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映画「3月のライオン」ネタバレややありの【愛の後編】感想

「3月のライオン」愛の後編を観てきました。
後編は本当に終始愛で溢れていて、愛に飢えている私は3回位?いや、もっとか…
泣きたい気持ちになりました。

闘いの前編では鬼気迫る対局シーンが多かったのですが、後編ではそのテーマ通りに様々な形の愛が描かれています。

前編では主人公、零(神木隆之介)が、近くに住む川本三姉妹の家に出入りするようになるエピソードがありました。
実は私は前編の中で、この部分に少し違和感があったのです。
今の時代、素性の解らない酔いつぶれた男を女所帯に連れて帰ったりするでしょうか?
零は高校生で、プロ棋士で、訳ありでひとり暮らしをしていますが内向的で心の優しい男の子です。だけどそれは助けた後に解った事なのです。
もし自分が酔いつぶれて道に倒れている高校生を見つけても、110番するだけでしょう。
あのくだり、おかしくない?てか、いらなくない?
と娘に言うと、川本三姉妹との交流エピソードは「3月のライオン」には必要不可欠なのだそうです。

愛がテーマの後編には川本家が抱えている様々な問題を通して、人として成長していく零の姿が描かれました。

川本家の次女、ひなた(清原果耶)が中学で苛められるのですが、そのシーンがもう陰湿で…
私は中学で苛めにあわなかったし、むしろ「やめなよ!」としゃしゃり出る方のウザキャラだったのですが…
中学生活があれではキツイ。
最近の映画にはよく苛めが描かれますが、今の子の苛めってあんな感じですか?
本当にヒマでバカなんだろうな…
吐き気がするほど不快でした。
でも本当に悪いのは自分さえ無事ならそれでいい、その他大勢の無関心層なのでしょうね。
苛められっ子を助けたひなたに「よくやった!」と、褒めてあげるおじいちゃん(前田吟)カッコよかった~。

川本家の力になりたい。そのために強くなりたいと思う零の気持ちは、やり方を間違えて変な方向にずれていきます。
家族がいない零にとって川本家は零の心の支えであり、本当の家族のように思える大切な存在。
やはり川本家との出会いは、この物語にとても重要なのでした。

その他にもいくつものエピソードがあって、ほころびだらけの家族が少しずつ修復されたり、それぞれ前を向いて進んでいったりします。


人は、愛がなければ生きていけないんだよ…


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もちろん、手に汗握る対局シーンもありましたよ。
対局の前夜祭会場となった岩手のホテル大観に、ご当地キャラのわんこきょうだいがいて何だか嬉しかったです。
それから、零の和服姿がとっても素敵なのですが、まだちょっとだけ七五三っぽいのが微笑ましかったり(笑)。


エンドロールと共に流れるのは、藤原さくらの「春のうた」です。
スピッツのカヴァー曲だそうですが、原作のホンワカした絵柄にもぴったりな曲でした。




映画『3月のライオン』後編主題歌 藤原さくら「春の歌」コラボ映像