〒 みなさま
ついにゴールデンウイークが始まりますね。
過ごし方はおそらく様々でいつもと変わらないなんて事もあると思います。
皆様がそれぞれ幸せな今日をお過ごしになっていることを願いながら、今日は連休に似つかわしくない暗い話なのです。楽しい気持ちを翳らせたくないので、読むとしたらお邪魔にならないときにしてくださいね( ´ヮ` )
※修羅場のようなものがあるので、ご不快になる可能性があります。
【人に拒絶されること、受容されること】
*登場人物
しゃん 私の家主。すこし複雑な事情があるがお互い自分の半分のようなものだと思っている。(さっ寒いこと言ってすいません)社会的には彼氏もしくは婚約者。
私 筆者。円野まど。精神的にひきこもりがちで小学校~高校とまともな人間関係を築けたことがない。内弁慶で身内とは饒舌に話す。
アイちゃん 口調は女性・外見は男性・心は両方の最強の人類。私たちより10個位上で、仲良しのオネエさん。
Fさん しゃんの会社の同僚。ブログにも何度か登場した。私の2個下の女の子。
でんきゅう 私の弟のような存在
*ざっくりとしたこれまでの経緯
現在円野まどは東京で居候をしています。私の家主、しゃんは身体的性別こそ男性ですが趣味はとても女性的であり、常日頃から「女子会」というものに強い憧れを抱いていました。
そんなしゃんの発案で彼の職場の同僚である少し年下のFさんとお食事会を開いてみることになりました。私は極度のひきこもりですが、普段お世話になっている彼の為一念発起して参加を決めました。そしてこちらで話題や振る舞い方などをアドバイスして頂きその日に望んだのです。
その後も数回、Fさん・しゃん・私で何度か夕食をして、少しずつ女子会の形になろうとしていて、今月は観劇に一緒に行く約束をしていました。
そんな中、四月の月末にちょっとしたことが起こったのです・・・!
*詳しい話はこちらにあるので、関心がある方がいらっしゃいましたら是非読んでみてくださいね↓
*Fさんと私
※この話は私視点で書いていますので中立性に欠くことがあると思います。もしよろしければFさんの立場でも読んでみて下さいね。
私は大学に入ってから何度か(これは友達の輪に入れてもらってるかもしれないぞ)と感じることがありました。泊まったり、旅行に行ったりを経験させていただいたのです。それはとてもありがたい記憶なのですが、振り返ればいつも1こか2こ上の女の子に「お世話をしていただく」様な形だったと思います。色んな人間関係を経験したことがない私の事情を知っていた上で、さまざまなことを分かりやすく話してくれました。
今回の会では私がFさんより二個上で、彼女は極度の人見知りで会社ではしゃんと私の母位の年齢の方としかうまく話せないそうなのです。
私はこちらで相談させていただいたこともあって、「リードしなくては」と思いました。
昔、優しくしていただいたように私も居やすいように頑張りたい!と思いました。
話は弾んだように思います。笑ってくれたり、話を振ってくれたりして帰り道はなんだか走り出したいような気持ちでした。しゃんにも確認した所「相手も毎日仕事があるから(ご飯は平日、しゃん達の仕事帰りに最寄駅の居酒屋だった)21時過ぎたら時間いいのって聞くようにしよう。」とか教えてもらったり、なんだか順調にレベルアップしてるように思いました。そんな中、5月に観劇をしようと誘っていただけたことを知ってとても嬉かったです。
友達がいることはすごいな、と感じました。
自分ひとりではチケットを取る事もなかった新しい扉が開かれて、それについての予習をしている時、広がっていく世界を感じて胸がドキドキしました。
街で彼女の特に好きなお菓子や、キャラクターの付箋を見かけたときつい購入して仕事の時しゃんと一緒に食べたり使ったりしてほしいと渡してもらいました。
もちろん、ご負担にならないように500円以下くらいのものをたまにですよ。
お返しが必要ないようにいつもしゃんと分けて使ってもらいました。
おいしい!と喜んでいたよと言われるとなんだかワアアアってなりました。
彼女としゃんの双方の仕事の息抜きに、ほんの少しになればいいなと考えるのは楽しくて、なんだか、通り過ぎていた雑貨達が特別に見えました。
しゃんと出会った時も、アイちゃんやでんきゅうの時も、母の日や父の日、姉の誕生日も全てそうなのですが、喜んでもらおうと思える相手がいることって自分が幸せなんだって気持ちが体中に満ちていました。
それだけじゃなくて、私はあの頃、誰の輪にも入れなかった自分より成長したんだって思えてめちゃくちゃに嬉しかったのです。
*しゃんの好きな人は誰か
四月の中旬くらいから、しゃんが浮かない顔をすることが増えました。
その時彼の残業は120時間を越えていたので、疲れているのかなと思ってそっとしておくことに努めました。
もちろん忙しいこともあったのですが、私はサインを見逃していたのです。
彼はとても悩んでいました。甘える事が許されるなら、私に助けて欲しかったと言っていたのですが私はその時そんな事考えてもいなかったんです。
どこかで彼は強い人だと思って、私に出来る事は支える事だと考えていました。
そして勝手にしゃんを強い人だと思い、シグナルを見逃した結果は突然やってきます。
誤解があるかもしれないのですが、冗長になってはいけないのでここはすこし、淡々と書きますね。
四月の下旬、私は「しゃんはFさんのことを好きなのでは」と考えるようになりました。理由は様々ですが、簡単にいうと二人で買い物をしてる時などFさんの話が増えたからです。
私達は複雑な結びつきでそばにいるけれど、いわゆる「一般的な家庭の形」を作れるものなら作れたほうがきっと葛藤が少ないからそうできるならそうしたほうがいいのでは、と私は考え始めます。そしてそれを、仕事中のしゃんにメッセージしました。
直接いわずに携帯電話を介したのは、対面で話せば感情がでるのを抑えられないと思ったからです。いつまでも子供のように、一緒に暮らしていけたらいいなという気持ちがないわけではないです。気を抜けば引きとめてしまいそうだったけど、しゃんが本当に幸せになれる場所にいてほしいと思いました。その日まで彼はそれだけの人生を私に与えてくれたのです。
心のどこかで、そんなの誤解だよと言われることを期待していた私は「ちょっと帰ったら話そう。」という返信に本当に驚いてしまいました。
そして彼が帰ってくる間、覚悟を決めました。
*しゃんの告白
こちらも淡々と書きますね。
・仕事の帰りに二回Fさんと食事をした。どちらも1時間くらいで切り上げるといわれたので、自宅から電車で30分の職場に私を呼ぶ空気じゃなかった。
・しかし途中でFさんに告白されてしまった。二番目でもいいから、優しくされたり、こういう私(筆者)がいないときに話す関係を続けたいといわれた。
・そのとき仕事で気まずくなるのが嫌だとか(3人チームの1人)保身の気持ちはあったが「何においてもまどちゃんが一番だけど、そうやって男性の二番目でもいいというのはやめなさい。彼氏ができる応援や相談は乗る」と返事をしてしまった
・しかし既に私(筆者)に言わずに二回食事をしている。筆者の疑り深い性格を考えれば、もう「信用できない」と言われるだろう。もう駄目だ嫌われると思って深刻なメールを送った(この時しゃんは残業130時間目に突入しており、正常な判断は難しいと思います)
よく考えたら「自分に気のある部下と食事をしたことを言わなかった」という、微妙な話なのですがこの時私の中ではもう「Fさんに片思いしてる説」が結構育っていたので私は泣きました。ここからちょっとはたから見ていて「?」となるような展開になるのですがお互い錯乱していたのだと思います。
・この後数時間くらいああだこうだ話し合ってお互いにメンタルがボロボロの状態で「それで結局何で今もめてるんだっけ・・・」というコントのような状態になる。
・私は完全に食事以上の事があったという下世話スイッチがONされていたが、本当に言った通りの話しかしていないと言う。
・ちょっとマテ茶~という、壊滅的なギャグが脳内に浮ぶ余裕が生まれるが、緊張は続く。
・ここでアイちゃんのアドバイス(心配して夜中まで起きて連絡を待っていててくれてたので、携帯から経緯をメッセージした)で実際何があったのかを包み隠さず話すことから始めたほうがいいということに。
*さらにしゃんの告白
・自分の口からは言いにくいとメッセージを見せられる。
・そこには私(筆者)のことを好きになれない、しゃんさんが仲良くして欲しいと思われているようなので努力はしているんですけどどうしても好ましく感じないなど書いてあった。既に削除してしまったメッセージにもその様な事が書いてあった。
・何度も言い出そうとした(Fさんの話題が増えたのはその為)けれどどうしてもいえなかった。今回追求してくれないといえないくらいだった
・Fさんは「道ならぬ人を好きになる」と言っていて、前の彼氏も四年付き合ったうちの二年は長く付き合った彼女と同棲していたと話していた。だから、「わかれるまでの忍耐力には自信がある」と言っていたこと
・Fさんの剣幕からしゃんは既に浮気の一歩を踏み出したような気がして、私に言えなくなっていったこと。
私もFさんの様子を見て(いやこれは、やはりただ事ではないのでは・・・?)と思い始める。
アイちゃんのアドバイスで朝7時にFさんに電話することになる。
しゃんは私に秘密を持たないこと、Fさんのことを全部話したことともう相談には乗れない、自分のパートナーは円野(筆者)でこれからも変わらないこと、あなたはあなたの幸せを見つけて欲しい。曖昧なことを言って傷つけて申し訳なかったと話しました。
その話の流れで関係としては指一本触れていないことを確認。
本当に食事だけだったことが裏付けられる。
その電話の後メールが届く、しゃんに対して「相談にのってくれるっていったのに、うそつき。」みたいな怒り、その少し後は「さっきのウソッ!(ハート)職場では今までどおりに仲良くしましょう♪」みたいなメール。彼女の戦闘能力に、しゃんと私は戦争をしている場合ではないと思い、とりあえず一緒に怯える。
*ジェンダー意識の曖昧さ
しゃんにかなり促した後、いい訳がましく思われると思って言えなかったことを話してくれました。
・自分は女友達の気持ちで、どうしても女の子と恋やゴシップの話をして「女の子の楽しさ」を経験してみたかった。なので相談にのる、と言ってしまった(今となってはどうとでもいえるので信じなくていいと言われました)
・だんだん円野を否定するようになっていくFさんを見ながら「自分が思わせぶりなことをしたせい」「傷つくから私(筆者)には言えない」「仕事でなくてはならない後輩であること」「女友達になりたい」など気持ちがぐちゃぐちゃになった。
・Fさんの事は円野に言わなければ、「疎遠になっちゃったけど、仲良くできたね」と自信をつけさせることが出来るのではと思った(仕事が忙しくて休みが一日もなかったからそう思ったけれどこれは間違っていたと言っていました)
・今回のことで自分の外見は完全に男であることを受け入れ(女装をしたい欲求もない)、女友達を作ることは諦めた。
・改めて、自分の脇の甘さを痛感し今後は「人に嫌われることを恐れず、優先順位を明確にしていく」という指針を絶対ぶらさないと決めた。
という話になりました。
*今回の件で思ったこと
ジェンダー意識が曖昧であるということは複雑な場合が多いです。
例えば、同性愛があると告白されると身構える人はいますが「自分にとっての恋愛対象であるなら誰でもいいわけではない」のは当たり前のことです。
けれど複雑であることを否定されたくないのはともかく、過剰に理解してほしがるのは甘えだと私たちは考えています(あくまでしゃんと私の場合ですよ。皆さんは皆さんの答えでいいことですしこれからも考え続けたいと思います)
男の姿をして、職場では頼れる先輩が「女友達として仲良くしたい!」と言っても意識がついていけないほうが当たり前なんです。
だから私達本人が、きちんとここまでという線を引いたり時には相手の言ってる事を差し引きで考えたり振舞ったりすることはとても大切なことだと思いました。
それは一見大変であるように見えるかもしれないけど、その代わり多様でいられるというように考えることもできます。
以前もこちらで書いたことがありますが私の母は「人と違う事をする時、人とは違う責任が伴うことをよく理解しておきなさい」と私に教えました。
それは裏を返せば、普通にすることができないこんなだめな私でも違う何かをクリアすることで誰かと仲良くできるってことなのではないかなって思います。
正直、着々と仲良くできていたつもりが「しゃんに言われたから話していた」ということを知ってすごく落ち込みました。
自分なりに誠実にしてきたつもりがまた空回りしていたのだなあと、自分の能力の低さを情けなく恥ずかしく、どうしようもなく沈みました。
またしゃんとどうしていくのがよいかも考えました。
生活の根幹をグラグラさせた今回の件を書こうか書かないべきか迷って今回まとめることにしました。誰かとの接しかたについて何かお力になれるかもしれないと思ったからです。ただ、いつか消すかもしれません。
もしここまで読んでくださったかたがいましたら本当にありがとうございます
振り返ると今回のことは私にも至らないところがたくさんあったと改めて感じていますが、めげずに頑張りたいと思います!
*余談
ああでもこうでもないと1人で考えていた私に、アイちゃんとでんきゅうが言った事が印象的でした。
まずはでんきゅうがしゃんのことを。
「まどちゃんが辛かったのはわかる。でも俺はしゃんくらい毅然とした人がこれを言い出せなかったのは仕事の重圧だけやないと思う。しゃんの心の根の根で悩んでたんやと思う。今日まで支えてもらったことを思い出そう、ずっと強い人なんておらんくて、どこかで無理して頑張ってくれてたんやと思う。まずはそこを、受け止めてあげてほしい。大事なものを見失わないで欲しい。」
次にアイちゃんがわたしのことを。
「好かれてなかったわねえ、見事に。勘違いして空回りしてたけど、でもあんたっていつもそうだよね。自分を好いてくれる人の言葉は軽視して、拒絶の言葉ばかり見てる。好いてくれる人の言葉を、もっと大切にしなさい。それは甘えではなくて、好いてくれた人への感謝でもあるんだよ。」
どちらもすっごく胸にささりました。
なんだか私はいつもしゃんをすごく強く感じていたように思います。
今回仕事で忙しいしゃんのために、そっとしておいたり家事を頑張ったりしたのですがしゃんはそれが「頼ってもらえないようで、寂しかった」と言っていました。
自分が甘えなければ相手も甘えられないんだなとか、私はいつも嫌いってことばばかり見ているなとか色んないろんな課題ができました。
優しくされる事は、自分を甘やかして何か重大な厚かましい事をしないか怖いんです。
みなさんがやさしくしてくれるときもいつも、どこかでそんなことを言わせてごめんなさいって思っていることに気づきました。
身近な人のサインを見逃さないように。
素直に、誰かのスキを感謝できるように。
たくさんのことを思いました。
がんばります、いつもありがとうございます。
それではまたお便りいたします!
円野まど