2023年春の北陸新幹線敦賀開業後、JRから経営分離される並行在来線について福井県は4月28日、運営する第三セクターの経営計画の策定作業を、従来の予定から1年程度前倒して来年に始める方針を明らかにした。20年春の計画策定までの期間に余裕を持たせ、三セクの在り方だけでなく、えちぜん鉄道、福井鉄道との乗り継ぎの利便性について検討を深めていく考え。
福井市のアオッサで開かれた沿線市町や経済界などとつくる「県並行在来線対策協議会」の幹事会で報告した。県は2月県議会で、経営基本方針を検討するための基本調査についても、半年程度検討を早める方針を示していた。
経営計画には運賃の水準、沿線自治体などから募る予定の資本金の出資割合のほか、ダイヤ編成に当たっての方針が盛り込まれる。県は従来、18年に運行形態など経営の基本方針を固めた後、19年度に経営計画に関する調査や検討などの策定作業を一挙に進めることにしていた。
新たなスケジュールでは来年の基本方針の決定後、速やかに経営計画の調査に着手する。県並行在来線対策室は「策定期間を長くして、福鉄、えち鉄とのダイヤの編成を調整するなど、乗り継ぎの利便性を高める工夫をしていきたい」と説明している。
この日の幹事会では意見交換も行われた。出席者から新駅の設置に関する考えをただされたのに対し、県側は「地元の意見も聞いて方向性を考えたい」と述べた。