かつては炭鉱、いまはリゾート地:ヨーロッパ最大級の人工湖水地域の美しい景色(画像ギャラリー)
ドイツ東部にあるラウジッツ。東ドイツ時代に炭鉱として使われていたこの場所は、東西ドイツ統一後に巨大な人工湖水地域となった。フレイヤ・ナヤーデの『Jazorina』は、そんな一風変わったリゾート地を撮影した写真集だ。
PHOTOGRAPHS BY FREYA NAJADE
TEXT BY CHARLEY LOCKE
WIRED (US)
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1/15かつて露天堀り炭鉱だった場所に建てられたノヒテンボルダーパーク。後方にはボックスベルク発電所が建っている。PHOTOGRAPH COURTESY OF FREYA NAJADE
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2/15ガイアースヴァルダー湖の隣のキャンプ場に滞在しに来た家族。PHOTOGRAPH COURTESY OF FREYA NAJADE
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3/15この灯台は昔の炭鉱、現在のガイアースヴァルダー湖の端に位置している。PHOTOGRAPH COURTESY OF FREYA NAJADE
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4/15見晴らし台から露天堀り炭鉱を見ている人。PHOTOGRAPH COURTESY OF FREYA NAJADE
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5/15湖の近くに住んでいるキンバリー。夏になると、ゼンフテンベルガー湖をよく訪れるのだという。PHOTOGRAPH COURTESY OF FREYA NAJADE
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6/15ボックスベルク発電所の冷却搭から、蒸気が上がっている。PHOTOGRAPH COURTESY OF FREYA NAJADE
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7/15ゼートリッツァー湖で泳ぐ人々。PHOTOGRAPH COURTESY OF FREYA NAJADE
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8/15稼働中のシュヴァルツエプンペ発電所のガイドツアーへ向かう観光客。PHOTOGRAPH COURTESY OF FREYA NAJADE
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9/15ラウジッツでの2度目の休暇を過ごしているマックス。PHOTOGRAPH COURTESY OF FREYA NAJADE
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10/15ベアウォルター湖に到着した人々。PHOTOGRAPH COURTESY OF FREYA NAJADE
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11/15コンベアーブリッジF60の目の前にあるアイスクリームの屋台。PHOTOGRAPH COURTESY OF FREYA NAJADE
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12/15エアリヒトホフ・リーチェン博物館に展示されているオオカミの剥製。ラウジッツでは、オオカミ生息地視察ツアーも行われているという。PHOTOGRAPH COURTESY OF FREYA NAJADE
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13/15ガイド付きバスツアーで昔の炭鉱について学ぶこともできる。PHOTOGRAPH COURTESY OF FREYA NAJADE
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14/15湖の近くに住んでいるレナとミカエル。PHOTOGRAPH COURTESY OF FREYA NAJADE
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15/15ゼンフテンベルガー湖に夜が訪れ、月が石切場を照らす。PHOTOGRAPH COURTESY OF FREYA NAJADE
ドイツ東部・ラウジッツ(ルサチア)の湖水地域には、25の湖が点在している。そしてその湖の一つひとつが、かつては炭鉱だった。
いま、湖に炭鉱の面影はない。砂浜に囲まれた湖を、去年だけでも180,000人が訪れたという。観光客たちは、湖で泳いだりボートに乗ったり、発電所のガイドツアーを楽しんだりしている。そう、発電所の見学ツアーだ。
フレイヤ・ナヤーデの写真集『Jazorina』の生き生きとした写真は、この保養地の美しさとユニークな歴史をとらえている。
旧東ドイツは20世紀のうちの多くの期間を、この地方でとれる石炭に依存して生活してきた。しかし1990年に東西ドイツが統一されると、この炭鉱は閉鎖された。そしてドイツ政府はこの露天掘り炭鉱に水を入れ、ヨーロッパ最大の人工湖水地域をつくりだしたのだ。
フレイヤ・ナヤーデの写真集『Jazorina』。PHOTOGRAPH COURTESY OF FREYA NAJADE
3年前にこの湖水地域について知ったナヤーデは、それから毎年夏になると数週間ラウジッツに滞在し、Nikon D800とContax 645中判カメラを手に辺りを探索した。訪れるたびに、それまで知らなかった湖やホテル、キャンプ場が見つかった。
ラウジッツは、自らの過去を隠しているわけではない。搭はいまや使用されていない炭鉱の風光明媚な景色を堪能させてくれるし、博物館はこの地域の鉱業の歴史を物語ってくれる。ボックスベルク発電所は、ガイドツアーも行っている。こうしたアトラクションは、ラウジッツがいまのようなレクリエーションではなく石炭を提供していた時代を覚えている年配の人々にとって、とりわけ魅力的なのだとナヤーデは言う。「白いシャツを外に干すと石炭の埃で黒くなったもんだ、とみなさんよく言っていましたね」と彼女は話す。「いまではそんな場所に、家族連れが自然や湖を堪能しに来るようになったのです」
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