「道直し」◆◇◆衆議院議員加藤公一ジャーナル第206号◆◇◆
発行日:2/8
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>> 2008/2/8
>> 衆議院議員加藤公一ジャーナル
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=====道直し=====
「栄村」という村をご存知ですか。長野県の最北端にある(野沢温
泉村の隣に位置し、新潟県と境を接しています)人口約2,500
人の小さな村で、私の地元の武蔵村山市の姉妹都市でもあります。
この栄村、日本有数の豪雪地帯にありますから、冬の間の重要課
題は、除雪をはじめとする雪対策です。介護、プロパンガス・灯油
の供給、汲み取りなどのため、自動車が通れる状態を確保しなけれ
ば、村民の生活に支障をきたすのです。除雪作業には除雪車が必要
ですが、集落の中には道路の幅員が足りず除雪車を入れられないと
ころもありました。そこで、道路を拡げる「道直し」が必要になり
ました。
しかし、道路財源を使って国の補助事業として整備しようとする
と、全国一律の規格が押し付けられます(幅員6〜7メートル以上
とか、カーブをきつくしてはいけないとか)。幅員を確保するため
には沿道の土地をたくさん買収しなければなりませんが、そんな予
算はどこにもありません。そこで、除雪車が通れる必要最小限の道
路を通すという方針を立て、安くあげるさまざまな工夫をして、
(幅員を4メートル以下で我慢する、あるいは、用地買収が難しい
ところでは多少ジグザグの道でも可とするなど)、村独自に道直し
を行うことにしたのです。
その効果は絶大で、通常1メートル10数万円かかる道路が、2〜3
万円、通常の5分の1程度の費用でできました。もちろん、除雪車
が通っても全く問題のないしっかりとした道です。こうして、安い
費用で住民ニーズを反映した道路整備が可能になりました。本当に
必要な道路を地域の力だけで作った極めてまれなケースといえます。
ひるがえって、他の地域の状況を見るとどうでしょう。高速道路
なみの幅員のガラガラに空いた道路がありながら、それと並行する
高速道路の建設を計画してみたり、森林を切り開き生態系を破壊す
るような道路を通してみたり、卓球のラケットやマッサージチェア
の購入にガソリン税が浪費されてみたりといったことが続いていま
す。本当に必要な道路が整備されないというのが実情であり、栄村
のような成功例は殆どないのです。
諸悪の根源は、道路特定財源の硬直性にあります。用途が道路の
建設に限定され、補助金として使おうとすると地域ニーズに合った
形で行うことが難しいのです。政府与党は、「ガソリン税を値下げ
をすると、財源がなくなって、都市部の本当に必要な道路の整備が
できなくなる」と脅しをかけています。でも、今まで通りの特定財
源・暫定税率を維持したところで、本当に必要な道路の整備、電柱
地中化、開かずの踏み切り対策が後回しにされている現状は変わり
ません。
今やらなければいけないのは、道路財源を一般財源化した上で、
使いみちを限定しない交付税として地方自治体に渡すことです。そ
うすれば、各自治体が地元のニーズを正確に把握した上で、福祉や
教育など他の重要課題と天秤にかけ、本当に必要な道路だけを作れ
るようになります。そして、仮に、道路をつくることに決まった場
合でも、地域の実情に合ったものをつくることが可能になるのです。
先日、民主党の有志で栄村長を国会にお招きして勉強会を開きま
した。80歳近いご高齢ながら、「道直し」について熱心に語る高
橋彦芳村長を見ながら、ガソリン税の一般財源化・地方自主財源化
の正しさを確信しました。
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編集・発行:衆議院 加藤公一議員室
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