本棚にねこまんま

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本棚にねこまんま

ねこ と ごはん

なつかない猫を抱っこするまで

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つい最近、やっと前から手をのばしても大丈夫になりました。
今まではすぐに噛もうと口を開けていたので、目を閉じてごろごろされるのが嬉しいのなんの。
しつこく撫ですぎると噛みますが、大変感激した出来事でした。

人が怖かったくーちゃんのこと

くーちゃんは元野良猫なので誕生日は不明ですが、ざっくり6月ぐらいの生まれです。
もうすぐ3歳になります。
最近思うことは、くーちゃんの性格は随分変わったなぁということです。

我が家にくーちゃんを迎え入れたとき、生後約3ヵ月でした。
一般的に生後2ヵ月までに人に接することがなかった猫は人に慣れるまでに時間がかかるといいます。
くーちゃんとは譲渡会で出会いました。
野良猫だったところをボランティアさんに保護され、まだ人を怖がっていたくーちゃん。

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当時の私は「暮らしているうちに自然に懐いてくれるだろう」と楽観的に構えており、一緒に暮らすことを決めました。
振り返ってみればくーちゃんがこの家に、人に慣れるまでには長い時間を要しました。
自然に懐くだろうなんて考えは甘っちょろかったのです。

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その頃の写真を見返してみるとくーちゃんはいつも怯えた目をしています。
しょっちゅう威嚇もされたし、空気砲も打たれました。
噛まれたことも、引っかかれたことも、たくさんあります。
一時期は「この子は一生私たちに怯えながら暮らしていくことになるのだろうか」と悲嘆に暮れたものです。
それでも今は撫でられるのが大好きで、側に人がいないと寂しくて鳴き喚いてしまうくらい人が好きになりました。

▼すっかり家族になじんでカメラにも興味深々なくーちゃん
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抱っこまでの道のり

もっと積極的に抱っこしようとしたり触ろうとすれば、もしかしたらもっと早く仲良くなれたのかも知れません。
私がやってきたことは正解じゃなかったかも知れません。
それでも、びびりな飼い主とびびりな猫が、手探りで、ゆっくりと歩んできた道のりです。
どこかで「猫がなついてくれない」と悩んでいる人の参考になれば幸いです。


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はじめは触るのはもちろん、人に近づきもしませんでした。
「ケージから出たいかな~」なんて家に来た翌日にはケージの扉を開けちゃってましたが、本当は撫でられるようになるまでケージから出さないのが一般的らしいです。
そして家にきて1ヵ月がたち、部屋や人のいる感覚に慣れてきた頃から、すれ違いざまに尻を撫でまくりました。(痴漢やん)
相手に気づかれないようにさりげなく触るのがポイント。


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猫の後ろに回って撫でます。
これも初めは気づかれないように。
繰り返すうちに撫でられるのは心地よいんだ、と思ってもらえるようになります。

また、前から頭を撫でる時は猫の目線より下の方から。
上から手が迫ってくると慣れていない猫は恐怖を感じ、逃げたり攻撃したりしてしまいます。
くーちゃんは下からだろうが、横からだろうが、なかなか前から撫でるのは許してくれませんでしたが…


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猫の脇の下に手を入れてちょっとだけ持ち上げてみます。
猫は急所であるお腹側を触られるのが嫌いなので、はじめは本当に一瞬だけ。
慣れてくると持ち上げて短い距離を移動できるようになります。


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持ち上げられることに慣れたら、正座した膝の上に乗せてみます。
最初は乗せるだけでも嫌がって逃げていきますが、繰り返していくと膝の上で撫でられるようになります。
いつか自分から上ってくるようになるのが理想。


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2年半経った今でもくーちゃんは抱っこが苦手です。
猫は本能的に拘束されるのを嫌う子が多いです。
すぐに逃げ出せない状態っていうのは、自分の身で考えるとやっぱり怖いですよね。

落ちるんじゃないかと恐怖を感じてしまうので、お尻はしっかり支えます。
はじめは座ったまま、慣れてきたら立って、最近は抱っこしたまま歩き回れるぐらいになりました。
最初はしがみついていたくーちゃんも、今は短い時間なら仰向けでも大丈夫です。
抱っこされても安全なんだと分かると、毎日ちょっとずつ抱っこできる時間は長くなっていくことでしょう。

猫とのスキンシップのポイント

1.嫌がったらすぐにやめる

大好きな猫ちゃんにべったり甘えて欲しい気持ちは分かりますが、人間の身勝手で無理強いすればストレスになりかねません。
嫌がったらやめて、また後日。

2.気長に構える

信頼関係はすぐには築けません。
毎日毎日、時間をかけて根気よくつくりあげていくものです。
また、ついつい他の家の猫と比べてしまうものですが、よそはよそ、うちはうちです。
人間だって友達とわいわい騒ぐのが好きな人もいれば、一人で過ごしたい人もいます。
猫ちゃんの性格を尊重し、向こうから歩み寄ってくるのを待ちましょう。

3.おやつで釣る

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膝に乗せたり、抱っこしたり、猫に我慢してもらった時には「嫌な経験をしたなぁ~」と思われなようにおやつをあげてご機嫌をとります。
抱っこされると美味しいものが食べれる!という風に、良いことがあった記憶を刷り込みましょう。
そのうち自分から抱っこをせがむようになるかも。
特に食い意地のはった猫ちゃんに効果的です。

おわりに

外で生活していた猫を飼う場合、「猫がなついてくれない!」とお悩みになる人は多いかと思います。
人と共存してこなかった猫が人と暮らすのは、猫にとっても大変なことです。

この人は嫌なことはしない

撫でるられのは心地よい

ここは安全な場所だ

猫が心の底からそう思えるようになるには長い年月が必要です。

しかし、なつかなかった経験を経て、その子が甘えてくるようになった時の感動は言葉にし尽くせないものがあります。

「野良猫だった猫はなつかなそう」というイメージが少しでもなくなりますように。

そして、猫を飼いたいと思い立った時に、ペットショップも良いけど、里親も良いなと思ってくれる人が増えますように。