岡村夏樹
2017年5月1日13時41分
■「みる・きく・はなす」はいま ゆがむ事実
「○○ファースト」。世界中の政治家たちがいま、この言葉を掲げ、多くの人々が旗のもとに集う。アメリカ・ファースト、ブリテン・ファースト、ジャパン・ファースト……。支持の広がりに、排外的な空気を感じ取った人もいる。
彼女は「兵庫県在住の女で36歳の専業主婦です」と名乗った。メールで連絡を取り始めたのは4月中旬。中3の娘と3歳になる息子がいると教えてくれた。
4年前、ネット動画である人物の演説に魅せられた。在日特権を許さない市民の会(在特会)の前会長、桜井誠(45)。昨秋、桜井が立ち上げた「日本第一党」に入党した。
2月末、東京都内で開かれた結党大会で党首の桜井は訴えた。「日本で一番人権を守られなければならないのは、外国人ではなく日本人。国益を最優先にしなければいけない。それがジャパン・ファーストだ」
国が否定する「在日特権」だが、彼女はそれを糾弾する桜井に共感した。知り合いの在日コリアンから「生活保護が簡単に受給できる」と聞いた。その人は受給者ではなかったが、信じ込んだ。「身近で生活の苦しいシングルマザーを見てるとやっぱり不公平」とも感じていた。
彼女は、桜井について「差別主義者と言われますけど、話を聞くとそんなことはない。愛国心からくる当たり前の抗議をしている」と思っている。
在特会の街頭活動に参加したこ…
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朝日新聞社会部