名古屋空襲の映像公開

太平洋戦争末期に空襲を受けた全国9つの都府県の様子をアメリカ軍が撮影した映像を大分県の市民グループが入手し、公開しました。
映像の中には昭和20年5月14日の名古屋空襲の様子も収められていました。
公開されたのはアメリカの国立公文書館が所蔵する日本の空襲の映像などです。
入手した大分県の市民グループ、「豊の国宇佐市塾」が分析し、撮影された時期や場所が特定できた約10分間の映像が公開されました。このうち、5月14日と書かれた1分間の映像は、昭和20年5月14日、アメリカ軍が名古屋市北部を爆撃した時の様子を捉えています。
爆撃機に乗り込んだ戦闘員が撮影したと見られる映像には、B29から焼い弾が次々に投下され、市街地が焼かれて煙が立ちこめる様子が映し出されています。
この日の空襲で名古屋市では276人が死亡、2万戸以上の建物が被害を受けたほか、国宝の名古屋城も焼失しました。
名古屋空襲に詳しい東海高校教諭の西形久司さんは「この瞬間、煙の下で人々は焼かれ、自分の財産を失っている。まさにその瞬間の映像だということを、心して見てほしい。特に若い世代に自分の足もとに戦争がつながっているんだという認識を持ってもらいたい」と話しています。