東京の都立高校で、生徒指導の一環として「地毛証明書」の提出が求められ、保護者が「髪の色が栗毛色」「縮れ毛である」と書いたり、子どもの時の写真を添付することを求められるケースがある、というニュースに衝撃を受けた。
正確に言えば、「衝撃を受ける」とともに「日本の世間ってそんなものだよな」という第二弾の驚きがきて、そちらの方がより衝撃的だったかもしれない。
記事によると、このような方針をとっているのは、「私立高との競争が激しく、生活指導をきちんとしていることを保護者や生徒にアピールするねらいもある」とのこと。
つまり、日本の「世間」は、「髪の毛がちゃんとしていないと生活指導ができていない」という印象を持つということだ。
そのことについては、思い当たるふしがある。
先日、私はある就活イベントで、とても素敵な社長さんとお話した。
お人柄も、経営方針も、すべて素晴らしかったのだけれども、ただ一点、就活生が髪の毛を黒くしてくるのは「当然だ」とその社長さんがおっしゃったのには、心底驚いた。
その社長さんによると、会社の業態として営業が多く、「社員が黒髪でないと、クライアントの受けが悪い」というのである。
つまり、日本には、そのような「世間」があるということだ。
続けて、社長さんは、「社員や、就活生が黒髪になるのは、当然です。こちらもプロですから」とおっしゃった。
ぼくは本当にびっくりして、それから1分くらい、どうしてそのような考え方が間違っているのか、人権問題であるのかをお話したが、就活生中心の会場はしーんとして、どうやらそのようなことを言う人をあまり見たことがなかったようだった。
言うまでもなく、髪の毛が「黒い」のがデフォルトだというのは、全く根拠のない思い込みに過ぎない。
直毛が当然、というのも、全く根拠のない思い込みに過ぎない。
世界を見れば、いろいろな色の髪の毛があって、縮れているひともいるということは明白だが、世間は、「日本人は髪の毛が黒くてまっすぐなのが当たり前だ」と思っているということだろう。
さらに言えば、日本人だって遺伝的にいろいろな人がいる。 「日本人は髪の毛が黒くてまっすぐなのが当たり前だ」という仮説は成り立たない。
さらに言えば、日本人だって遺伝的にいろいろな人がいる。 「日本人は髪の毛が黒くてまっすぐなのが当たり前だ」という仮説は成り立たない。
そのような世間の思い込みが、いかに愚かで、ツッコミどころ満載かということは敢えてここに書かなくてもわかると思うので、省略する。
問題は、学校の教育現場や、会社の社長さん(会社もまた、公的な存在である)が、何の反省もなく、「日本人は髪の毛が黒くてまっすぐなのが当たり前だ」という愚かな思い込みに従った教育指導、経営を行って、それで恥じないということだ。
私は、ここに、日本における「世間」というものの愚かしさ、恐ろしさ、そして、「長いものに巻かれて」安心して生きている人たちの、思考停止を見る。
「世間に合わせた」思考停止こそが、日本のもっとも深い病根だと私は思う。
今回の「地毛証明書」の件について、より悪いのは都立高校か、それとも世間なのか、私にはわからない。
敢えて言えば、どちらも悪いのだろう。
一つ、ここで書いておきたい。
そのような理不尽で、意味のない指導を受けて、傷つき、悩んでいる高校生たちへ。
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皆さんのおっしゃることはそれぞれ頷けることばかりで、黒髪ストレート(地毛がくせっ毛の方を除く)という固定観念に疑問を持たれるのは当然だろうと思います。
一方で、実際の学校現場で、黒髪ストレートが「地毛を偽らない」という意味で校則として指導することには、一定の効果があることも事実だと思います。髪への指導が規則を守るという意味である場合、宿題をしなさい、遅刻してはいけませんといったものと同じくらいの意味を持つことになるからです。
私は、そこの場のルールに従えることには社会人になっても役に立つ、逆に従えないならその場の恩恵を受けられないし守ってももらえないと聞きました。髪への指導は校則だから、地毛に配慮が必要な場合は入学時に先に知らせてほしいというと。入学前にその説明を受けて受験し入ったなら、高校は義務教育ではないし、そこを選んだ時点でそこの規則に従うのは当然だと感じました。納得できないなら別の高校に行けばいいのでは……? 実際に入学してみると、髪への指導以外も同じくきちんと指導する先生のクラスとそうでないクラスのまとまりや雰囲気が全然違うなと感じますし、それは学力面にも明らかに表れています。クラスの平均点が全然違うんです。だったら授業を真面目に聞く生徒の多い厳しい先生のクラスにいたいと思ってしまいます。
自分で規則を守れる人にはとんでもなく馬鹿げた話で国際的に見ても遅れた考えなんだと思いますが、そこまでしないといけない学校もあります。
学校がいけないのか世間がいけないのかと聞かれれば鶏と卵のどっちが先かと同じで答えは出ないのですが、地毛証明書を馬鹿馬鹿しいの一言で切り捨てられないところもあるのではないかと思いました。
私のこの考えもやはり古くさいんだろうなと思いつつも、一意見としてコメントさせてもらいました。
私も地毛が茶色気味で天パでしたが、昔の先生は一度説明すれば後は何も言わなかったです。
頭髪にうるさい学校は制服だからでは?
例えば婦警さんが金髪立てロールだったら拒否感有りませんか?
1970年代の都立高校は制服廃止に向いていました。
「大人の言いなりになるもんか!」的な発想でしたが。
だけど、制服が可愛いと流行り制服廃止は無くなりました。
ああ、日本人は縛りが好きなんだなと感じたものです。
高校生なのだから不満なら自分達で「地毛証明書」など廃止になるよう行動するべきではと思います。海外の学生が自由にしているのは自分達で手に入れているからだと思います。
愛知県なのですが、私は髪が赤っぽく、しょっちゅう捕まっていました。
母も妹も私も茶色い。保護者の時、先生は私の髪をずっと睨んでいました。そうして、母の髪をずっと交互に見ながら、「黒染めしてもらうかもしれない」と言いました。母は「私も私の父も茶色いので遺伝です」と言ったのですか、先生は聞く耳を持ちませんでした。結局、黒染めが必要だと言ったのはその先生だけだった様なので、黒染めせずに済みましたが、本当に意味がわかりません。
今時純な黒髪なんかいませんよ。遺伝、日、カルキなど、茶色くなる要因は沢山ありますよね?
染めてないのに染めてると言われ、地毛で茶色いと言っても茶色は駄目だと言われる。
そもそも染めることの何が駄目なのかも理解出来ません。髪の色が茶色い=素行が悪いのでしょうか?
よくよく考えてみれば、染めるという行為が校則違反だと言われていたのに、黒染めしてもらうかもしれないは意味がわかりませんね。
うちの子供の高校は、自毛が茶色いと黒く染めないといけません。学校が🆗を出すまで染めなおさせます。変でしょ?
ドライヤーも禁止だし。眉毛も整えてはダメ。男の子の髪は耳に少しでもかかったら、切り直しの反省文。
おかしくないですか?
そんな学校教育がビジネス社会においても、つまらない人間を育てている様に思います。
「どうでもよいことは流行に従い、
重大なことは道徳に従い、
芸術のことは自分に従う。」を
噛み締めたいもの。
ここは「どうでもよい」ではなく
「道徳」でしょうね。
割り切って鈍感になって日々を
過ごす人間にはなりたくないものです。
私の卒業した高校には国際科という科があり、県内中から海外に興味のある人が集まりやすい高校でした。そして群馬県には外国人、具体的にはブラジル人、中国人、ベトナム人や韓国人など多くの外国人が住んでいます。そういった人も割と多く集まる高校だったのですが、それでもなお服装頭髪に規定がありました。私は地毛は黒いし染髪にも興味がないので何も言われませんでしたが、こういう意味のないことをよく平気でやっていられるなと、心底がっかりしましたね。
髪の長さについて、耳が隠れてはいけないことになっていました。私は短髪が嫌いなので耳にはよく髪がかかっていましたが、そのことでよく教師から邪険に言われましたね。日本の学校は、校則や世間体重視などの点では大嫌いです。
今はアメリカで留学していますが、日本では味わえない解放感を日々楽しんでいます。
娘も高校の先生に「髪が黒いのにうねってるのはおかしい」と、言われたばかり。
黒髪ストレートなんてどれだけいるのか!
鎖国をしていた日本の
悲しい閉鎖的な気質なのでしょう。
就活でもそうです。
行きたいところだけでなく
滑り止め的就職先にも
面接では
「御社が第一希望です❗」
と嘘をつき
内々定で、
決まったら
「実は第一があります。」と、
なってしまい
正直に話して
断り方に
悩んでいる人いっぱいいます。
この社会の悲しいところ。
こうなると余計に外国の方々が日本に引っ越しをなされて、多様な肌、髪、瞳、言葉、価値観に入れ替えた方が、手っ取り早いのかもしれませんね。。。「世間」なのか「学校」なのか知りませんが。。。気持ち悪いです。
文化だと思います。良くない文化。
私自身も金髪の女性がいれば、まじめな女性に見えなかったりします。
多様な人間、文化を受け入れない閉鎖的な国です。
私自身が日本に住んでいる日本人です。
私は受け入れます。
眠る前にしか ブログを読めなくて
いつも 携帯📱にぎったまま
寝落ちです😅💦
でも ブログを読むと
はげみになります🤗✌️
今日も よろしくお願いいたします🙇♀️✌️🌸🌸✨
提出するべきです。。
白髪染め、オシャレカラー 。。ウイッグも。。 髪の毛の色や、肌の色で、、、
将来までも、 左右されるんじゃ。。たまらんです。。😡⚡
茂木先生のおっしゃる通りです。
もう随分昔の中学生時代の話です。
私は生まれつき髪の色が茶色っぽくて、特に光を通して見ると染めているように見えるくらいでした。ある日学校の階段の踊り場の掃除をしていたとき、丁度階段の窓から太陽の光が差し込んで、階段の下から見上げた私の髪の色が茶色く見えたようで、校長が寄ってきて、髪の毛をひっぱり校長室に連れていかれました。
髪を染めるのは校則違反だと説明され、明日までに黒く戻してこないと退学させるぞと脅されました。染めていないと説明しても、嘘つきはうちの学校にはいらないとなかなか信じてもらえず、友人や親に証言をもらってようやく理解して貰った経験があります。
染めること自体何がいけないのかも説明されず、地毛であっても染めていると怒られ、謝罪もされませんでした。その校長は、当時珍しかった女性の校長で、テレビドラマの金八先生の女性校長の見本にされた校長でした。(テレビ局のかたが取材に来られて、当時有名でした)テレビの校長とは大違いの偏見で勝手な校長でしたが、茶色っぽい髪は、悪い人間ということを本当にそのときなんとも言われた時はビックリしました。
それから随分経っているのにまだ変わらないんですね。残念です。