JR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」の運行が1日、始まった。上野駅発の一番列車は日光経由で東北・北海道を周遊する3泊4日のコース。
総工費50億円以上をかけた四季島は、シャンパンゴールドの車体と高級旅館のような内装が特徴で、東日本を中心に各地を巡る。10両編成の客室をすべてスイートタイプとし、料金は74万~95万円(2人1室利用)。定員は34人で、1日出発の最上級客室「四季島スイート」の倍率は76倍だった。来年3月分まで完売しているという。
17組33人の乗客は上野駅にあるラウンジ「プロローグ四季島」でくつろいだ後、専用ホーム「新たな旅立ちの13.5番線」から乗り込んだ。午前11時40分、駅長の合図で列車が動き出すと、乗客らは窓から手を振り、上野駅を後にした。
出発前のセレモニーにはJR東の冨田哲郎社長や車両をデザインした奥山清行氏らが出席。冨田社長は「4年前からグループをあげて構想を練ってきた。四季島のお客には、上質でプレミアムな空間と感動のひとときを過ごしてほしい。今年はJR東発足30周年にあたる。今後は四季島とともに新しい鉄道サービスと鉄道の歴史をつくりあげていきたい」と話した。
デラックススイートに乗り込んだ東京都の速見哲さん(65)は「退職を記念して申し込んだ。この日を待ち切れなくてわくわくしている」と笑顔。「東北から北海道を列車でぐるりと巡るなんて人生に一度の機会。いい思い出をつくりたい」と話した。
「料理と車内サービスを楽しみにしている。車窓から望む新緑の東北を目に焼きつけたい」と妻の久子さん(61)。「ひのきのお風呂が特に楽しみ」と語った。