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【群馬】

母子家庭の貧困進む 年収200万円台が15年間で最高30.8%

 県内で年収が200万円台の母子家庭が30.8%(5年前の前回調査比1.6ポイント増)と過去15年間で最高となった実態が、「県ひとり親世帯等調査」で分かった。100万円台の母子家庭も37.7%(同2.8ポイント増)あった。「子どもの貧困」が社会問題化する中、子どもを支える一人親の家計が一段と苦しい状況に追い込まれている。 (菅原洋)

 調査は五年おきに実施し、今回は昨年八月現在で県内で十八歳以下の子どもを育て、一人親に向けた児童扶養手当の受給資格がある千八百六十二人から有効回答を得た。このうち九割以上は母子家庭だった。

 調査結果によると、母子家庭の年収は百万円台が最多で、次いで二百万円台となり、百万円未満も13・0%あった。

 父子家庭の年収は、二百万円台が30・5%(同3・3ポイント増)、百万円台が19・8%(同3・5ポイント増)となった。母子、父子とも年収が三百万円以上の家庭は前回調査より減少し、低所得化が進んだ。

 母子家庭に不安、悩み、心配事を聞いたところ、最多は「子どもの学習、教育や進路」の21・0%。次いで「経済的困窮」の15・9%となり、「自分が病気になったときの子どもの面倒」12・6%、「仕事と家庭・育児の両立」9・9%、「就職や転職など現在の仕事の待遇改善」8・9%と続いた。

 一人親家庭全体が自由回答欄に子どもの就学について記載した内容を趣旨ごとにまとめると、「子どもを塾や習い事に行かせられない」が三十七件、「進学にかかる費用が不安」が三十六件、「中高の制服や部活動などにかなりの費用がかかる」が二十五件。子どもの貧困の厳しい現状を裏付けている。

 この他に具体的には、「自分が病気やけがをしたら全く収入がなくなるので、一家心中にならなければと思う」「生活はできるが、服を買ったり、貯金したりする余裕がなく、ただ食事して生きているだけ」など悲痛な声も上がった。

 県児童福祉課は「母子世帯では、四割以上が臨時雇用で、六割以上が養育費を受け取っていない。一人親の経済的安定を図るため、就労、資格取得、養育費確保の支援を検討していきたい」としている。

 

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