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理学療法ノウハウ!デスクワークで肩こりになる人の姿勢改善とストレッチ

肩こりーパソコン
こんにちは、ジャパンヘルスケアの中田です。

本日のテーマはデスクワークと肩こりです。パソコンを使う事務さんで、肩こりに悩む人は多いですよね?
事務さんでなくても、今の時代パソコンを長時間使う人がとても増えました。

そんな便利なパソコンですが、弊害として姿勢が悪くなったり、肩こりや腰痛、目の疲れなど様々な症状を引き起こすことがあります。
こんな症状が起きれば、仕事効率は当然落ちます。
仕事効率が落ちれば、更に仕事をする時間が増えるので、また身体に対する負担が増えてしまいます。

デスクワークを肩こりなどの症状なく快適に過ごすことはとても大事なんですね。
ということで、今回肩こりに対する姿勢とストレッチ、そして肩こりにならない為に大事な筋肉までしっかりと、でもわかりやすく書いていきたいと思います。

 

なんでデスクワークで肩こりになるの?


長い時間パソコンをすると、肩って疲れますよね。
これの原因は色々ありますが、

パソコンー姿勢

・手を前に出す姿勢の為、それを支える肩に負荷がかかる
・同じ姿勢を取り続けることによる筋肉の疲労
・頭を前に出すことによって、それを支える首の筋肉に負荷がかかる

 

 

が大きなポイントですね。そもそも負担のかかりやすい姿勢を、長い時間維持しているのだから、肩こりになるのはある意味当然です。
筋肉の疲労は筋肉の硬さに繋がり、そして循環不全が起きます。
そうすると老廃物が溜まり、肩こりに繋がっていくんですね。

他にはストレスが原因の肩こりもありますし、原因のよくわからないものもあります。
たまに、「何もしてないのに肩こりになって辛い」という人がいますが、何もしていなくても肩こりにはなります。

スーパーで買ったお肉、放置すると硬くなりますよね?
人の身体のお肉も一緒です。放置すると硬くなります。

なので何もしていない場合でも肩こりにはなるので、気をつけてくださいね。

 

パソコンをするときに肩こりを防ぐ良い姿勢とは?


まず基本的な考え方として、肩こりになりにくい最適な姿勢があったとしても、それをすれば肩こりにならない訳ではありません。
筋肉の長時間の使用はそれだけで負荷になります。
最適な姿勢を取っても、それを取り続けると同じ筋肉を使い続けることになります。
姿勢を動かすことで、バランスよく筋肉を使うことになるので特定の部分に疲労が集中することを防ぐことが出来ます。
「良い姿勢をとらなければいけない」「良い姿勢をしなければ」「良い姿勢を…」
といった考え方が頭を埋めると、ストレスも重なり逆に肩こりになってしまうことがあります。

さて、それを前提とした上で、肩こりを防ぐ姿勢はこんな感じです。

肩こり改善姿勢の重要なポイントは
1,肘を机に乗せること
2,頭を前に出さないこと
3,リラックスすること
です。

1,肘を机に乗せること

肘を机に乗せることで、腕の重みを机に逃がすことが出来ます。肘を浮かすと重みを肩で支える必要があるので、それを避けることで肩こり改善に繋げます。前方に十分なスペースがない場合は、椅子のアームレストに腕を置くようにすると良いです。
肘を置くことが物理的に難しければ、前腕部分だけでも机に置くようにしましょう。

2,頭を前に出さないこと

パソコンの肩こりに繋がるダメな姿勢は頭が前に出る頭を前に出すと、首の筋肉で支えないといけません。頭というのは成人で約5kgあると言われます。
5kgの米袋が首から上に付いているといえばある程度想像出来るのじゃないでしょうか?
この首についた米袋を、パソコンを使ってる間ずっと支え続けるのってかなり大変ですよね。
パソコンの位置が低いと下を向いたような姿勢になるので、頭が前に出やすくなります。
なので位置を高くするか、パソコン台のようなものを使うのも良いですね。

3,リラックスすること

意外と大事なのがここです。良い姿勢というのを教えられた方は、意欲が高い人ほど頑張ってその姿勢を取ろうとします。
いつもずっと猫背で過ごして来た人が、姿勢を治そうと背筋を使って身体をまっすぐ伸ばして良い姿勢をとっている。
両肩が前に出てしまう人が、頑張って肩を後ろに引いた姿勢を維持しようとしている。
そんなシーンによく出くわしましたが、悪いとまでは言わないもののちょっと微妙です。
その人のカラダには、その人の歴史が刻まれています。
今までずっと猫背だったのに、急に姿勢を変えようとすると変な力が入ります。
変な力は、変なストレスに変わります。
それに、姿勢というのは基本的に無意識に制御されます。
この無意識の制御を、意識的にコントロールし続けるのはとても難しいです。
それを無視して、自分の身体を考えずに良い姿勢を「頑張って」とり続けると、結局他の場所に負担が来たり、持続せずに元の身体に戻ってしまいます。

こういったところから、姿勢を変えるためには先に身体を変える必要があります。
背中を真っ直ぐに出来る身体を作ってこそ、ちゃんと猫背改善に繋がります。

もちろん、だからといって身体が変わるまで猫背の人は猫背のままでいいわけはありません。
無理に頑張って良い姿勢をとるのではなくて、今よりも少し良い姿勢に変えてあげる、無理な力の入らない範囲で良い姿勢をとる。
それをしながら日々のストレスを減らし、姿勢を少しずつ良くし、ストレッチや筋トレを行っていくのがベストチョイスです。

さてクイズです。これ、どこが悪いかわかりますか?
肩こりーパソコン

そう、肘が浮いているところです!!
それにこの人の場合は、肩が外に開いているのでこれも負担になります。
もし肘が机についていれば腕の重さは机に抜けていくので大丈夫ですが、この位置は余分に負担が加わります。

イメージしにくい人は、腕を外側に開いて、ついでに肘も前腕もつけずに腕を全部浮かした状態でパソコンをしてみてください。

ね?
負担強いのわかりましたね。この腕が開いてしまう対策ならマウスの位置を自分に近づけるように調整すればオーケーです。

 

 

パソコンを長時間使用するときにやりたい肩こり対策ストレッチ


肩こり改善の身体作りに入っていきましょう。
ポイントは
・肩甲骨の動きを良くする
・身体の前側・下側の筋肉を伸ばす
です。

肩甲骨の動きを良くする

これは割とみなさん聞いたことがあるはずです。
はずなのですが、かなりたくさんの方が下の図のような効率の悪いストレッチをしています
肩こりーストレッチ

 

こうやって腕をぐるぐる動かすと、腕の骨が良く動くので「やってる感じ」が出ます。
が、この場合肩甲骨そのものはあまり動かせていないことが多いです。
そう、肩甲骨動かせてないんです!なのにこの方法が至る所で紹介されています…

これをやるなら肘をわき腹につけたまま肩を回すパターンがおすすめです。
肩甲骨ーストレッチ

 

そして他におすすめなのが肘を壁などに当てながら動かすパターンです。
肩甲骨のストレッチ

こうやって壁に肘を当てた状態で、体重をかけたり離したりして肩甲骨を前後に動かします。
重力や身体の力を使うため、肩周りをリラックスさせた状態でストレッチが出来ます。
それに加えて、このストレッチは肩甲骨が動いている感じが掴みやすくなります。
動いている感じがわかると、その部分を意識して伸ばせるのでストレッチの効率が上がります。

身体の前側・下側の筋肉を伸ばす

これは、筋肉の釣り合いを考えて見ます。
みなさんが良く感じるコリって、このあたりに出ますよね?

肩こり

筋肉はゴムみたいなイメージで捉えることが出来ますが、このゴムの引っ張り合いでバランスをとっています。
頭でいくと、前に引っ張られる筋肉と、後ろに引っ張られる筋肉のバランスということですね。

 

これ、もし前側の筋肉が常に張っていたらどうでしょうか?

 

前に引っ張られる強い力に対して、後ろも強く引っ張らないとバランスが取れなくなってしまいます。
パソコンの姿勢は、基本的に頭は少し下を向くので首の前側の筋肉は硬くなりがちです。
言い換えれば、前側に引っ張られやすい状態です。
なので、ここの引っ張りをなくせば後ろ側の負担も大きく減らすことが出来ます。
肩こり

首のストレッチは、至ってシンプルにやってもらって大丈夫です。
上を見て、顎を上げて首筋を伸ばしてあげてください。

前側の筋肉と後ろの筋肉のバランス、これは胸に関しても一緒です。
疲れた時にこうやって両腕を前に伸ばす人は多いですが…
肩ーストレッチ

パソコン姿勢で前に縮こまった身体は、後ろに伸ばしてあげることが大事です。
肩こりーストレッチ

こうやって椅子に持たれて伸ばす簡単なパターンと、
肩甲骨と大胸筋のストレッチ

こうやって肘を壁に当ててしっかり伸ばすパターンがあります。


以前なで肩対策の記事で書きましたが、肩の上と下の筋肉も一緒ですね。
なで肩とその肩こりを改善する4つのポイントhttp://jp-hc.com/slopingshoulders413

肩ー肩甲骨ーなで肩

わき腹の筋肉を伸ばして、肩の上のストレスを減らしてあげてください。
今回は椅子の上でやれるものを載せておきます。

肩こりーストレッチ

こっている部分をストレッチやマッサージするのが普通なのですが、意外とこの反対側の筋肉が縮こまっていることが多いです。ここを伸ばしてあげることで、こっている反対側の部分の筋肉の負担が減るので、改善に繋がりますよ。

あ、もちろん普通にこっている場所のストレッチやマッサージも大事です!
こっちはどこでも良く聞くような普通のものでやってもらっておっけーです。

 

肩こりにならない為の筋力トレーニング


まずは前回のなで肩の肩こり対策でも紹介した筋トレ達。当然肩こり対策で使えます。

トレーニング1

下に下がり気味の肩を、上に持ち上げてあげるトレーニングです。上の二つのポイントはなで肩を悪化させないための方法としてすごく良いですが、改善まで持っていくにはエネルギー不足です。この筋肉を使って肩甲骨を上に引っ張っていきましょう。(僧帽筋と呼ばれる所のトレーニングです)
僧帽筋トレーニング
注意点として二つあります。
・肘だけ上がるとよくない筋トレになってしまうので、肩・肩甲骨から動かすのを意識して行ってください。
・肩を上に上げますが、何も意識しないと真上ではなくやや前側に上がってしまいます。少し斜め後ろに上げるイメージで行うのがオススメです。

そして次は肩を全体的に安定させる筋肉で、腕の骨と肩甲骨を安定させることが出来ます。

トレーニング2

親指を上にして腕を図の角度くらいまで上げる。水の入ったペッドボトルや、軽いダンベルを持って行うと良いです。
(棘上筋トレーニング。full canトレーニングとも言われます)
棘上筋トレーニング

トレーニング3

親指を下にして腕を図の角度くらいまで上げる。水の入ったペッドボトルや、軽いダンベルを持って行うと良いです。
(棘下筋トレーニング。empty canトレーニングとも言われます)

棘下筋トレーニング

そして他にもいいトレーニングがたくさんあります。自分のやりやすいものから初めてみたらいいかも!?

トレーニング4

背筋です。これ、意外と肩こり対策に大事です。中でも猫背傾向にある人に向きます。
背筋

上げる角度はこれぐらいでいいです。上げる支点は矢印で示したところぐらいにしてください。
間違った背筋

ここまで上げると、腰の部分の背筋を使うことになり、肩こり対策で一番使いたい背中の上の方の筋肉が使えません。

トレーニング5

さらに肩板筋というものを使うトレーニングです。図の姿勢でペットボトルを上にあげたり下ろしたりを繰り返してください。腕を上にあげた状態で筋肉を使うので、そういった「腕を上にあげた状態で仕事をする人」に有効です。例えばカメラマンさんとか教師さんとかですね。

肩板筋トレーニング

どのトレーニングも20回ぐらいを楽に出来るくらいの能力があればいいですね。
それも3セットくらい出来ればなおよしです。
もっとやりたい人はそこから負荷を増やしたり、回数を増やしたりしてみてください。

 

それでも肩こりが治らないならどうする?


いろんな整体に行った、いろんなストレッチをした、いろんなマッサージに通った…
それでも何をしても治らない…
もしそんな人がいるなら辛いですよね。

その場合に考えられることは
・ストレッチや筋トレの量が足りない
・根本の原因が心身のストレスからきている
・栄養状態が悪く、全身の循環がそもそも悪い
・改善に向かうアプローチはしっかり出来ているけども、そもそも日々の仕事の負担が大きすぎて焼け石に水状態
などかなと思います。

この場合どうするかというと、
・良いセラピストを探す
・とりあえず栄養面をよくして身体を内側から変える
・仕事を変える
・いっそのこと肩こり改善を諦め、付き合っていく決意をする

などでしょうか。諦めて付き合っていく決意をすると、ストレスが減って肩こり改善なんてこともありますよ。

肩こりが治ったあとは?


頑張ってストレッチや筋トレをして肩こりが治りました!よし、これで身体ケアは何もしなくて良い!
と思うと落とし穴です。

部屋を掃除してもそのまま放置すると、埃がたまります。
車の徹底的なメンテナンスをしても、その後定期的にメンテナンスする必要があります。

あなたがこれから車を買うとして、それを一生使い続けないといけないならば、こまめにオイルを交換し、メンテナンスしながら大事に使いますよね?

あなたの身体は、その一つのものを一生使い続ける必要があります。使い続けるものはメンテナンスし続けなければいけません。
これは当然のことです。
多くの人はなぜか「カラダケア」というものに対して意識が低い。
というより、そもそも概念としてカラダケアがない人もいますし、継続的なカラダケアとして考えると更にその数は減ります。
せっかく得た理想的なカラダならば、それを維持するための努力も惜しまないようにしましょう!

 

ジャパンヘルスケア
理学療法士/パーソナルトレーナー 中田宏樹

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中田宏樹

中田宏樹

事業部長Japan Healthcare
理学療法士の資格を持ち、総合病院にて臨床経験を積む。その後大阪にてパーソナルトレーナーや出張整体、ストレッチ教室などを行う事業を設立。 現在は東京に活動拠点を移し、ジャパンヘルスケアの一員となる。 その他甲子園などでのメディカルトレーニング、教育機関などで姿勢に関する講演を行うなど、多岐に渡る活動を行ってきた。
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