Ubuntuの使い勝手をできるだけMacに近づける

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MacユーザがUbuntuを出来る限りMacと同じ感覚で使うための設定です。

近づけるのは「見た目」ではなく「使い勝手」なので、LinuxでパチモンMacを作ろうとしてこのページに着いた方は Ctrl + W でお帰りください。

ターゲット:Ubuntu 16.04 (14.04以上くらいなら大丈夫なはず
言語設定:English (日本語にしている方は適宜読み替えてください

初期準備

sudo apt update && sudo apt upgrade -y
sudo apt install -y git build-essential

GUI

Ubuntuのテーマを変更する

Ubuntuのデフォルトの見た目は個人的にダサいので、テーマを変更します。
私はマテリアルデザインのテーマを使っています。

Paper

paper-material.png

インストール

# add daily builds PPA
sudo add-apt-repository -y ppa:snwh/pulp
# update repository info
sudo apt-get update
# install icon theme
sudo apt-get install paper-icon-theme -y
# install gtk theme
sudo apt-get install paper-gtk-theme -y
# install cursor theme
sudo apt-get install paper-cursor-theme -y

適用

テーマを変更するためのツールをインストール

sudo apt install -y unity-tweak-tool

Unity Tweak Toolを起動し、以下3つの項目から「Paper」を選択

Appearance -> Theme
Appearance -> Icons
Appearance -> Cursors
2017/05/01 追記

@ootaharuki99 さんにコメントでFlat-PlatPapirusを教えて頂きました!
Flat-PlatはPaperと同じくマテリアルデザインのテーマですが、Paperと違いダークテーマが存在します!
PapirusはPaperから派生したアイコンテーマのようです。
Paperよりもカラフルで少し派手な印象です。
Flat-plat-darkとPapirus-darkの組み合わせで暫く使ってみることにしました。

flat-plat-papirus-dark.png

インストール

Flat-plat
cd /tmp
curl -sL https://github.com/nana-4/Flat-Plat/archive/v20170323.tar.gz | tar xz
cd Flat-Plat-20170323 && sudo ./install.sh
Papirus
sudo add-apt-repository ppa:papirus/papirus -y
sudo apt-get update
sudo apt-get install papirus-icon-theme -y

ランチャー色変更

テーマを変えてもランチャーの色がまだ紫色であることにお気づきでしょうか?
この部分はデスクトップの背景に影響されているようなので、適当にPaperテーマと似た青色にしてみます。

システムの設定アプリを開き、 Appearance -> Look -> Background と進み背景色を変更します。
こんな感じにすればランチャー部分の色を変更できます。

unity-launcher-color.png

ついでに私は他の設定もこんな感じにしてます。
ランチャーには後述する別のツールを使用するのでUnityのこのランチャーについてはなくてもいいくらい。

Appearance -> Look -> Launcher icon size : 32
Appearance -> Behavior -> Auto-hide the Launcher

Work Space

Macに比べて使い勝手が劣るので私は使っていませんが、システム設定アプリからワークスペースを有効にします。
(なぜUbuntuもWindowsも複数ディスプレイの環境で全てのウィンドウが同時に切り替わってしまうのか)

Appearance -> Behavior -> Enable workspaces: ON

デフォではワークスペースの切り替えは Alt + Ctrl + 矢印キー になっていますが、Macと同じ Ctrl + 矢印キー でできるようにします。

Keyboard -> Shortcuts -> Navigation

ここを画像のような感じにします。

unity-workspace-move.png

Dock

MacのDockを再現するツールをインストールします。
この手のツールはたくさんあるみたいですが、Ubuntu Budgieにデフォで入っていた「Plank」がいい感じでした。

plank-dock.png

sudo apt install -y plank

マウスを慎重に動かしてDockの端の数ピクセルを右クリックすれば設定画面が開きますが、時間と集中力が削られるのでサクッとコマンドから起動します。

plank --preferences

私は以下のような感じに設定しています。

Appearance -> Theme: Transparent
Appearance -> Icon Size: 32
Appearance -> Icon Zoom: 200
Behavior -> Hide Dock: Autohide

Spotlight

アプリを起動する程度ならUnityのランチャー(Dash)をそのまま使用してもいいですが、見た目がAlfredに近い「Albert」を入れてみます。

Albert

albert.png

sudo add-apt-repository -y ppa:nilarimogard/webupd8
sudo apt-get update
sudo apt-get install -y albert

設定も少し変更します。

本当はAlfredと同じ Alt + Space に割り当てたかったのですが、無理みたいなので Ctrl + Space にしました。

General -> Hotkey: Ctrl + Space
General -> Show tray icon: off

Appearance -> Theme: Arc Dark Grey

あと、ファイル検索機能がデフォ設定では貧弱なのでそこも画像のように設定します。

albert-file.png

自動起動

↑でインストールした「Plank」と「Albert」をログインと同時に起動するようにします。

「Startup Applications」を起動し、右の「Add」ボタンをクリックし、以下の項目を追加します。

Name: Plank
Command: plank
Name: Albert
Command: albert

これでログインすると自動で起動するようになります。

私はこれくらいで満足ですが、MacのLaunchpadも再現したいって人は「Slingshot」というランチャーもインストールしてみるといいかも知れないです。


CUI

Linuxbrew

Macユーザなら誰でも使っているであろうHomebrewをLinuxでも使えるようにしたLinuxbrewというものがあります。

残念ながらHomebrew-Caskは使用できないのでインストールできるのはコマンドライン上のツールに限られてしまいますが、Ubuntuのパッケージマネージャであるaptに比べて以下のようなメリットがあります。

  1. コマンドやインストールスクリプトをMacと統一できる
    MacでもLinuxでも brew コマンドで統一できるのでスクリプトを併用することができます。

  2. 最新のパッケージをインストールできる
    aptは安定志向(?)なのでインストールできるパッケージのバージョンが基本的に古いです。
    例えばaptでインストールできるtmuxのバージョンは2.1ですが、2017年4月現在の最新は2.4です。Homebrewでも2.4が入ります。
    そのためMacとUbuntuで同じconfigファイルを使用していると互換性の問題が出てきます。
    Linuxbrewを使えばバージョンによる機能差に困ることがありません。

デメリットもあります。
依存関係も含めて全てソースからビルドするのでaptに比べてインストールに時間がかかります。

インストール

Linuxbrewを動かすのに必要なソフトウェアをインストールします。

sudo apt install -y build-essential curl git python-setuptools ruby

Linuxbrewをインストールします。CloneするだけでOKです。

git clone https://github.com/Linuxbrew/brew.git ~/.linuxbrew

以下を ~/.bashrc または ~/.zshrc に追記します。

export PATH="$HOME/.linuxbrew/bin:$PATH"
export MANPATH="$HOME/.linuxbrew/share/man:$MANPATH"
export INFOPATH="$HOME/.linuxbrew/share/info:$INFOPATH"
export XDG_DATA_DIRS="$HOME/.linuxbrew/share:$XDG_DATA_DIRS"

ここで一旦 exit してターミナルを再起動します。

ターミナル再起動後、 brew doctor を実行して "Your system is ready to brew." と返ってくればOK

ターミナルで開発されている方はとりあえず以下のソフトをインストールしてみましょう。

brew install git tig zsh tmux python python3 lua && brew install vim --with-lua

デメリットで述べたようにソースからビルドするので、これくらいの量を一度に入れようとするとインストールが完了するのに数分から数十分かかるでしょう。
私はメリットの方が大きいと感じているので我慢しています。

Openコマンド

Macは open test.txtopen test.png などとすれば対象のファイルをGUI上のアプリで開けますが、Ubuntuはxdg-openコマンドで同様のことができます。

コマンドを統一するため、 ~/.bashrc に以下を追記します。

function open() {
  xdg-open $@ &
}

よく使うコマンドなので私はoで使えるようにしています。

alias o='open'

おわり

とりあえずこんな感じでMacの操作感に近づけることができました。
あとはSuperキーをCommandキーと同じ役割にするために、Ctrlキーにリマップすれば良さそうですが、USキーボードだから左右SuperキーでIME変更できるようにしているのでまだ行えていないです。