^)重厚な歴史絵巻です。ポール・ダノとデイ・ルイスの演技合戦です(笑)けっこう暗いです・・・・・
ダニエルがけっこうメンドくさいおんちゃんっぽいですね。
続きが気になりました。
ありがとうございます(^^)ダニエル相当こじれてます。キャラクター造形は深いです。それをダニエル・デイ・ルイスが迫力の演技で演じてます。