×
NEWS / EXHIBITION - 2017.5.1

「制作」から100年!
デュシャンの《泉》をいま改めて紐解く

20世紀美術に大きな影響を与えた、マルセル・デュシャンの《泉》。発表からちょうど100年を迎える今年、京都国立近代美術館で約1年間にわたりこの作品の謎に迫る展覧会が開催されている。

アルフレッド・スティーグリッツ撮影《泉》(マルセル・デュシャンによるレディメイド) 1917 『ザ・ブラインド・マン』第2号(1917年5月)所収

 20世紀美術にもっとも影響を与えた作品ともいわれる、マルセル・デュシャンの《泉》。1917年にこの作品が「制作」されてから、今年でちょうど100年となる。

 男性用小便器に、”R.Mutt”という署名をして「泉」というタイトルを付けたこの作品は、発表当時大きな物議を醸したが、芸術という概念や制度自体を根本から問い直す現代美術の先駆けとして、現在に至るまで大きな影響力を保っている。60年代のコンセプチュアル・アート以降は、この作品を解釈・解読すること自体が創作行為ともなり、関連作も多数制作された。

 本展では、《泉》の1964年の再制作版を1年間展示するとともに、現代の美術家によるデュシャン解読の作例を紹介。異なるキュレーターによる5回の展示替えを行いながら、改めてこの作品を紐解いていく。各会期ごとに、キュレーターを講師に迎えたレクチャーシリーズも開催される。

information

キュレトリアル・スタディズ 12: 泉/Fountain 1917-2017

会期:2017年4月19日〜2018年3月11日
会場:京都国立近代美術館
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町
電話番号:075-761-4111
開館時間:9:30〜17:00(金、土は〜20:00)
休館日:月(祝日の場合は翌日)、6月13日、8月8日
料金:一般 430円 / 大学生 130円 / 高校生・18歳未満無料
 
Case1:マルセル・デュシャン29歳、便器を展覧会に出品する
会期:2017年4月19日~6月11日
キュレーション:平芳幸浩
 
Case2:He CHOSE it.
会期:2017年6月14日~8月6日
キュレーション:藤本由紀夫(美術家)
 
Case3:誰が《泉》を捨てたのか
会期:2017年8月9日~10月22日
キュレーション: 河本信治(元・当館学芸課長)
 
Case4
会期:2017年10月25日~12月24日
 
Case5
会期:2018年1月5日~3月11日
 
※第4期、第5期の詳細は、決まり次第美術館ウェブサイトに掲載
 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

美術手帖の最新情報を
お届けします