こんにちは、月城です!
今回は飛び降り自殺ミスって警官に怒られた話です。テイスト、口調かなりいつもと変えて、書くのでよろしくお願いします。そして、色々思われるかもしれませんが、脚色はなしです。
飛び降りようと決めた経緯はよく覚えていない。
ただ、目に付いた高いビルがあり、なんとなくそのビルに入ると非常階段が目に付いた。
なんとなく扉に手をかけると、なんの抵抗もなく扉がスルリと開いてしまった。
階は4階だった。決めては階段を登るのに疲れたから。
少しだけ覗くつもりで、非常扉から出ると、いい風が吹いていた。
飛びたくなった。
死ぬつもりだったのか?とその後多くの人に尋ねられたが、正直自分でもわからない。
ただ、疲れたなぁとおもっていた。人生疲れたなぁっと。
気がつくと、なんとなく手すりに足をかけてそのまま通行人が途切れるのを待っていた。
いつだかのニュースに、飛び降り自殺の巻き添えをくって通行人がなくなってしまったニュースを覚えていたから。
通行人が途切れると、なんの躊躇もなく飛んだ。
体感滞空時間は0
飛んだと思ったら、地面に叩きつけられていた。
痛みはなかった。
意識はあった。ただ大量の血を吐いていた。意識が途切れる寸前、誰が『かわいそうに』とつぶやき私の顔に白いハンカチをかけていった。
警官に謝れといわれた
気がつくと救急車に乗せられていた。
すぐに病院に着くと、応急処置だけされて手術の準備まで少し待ちができた。
警官はその時やってきた。
警官は事務的に『自分でやったのか?』『誰かと一緒にいなかったか?』を聞いてきた。
血反吐を吐いている状態で、まともに喋れなかった私はかすかに首を横に振った。
事務的な質問が終わったあと、駆けつけた母達に向かい警官は私にこう言った。
『親に謝れ』
私はその時顔もぐちゃぐちゃ、足もぐちゃぐちゃの状態だった。
口は動かなかった。いや動かせなかった。
後で知ったが、その時私の顔面は見るに堪えるものではなかったらしい。
それでも警官はもう一度私に言った。
『ちゃんと生んでくれたのに、こんな顔にしてごめんと謝れ』っと。
その時初めて、私は怒りを覚えた。『お前に何がわかる?』『お前は私の何を知っている?』『こんな状況の私に、明らかに喋れる状況ではない私に、どうしろというんだ?』
後に知ったが、私が誰かから突き落とされた可能性を警察は疑っていたらしい。私が靴を揃えたり、遺書をもっていなかったから。
警官が本気で私にそう言ったのか、彼らが無駄な捜査にイライラしていたのかはわからない。
ただ、瀕死の人間をみてそう言える神経はもっとわからない。
私はこの時の自殺未遂を後悔していない。これ必要であったとさえ思っている。だってこの件があり、私は現在も通院している病院に出会えた。
この時のことがあり、夫と出会うきっかけになった。
可愛い娘もできた。
現在は投薬は続いているが、普通の人とほぼ変わらない暮らしもできている。
ただ時々思う。あの時のことは、恐らく一生忘れないだろうと。瀕死で薄れゆく意識の中、顔も覚えていない警官の『声』だけが耳にこびりついている。
『親に謝れ』
彼に人の心はあったのだろうか?何故あの状況で、あんな言葉をいえたんだろうか?
顔面がぐちゃぐちゃの二十歳の女に、私のことを何も知らないくせに。そして、謝ろうにも明らかに話す部分が崩壊して、しゃべれない私に。
きっと私は、一生あの警官の声を忘れる事は出来ないだろう。
『親に謝れ』
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
月城