「ガソリン税」◆◇◆衆議院議員加藤公一ジャーナル第201号◆◇◆
発行日:10/1
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>> 2007/10/1
>> 衆議院議員加藤公一ジャーナル
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=====ガソリン税=====
「随分とガソリンが高くなったなー」
ガソリンスタンドで給油する度にそう実感されている方も多いの
ではないでしょうか。
日本のガソリンは高いと言われることがあります。特に、米国で
生活をしたことのある方であれば、ガソリン価格の差を痛感されて
いると思います。今年第1四半期のデータによれば、日本のガソリン
価格が1リットルあたり約136.8円であるのに対して、米国のそれは
なんと約76.4円。倍とはいかないまでも、相当の開きがあります。
これは、税負担の違いに起因するところが大きく、ガソリンにかか
る個別間接税は、米国では1リットルあたり12.3円のところ、日本
では53.8円と4倍以上の差があります。
日本のガソリン税の主要な部分を占める揮発油税は、1974年、そ
れまで1リットル当たり29.2円だったものが「暫定的に」一気に36.5円
に引き上げられ、その後段階的な増税を経て現在では1リットルあ
たり、48.6円になっています。ガソリン税は、いわゆる道路特定財
源であり、主に道路を整備するために使われます。そして、道路建
設を優先するために高く設定されていたという事情があるのです
(現在では、30年前と比べると、道路は格段に整備されています。
もう、せっせと道路を造るためにドライバーの皆さんから税金を搾
り取る時代ではありません。大幅に減税するとともに、一般財源化
して他の有用な用途に使えるよう、政策の大転換が必要だと思いま
す)。
さて、このように日本のガソリン税が米国と比べると高いことは
事実ですが、少し視野を拡げて、世界の中ではどうなっているのか
見てみましょう。結論から言うと、日本のガソリンは、先進諸国の
中では安いほうの部類に属します。価格ベースで見ると、ドイツは
1リットル187.0円、フランスは177.5円と日本と比べて大分高いで
す。英国に至っては、なんと1リットル191.8円もします。ガソリン
価格に中に占める個別間接税の額で見ても、日本の53.8円に対して、
ドイツ、フランス、英国は、それぞれ、97.6円、89.7円、106.5円と
はるかに高額に設定されています。
ここで、もう少し俯瞰してガソリンにかかる税金に関するデータ
を見ていると、一定の傾向があることに気がつきます。日本よりも
税金の安い国は、米国、メキシコ、カナダ、オーストラリアなど、
面積の大きく人口密度の低い国であり、税金の高い国としては、英
国、ドイツ、オランダ、フランスなど、国土が狭く人口密度の高い
国が並んでいます。
これは、ある意味自然なことです。自動車の運転によってガソリ
ンを消費すればするほど、大気汚染や騒音が発生し、健康被害を誘
発するなど周囲にマイナスの影響を与えます。また、潜在的な交通
事故発生の可能性も無視できません。このようなマイナスの要素は、
国土が狭く、人口の多い国においてより深刻な影響を与える傾向が
あるのは当然でしょう。おそらく、各国の税制は、このようなマイ
ナス要素(外部効果)を「内部化」するという機能を持っているの
だと思います。
税金はなるべく安いのが理想ですが、ことガソリン税に関しては、
環境をはじめとするいろいろな要素についても十分考慮しなければ
ならないと思います。
あなたの考える理想のガソリン税制はどんな形ですか。ご意見お
待ちしております。
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編集・発行:衆議院 加藤公一議員室
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