「 なぜ女は男をみると痴漢だと思うのか なぜ男は女の不快感がわからないのか」は、「痴漢犯罪と痴漢えん罪」「痴漢に遭ったらどうするか」「痴漢行為を黙認することの加害性」「嫌ポルノ権」「性の自己決定権」という問題について、五人の著者によりお書きいただいたものです。
本書が出版されたほぼ一ヵ月半後の七月中旬、本書の著者の一人である長崎満氏が、東京都迷惑防止条例違反の容疑で逮捕、その後起訴されました。容疑の内容は、地下鉄の向かい側に座っていた女性の下半身を、カメラ付携帯電話で写したというものです。
長崎氏には、自分の痴漢えん罪を最高裁まで争い、結果的には上告棄却ということで有罪になったとはいえ、体験者の立場から痴漢えん罪問題を語れる的確な立場の方という観点で、対談および原稿執筆をお願いしました。
彼は、裁判闘争を行いながら、有罪確定後も痴漢えん罪問題を社会に広く訴える運動を続けてきました。今回の逮捕を新聞記事で知ったとき、その立場にある人がまさか? と目を疑いました。
長崎満氏の今回の事件は問題ではあります。しかし、本書は痴漢という問題に対して、どうアプローチするか模索したものであり、痴漢犯罪と痴漢えん罪の両者の問題について、その問題が発生する構造の分析をこころみた本です。両者の問題にアプローチしたという点において、まちがった企画ではないと確信しています。今回の事件にかかわらず、この本のもつ意味は、なんら変わるものではないと考え、この本の販売を継続していきます。
日々、ポルノ情報の氾濫する満員電車で、多くの乗客は戸惑いながら通勤、通学、移動をしています。多くの女性は痴漢の不安を抱き、多くの男性はえん罪を恐れながら。
このような情況に対して、避けているだけでは問題は解決しません。痴漢問題と正面から向き合う勇気が、快適な通勤・通学も保証し、陰湿な性暴力を世の中から排除していくものと信じます。
2003年8月28日
㈱ビーケイシー 出版者 北村 善三
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