小田急が1年も前から新ダイヤをPRする事情

複々線化で「混む・遅い」イメージの払拭狙う

複々線化の完成に合わせ、2018年3月にダイヤ改正を行う予定の小田急電鉄(記者撮影)

新生活がスタートする春は、鉄道各社のダイヤ改正の時期でもある。ダイヤが変わる際には、各社とも駅や電車内にポスターを掲出したり、公式Webサイトに特集ページを設けたりするなどして、新しいダイヤをPRするのが一般的だ。

小田急電鉄は2017年の年明け早々から「HELLO NEW ODAKYU!」というキャッチフレーズの広告を小田急線の駅や車内のほか、東京メトロ各線の車内ディスプレーや都心部の駅、さらにネット上などで大々的に展開した。現在工事を進めている複々線の完成により、混雑緩和やスピードアップが実現することをビジュアルで訴えるイメージ広告だ。現在も同社公式Webサイトのトップに大きく表示されている。

だが、ここでPRしているダイヤ改正が行われるのは「2018年」の3月。来年のダイヤ改正を告知するキャンペーンなのだ。

「混む・遅い」イメージの変革狙う

複々線化をPRする小田急のポスター(提供:小田急電鉄)

複々線化は同社が「50年以上追い続けた夢」と表現する一大事業。とはいえ、工事の完成に合わせてダイヤ改正を行う1年以上前から、しかも沿線だけでなく幅広いエリアでPRを行うのは鉄道業界でも珍しい。

同社CSR・広報部課長代理の菅谷裕子氏は「特急ロマンスカーや箱根に関するプロモーションは実施しているが、複々線化事業に関してここまで大規模なPRは初めてです」と言う。

その大きな狙いは、長年の間にすっかり定着してしまった「小田急は混んでいて遅い」というイメージを払拭することだ。

次ページ首都圏でも有数の混雑路線
関連記事
Topic Board トピックボードAD
人気連載
Trend Library トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチAD
芸人・アナウンサーに学ぶ<br>最強のコミュ力

お笑い芸人にして芥川賞作家・又吉直樹の「伝わる」文章の極意。ベストセラー「話し方の教科書」をもつアナウンサー・魚住りえの「聞き方」講座。コミュニケーション技術を達人に学ぼう。