機動戦士ガンダムの生みの親でもある漫画家でアニメーターの安彦良和氏が、自らの半生を振り返る「原点」を出版。約40年、携わったガンダムには「戦争を直接描いたTVアニメはガンダムが初めて。幸い、ガンダムのいくつかのエピソードが反戦的な色合いのものだったので、ガンダムの主張は戦争に対して否定的なものだと了解されている。それは幸せなこと」。それでも関わったガンダムシリーズで懸念や疑問には答えきれていないという。
現在は「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」を制作中だが「僕らが現役だったときと比べて、世の中はアニメ界を評価してくれていますが、実際の現場はかなりお寒い」。期待度、認知度が非常に高く、勘違いしている人間も多いという。「威張っている人がいるんじゃないですかね。でも、そんな大したもんじゃない。大したもんじゃないけど、もっと頑張れよって。そういうことを言いたい」と力を込めた。
弘前大学時代には学生運動にも参加。 世界における日本の立ち位置にも大きな危機感を覚えている。「非常に大きな曲がり角にきている気がします。日本は極東と言われるように東の端にあって、非常にマイナーなポジションだし、中心で輝こうとしては駄目。端っこにいると本当にいろいろよく見える。日本はそういう意味でいいポジションにいる。アメリカと仲良くするとそっちに巻き込まれてしまう。そうすると中立的な物の見方ができなくなる。法律作ってテロを防止しようというが、誰からも恨まれないように、狙われなければいいんです。日本はそうなれる」。現在、国会で審議中の共謀罪にも懸念を示した。
ただ、憲法9条にノーベル平和賞という声には疑問を呈し「だってあの憲法のもとで戦争に協力してきた。だから、そんな事を偉そうに言える立場じゃない。平和を盤石にしようとアメリカと仲良くというのが安倍さんの立場だけど、それは正反対の考え方と僕は思う」と話した。
(C)AbemaTV
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