NHK世論調査 憲法の改正 必要43% 必要なし34%

NHK世論調査 憲法の改正 必要43% 必要なし34%
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日本国憲法が施行されて、3日で70年です。NHKはことし3月、全国の18歳以上の4800人を対象に、個人面接法で憲法に関する世論調査を行い、55.1%に当たる2643人から回答を得ました。
この中で、今の憲法を改正する必要があると思うか聞いたところ、「改正する必要があると思う」が43%、「改正する必要はないと思う」が34%、「どちらともいえない」が17%でした。

また、「戦争の放棄」を定めた憲法9条を改正する必要があると思うか聞きました。「改正する必要があると思う」が25%、「改正する必要はないと思う」が57%、「どちらともいえない」が11%でした。

このほか、憲法に対する3つの考えを挙げ、そう思うかどうか聞きました。

「平和主義をかかげた今の憲法を誇りに思う」という考えについて、「そう思う」(44%)、「どちらかといえばそう思う」(38%)が合わせて82%、「そうは思わない」(5%)、「どちらかといえばそうは思わない」(10%)が合わせて15%でした。

「憲法は時代の変化に応じて柔軟に変えるべき」という考えについては、「そう思う」(37%)、「どちらかといえばそう思う」(36%)が合わせて73%、「そう思わない」(10%)、「どちらかといえばそうは思わない」(14%)が合わせて24%でした。

「憲法は自分の生活と密接に関係している」という考えについては、「そう思う」が26%、「どちらかといえばそう思う」は34%、「そう思わない」が12%、「どちらかといえばそうは思わない」は25%でした。

憲法が果たした役割

この中で、今の憲法を改正する必要があると思うか聞いたところ、「改正する必要があると思う」が43%、「改正する必要はないと思う」が34%、「どちらともいえない」が17%でした。

また、「戦争の放棄」を定めた憲法9条を改正する必要があると思うか聞きました。「改正する必要があると思う」が25%、「改正する必要はないと思う」が57%、「どちらともいえない」が11%でした。

このほか、憲法に対する3つの考えを挙げ、そう思うかどうか聞きました。

「平和主義をかかげた今の憲法を誇りに思う」という考えについて、「そう思う」(44%)、「どちらかといえばそう思う」(38%)が合わせて82%、「そうは思わない」(5%)、「どちらかといえばそうは思わない」(10%)が合わせて15%でした。

「憲法は時代の変化に応じて柔軟に変えるべき」という考えについては、「そう思う」(37%)、「どちらかといえばそう思う」(36%)が合わせて73%、「そう思わない」(10%)、「どちらかといえばそうは思わない」(14%)が合わせて24%でした。

「憲法は自分の生活と密接に関係している」という考えについては、「そう思う」が26%、「どちらかといえばそう思う」は34%、「そう思わない」が12%、「どちらかといえばそうは思わない」は25%でした。

憲法の影響に対する評価

今の憲法が日本や国民に与えた影響について3つの点を挙げ、それぞれ肯定的な意見と否定的な意見のどちらに近いか聞きました。

「平和主義」については、「戦争をしない平和主義が定着した」という意見に「近い」(52%)、「どちらかといえば近い」(21%)と答えた人が合わせて73%でした。一方、「自分たちで国を守ろうとする意識が失われた」という意見に「近い」(12%)、「どちらかといえば近い」(12%)を合わせると24%でした。
同じ方法で調査を行った2002年と比較すると、「平和主義が定着した」という人が15ポイント増え、「自分たちで国を守ろうとする意識が失われた」というのは13ポイント減りました。

また、「自由・権利」については、「自由や権利を大切にしようとする考え方がいきわたった」という意見に「近い」(25%)、「どちらかといえば近い」(22%)が合わせて47%でした。「自由や権利ばかり主張し、責任や義務をおろそかにする風潮を生み出した」という意見には、「近い」(22%)、「どちらかといえば近い」(25%)を合わせると48%でした。

「民主的な政治」については、「国民が自ら民主的な政治に参加するという考え方がいきわたった」という意見には、「近い」(26%)、「どちらかといえば近い」(28%)が合わせて54%でした。「国民におもねる政治や風潮を生み出した」という意見に、「近い」(14%)、「どちらかといえば近い」(22%)は合わせて36%でした。

権利・自由の実現度

憲法が保障している個人の権利や自由について、今の社会でどの程度実現していると思うか、聞きました。

「思っていることを自由に話したり書いたりして発表する、表現の自由」は、「十分実現している」が30%、「ある程度実現している」が53%、「あまり実現していない」が13%、「まったく実現していない」が2%でした。
同じ方法で調査した25年前、1992年の結果と比べますと、「十分実現している」が6ポイント減りました。

「集会やデモを行う自由」は、「十分実現している」が23%、「ある程度実現している」が52%、「あまり実現していない」が17%、「まったく実現していない」が4%でした。
25年前の調査結果と比べますと、「十分実現している」が5ポイント減った一方、そのほかの回答はそれぞれ増えています。

「男女の平等」は、「十分実現している」が14%、「ある程度実現している」が51%、「あまり実現していない」が30%、「まったく実現していない」が4%でした。「十分実現している」と「ある程度実現している」と答えた人は合わせて65%で、25年前の調査結果と比べて差はありませんでした。

「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」は、「十分実現している」が15%、「ある程度実現している」が57%、「あまり実現していない」が22%、「まったく実現していない」が4%でした。

立憲主義

国民が憲法で国家権力の行使の在り方を定める「立憲主義」について、憲法解釈や憲法改正を議論するにあたって重視すべきかどうか聞きました。「重視すべきだ」が65%、「重視する必要はない」が7%、「どちらともいえない」が14%でした。

東大 石川健治教授は

憲法に関して今後、国民の間でどのような議論を望むかについて、今は憲法を変えるべきでないという立場の東京大学の石川健治教授は、「多くの人々が変えるべきであるとか、守るべきであるとか、そうした理解が深まった状況でなければ、憲法改正にふさわしい状況とは言えないと思う。憲法は、簡単には変わらないシステムをあえて用意することに意味があるので、常に更新すべきものではないという理解を前提に、議論をする環境を作っていかなければいけない」と述べました。

九大 井上武史准教授は

憲法に関して今後、国民の間でどのような議論を望むかについて、改正に向けた議論を進めるべきだという立場の九州大学の井上武史准教授は、「特徴的なのは、今よりもっとよい民主主義になり、より権利が保障される社会になりたいという意欲がなく、憲法を歯止めとして捉え、現状でいいとしている点だ。70年前の『戦前と決別してよりよい社会になる』という考え方を受け継ぎつつ、さらによくなるのではないかと希望をもって憲法を捉えることが必要ではないか」と述べました。