だいすけお兄さん「9年間やっていて一番つらかったこと」 卒業インタビュー
この人の歌と笑顔と変顔に、どれだけの親子が救われてきただろう。NHKの幼児番組「おかあさんといっしょ」で11代目うたのお兄さんを9年間務めた横山だいすけさんが、どんな思いでカメラの前やステージに立ち、これからどこを目指すのか。全国各地、海外からも届いた質問をもとにAERA編集部が聞いた。
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――うたのお兄さんを9年間務め、改めて今どんな気持ちですか。
幼いころからの夢だった“うたのお兄さん”を大きなケガもなく全力で走り終えることができたことにホッとしています。終わってから、いろんな声をかけていただいたり、一緒にやってきた方たちとゆっくり話したりして、番組が世の中の人たちにどれだけ愛されてきたかを改めて感じました。
――現役時代、自分の中で何か決めていたことはありましたか。
1年目から大事にしてきたのは新鮮であること。プロデューサーに「番組を見るのもコンサートに来るのもその子にとって1回きりかもしれないし、最後かもしれない。だからこそ瞬間、瞬間を常にフレッシュな気持ちで取り組んでもらいたい」と言われました。当時は僕と三谷たくみお姉さんだったので、この言葉を大事にしていこうと2人で話しました。
どちらかが疲れちゃったり、病気になってちょっと気分が凹んでいたりして、新鮮になれない瞬間は必ず訪れるものだと思います。年数が経てば経つほど、そういう瞬間は増えてくるかもしれない。でも僕らは一人でやっているわけじゃないし、お兄さんお姉さんは4人のチームワーク。さらにキャラクターたちがいて、技術さん、制作スタッフさん、みんなで一つの番組を作っているので、僕らがフレッシュな気持ちでいることが大事なんじゃないかと自分でも思うようになりました。
――具体的には何をしていましたか。
特に同じ歌を久しぶりに歌うとき、前の録音を聞いて、自分が今どう感じているか、どう歌おうかとお姉さんと話していました。感じたまま歌ってみて、合わせていきました。