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もう一生分のんじゃった!

私は少しだけ先にお酒を止めたアルコール依存症者です。ただなかなか最初の一歩をふみだせず多くのものを失ってしまいました。みなさんには後悔してほしくないとの思いで書き綴っていきますのでご覧いただくと幸いです。

患者本人の視点「若者よ、20年さきを見越して飲め!」

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私はお酒をやめたアルコール依存症者だ。

元々酒は好きだったが、学生生活を終えて就職後に飲んだ酒には「苦い記憶」がつまっている。

大人の壁にぶつかっては飲み。世間の常識に自分を従わせるために飲んだ。

私にとっての酒とは、「大人を演じるための道具」だった。

酒を飲むという行為や動作のことではなく、酒の力をかりて自分を解放させてやる必要に迫られたのだ。なぜなのか。

 

なぜ、自己解放が必要だったのか?

 

私は世間の常識に囚われすぎたのだ。

安定した大企業に勤めるべき・・・。上司には従うべき・・・。家庭をもつべき・・・。

いわゆる世間の常識に従っただけで、これらは全て「自分が望むこと」ではなかったのだ。

 

当然、これには常に自分との葛藤がつきまとう。「俺はこうしたい!」と願う自分を強力に押さえ込む必要があった。

そこで私は酒の力を借りたのだ。そして「一時的な成功」を手中におさめた。

だが所詮、酒の力を借りて得た成功であって私が望むものではなかった。

心から望まぬ成功は長くは続かない。すぐに崩壊した。

 

自分が望むように生きろ!

 

私には二人の子供がいる。もう小さくはない、受験生だ。

しかし勉強しろとは言わない。「やりたいことの為にがんばれ!」という。

一人はゲームで生きていくらしい。

いわゆる常識で考えると疑問符がつく。だが私は知っている。

 

安定した生活だけが幸せではない。「安定」という言葉の意味を取り違えてはいけないのだ。

安定とは経済的だけでなく、常に心も満たされてこその「安定」である。

綺麗ごとだと思ってはいけない。お金よりも心が満たされたほうが幸せなのだ。

事実、あなたも子供の頃はお金が無くても楽しかったのではないか。思い出して欲しい。

 

酒の力を借りてはいけない!

 

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ここでいう酒とは、一時的に「現実から解放してくれる道具すべて」を指す。

また、現実から解放と言っても気分転換の手段の事ではない。それに依存しなければ自分を保てない物質、行為のことだ。

 

その中から私は酒を選んだ。そして、その力を借りて一時的に掴んだ、いや掴んだと思っていた。

酒の力で自分をごまかし掴んだものなど、ただのまやかしにしか過ぎない。

そんなものは直ぐに煙のように消えてしまう。

 

そして今、私は酒をやめた。社会に出て20年以上、もがき苦しみ、さまよい続けてスタートラインに戻ってきた。振り出しだ。

この20年が全て無駄だったとは言わない。ただ少なくとも「酒の力を借りて得られるものは何も無い!」とは断言できる。

 

仕事の悩み、そして不安。色々あるだろう。

ただ、これから一年は酒の力を借りずに精一杯努力する。

そして一年後にもう一度考えてみよう。自分は本当に「幸せ」なのか?。

時には勇気をもった決断も必要だ。なにせ「人生は一度きり」なのだから。

 

そして、私は「もう一度」だが、あなたは「これから」だ。

自分が望むように生きて頂きたい!

 

「若者よ、20年さきを見越して飲め!」

 ーお酒をやめたアルコール依存症者より