長富由希子、寺尾佳恵
2017年5月2日12時01分
ゴールデンウィーク(GW)の行楽として人気の潮干狩りだが、大阪府内では、貝を採っても持ち帰れない事態になっている。貝毒が発生しているためだ。アサリの漁獲量は全国的に激減しており、「アサリ不足」でオープンできない潮干狩り場もある。
二色の浜(同府貝塚市)では半袖、半ズボン姿の子供たちがアサリ拾いに夢中だ。ただ、採ったものは帰り際に回収される。代わりに検査済みで安全な熊本、宮崎産のアサリを持ち帰る。女性(35)は「子供が貝を採ることを楽しめたらいい。(交換は)気にしていない」と話した。
府によると、アサリなどの二枚貝は毒素を持った植物プランクトンを食べて毒をためることがある。これが貝毒で、国の規制値を超えたものを食べると舌や唇がしびれたりすることがある。最悪の場合、死に至ることもあるという。昨年3月には阪南市の男里(おのさと)川河口でアサリを採って食べた80代夫婦が、手や口のしびれやふらつきの症状を訴えた。
近年、アサリの貝毒は毎年のように府内で発生するが、今年と昨年は春先の少雨などで毒素を持つ植物プランクトンが増え、毒性が高い。3月末にアサリの貝毒の数値が上がり、現在は低下傾向だが、4月26日時点で阪南市で採れたアサリが規制値を超えている。
府内では、二色の浜に加えて、箱作(阪南市)、淡輪(岬町)の計3カ所のすべての潮干狩り場で、持ち帰り用に安全なアサリを用意するよう府が指導している。農林水産省水産安全室の担当者は「市場に流通する貝は自治体などが検査済みなので、食べて大丈夫です」と話す。
一方、淀川下流部のシジミは早…
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朝日新聞社会部