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 「自国第一」を掲げる欧州各国の右派政党が、右傾化を強めている。内部対立をはらむ党もあるが、既存政党との違いを際立たせて党勢を伸ばそうという動きがより勢いを増す。同じく移民排斥や反欧州連合(EU)を掲げながら、フランス大統領選で7日の決選投票に進出した右翼・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン氏の存在は光明だ。

■ドイツ 党内で権力闘争

 「ルペン氏の勝利を心から祝いたい。ドイツ人と同様、フランス人もエリート支配からの解放を望んでいることが明らかになった」

 「ドイツのための選択肢(AfD)」のペトリ党首は、自らのフェイスブックでルペン氏を称賛した。

 両氏はお互いの携帯電話番号を交換する仲。1月に欧州の右翼政党が集まった会合では、肩を並べて「自国第一」をアピールした。

 だが仏大統領選と同じ日に開かれた党大会で、ペトリ氏は実権を失った。きっかけは、同氏が打ち出した「現実路線」だ。人種差別的な発言を繰り返す党から生まれ変わろうという動議を提出したが、採決すらされなかった。党大会で打ち出された政策は、イスラム教徒のスカーフ着用の禁止や国境管理の強化だった。背景にあったのは、党内の権力闘争だ。保守派のガウラント副党首らが実権を握り、右傾化が強まった。

 9月の総選挙で国政進出を目指…

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