日本が初の米艦防護、朝鮮半島危機に乗じて軍事活動活発化

 日本の海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」が1日、米艦防護の任務のために神奈川県の横須賀基地を出港した。

 NHKは同日、海上自衛隊が安全保障関連法に基づき、北朝鮮に対する警戒活動を実施している米軍の艦艇防護任務を初めて遂行すると報じた。また、稲田朋美防衛相が米国側の要請を受け、海上自衛隊に米軍の補給艦を防護する任務を命じたと伝えた。

 日本のこうした動きは、韓半島(朝鮮半島)有事に備え、自衛隊による戦争支援を準備するという意味で大きな関心を集めている。

 「いずも」は1万9500トン級の軽空母。1日午前に横須賀基地を出港し、米海軍の補給艦を防護しながら房総半島沖から四国沖まで航行する。米軍の補給艦は、北朝鮮の弾道ミサイル発射などを警戒するために日本の近海で情報収集活動などを行う太平洋艦隊所属の軍艦に物資を提供する予定だ。米空母「カール・ビンソン」率いる空母打撃群に物資を支援する可能性も高い。カール・ビンソンは北朝鮮のさらなる挑発を防ぐために東海(日本海)で韓国海軍との合同訓練を実施した。

 平時の米艦防護は、昨年3月に施行された安全保障関連法に基づく自衛隊の新しい任務だ。南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加していた陸上自衛隊の部隊に付与された「駆け付け警護」に続く新たな任務で、米軍の武器や装備などを防護するために自衛隊員には必要最低限の武器使用が認められる。

 このところ日本は韓半島の危機に乗じ、自衛隊の活動拡大に積極的に乗り出している。日本政府は4月28日の閣議で、北朝鮮がサリンなどの化学兵器を搭載した弾道ミサイルを日本に向けて発射した場合、自衛隊がミサイルを迎撃し、化学兵器を無力化させるという答弁書を閣議決定した。答弁書は「政府としてはあらゆる事態に万全の備えをしなければならないため、サリンなどの化学兵器が搭載された弾道ミサイルへの対応についても常に検討している」と明らかにした。

 日本は第二次世界大戦後、他国から武力攻撃を受けた際に限って自衛レベルの攻撃のみ認めるという専守防衛の原則を守ってきたが、北朝鮮脅威論を理由に、自国が攻撃される前にミサイル発射などの兆候が確認されれば相手国に先制打撃を加えられる「敵基地攻撃能力」を保有すべきとの主張が与党・自民党を中心に沸き起こっている。安倍首相はこれについて「自衛隊が敵基地攻撃能力を保有する計画はない」としながらも「日米同盟全体の抑止力強化のためには常にさまざまな検討を行っていくべき」と述べ、敵基地攻撃能力の保有を前向きに検討することを示唆した。

オ・エリ記者
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