仙台市でいじめを訴えていた中学2年の男子生徒(13)が4月に自殺した問題で、生徒の遺族が関係者に、いじめはあったとしたうえで「あったかどうか、という時点から調べるという市教委の姿勢は憤りを感じる」と語ったという。

 記者会見では市教委が当初、「いじめと判断していない」との認識を繰り返した。しかし、報道陣の質問を受けて、以前に実施した校内アンケートを確認したところ、別の生徒が「男子生徒が集団でからかわれていた」と指摘していた事実が判明するなど、対応の不十分さが問題となっている。

 関係者によると、生徒の遺族が語った内容は次の通り。

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 新聞にもテレビのニュースにも、できるだけ触れないようにしているのですが、漏れ聞こえるなかで、ひとつだけ、悔しい思いがこみ上げることがあります。それは、市教委や学校が「いじめがあったかどうか、調べていきたい」と繰り返していることです。本当に憤りを感じる言葉だと思います。

 これからいろいろな調査が始まると思いますが、「あったかどうか」からスタートすると、事実の解明は進みません。「いじめがありき」からスタートして初めて、いろいろな事実が浮かび上がるのではないでしょうか。

 「いじめがありき」から調査を始めてもらい、二度とこのようなことが起きないようにしてもらいたい。伏してお願い申し上げます。(石川雅彦)