「英語なんて言葉なんだ、やれば誰だってできるようになる」
だけど、やらなければ絶対にできないのも英語です。
大学受験において、特に理系では英語の得意・不得意が合格を左右すると言っても過言ではない。
もちろん、英語に苦手意識を持っている人は多いし、実際、英語は得意になるまで時間がかかる。僕も高2まで英語が苦手だった。
一方で、誰でも高得点を狙えるし、一度得意になれば安定して高得点を狙える科目でもある。
大学受験の英語は、ネイティブにとっては幼稚園レベル。
英語は結局言葉なんだから、勉強すれば誰でもそれなりにできるようになる。
今回は、センター試験で英語190点を取り、医学部に現役合格した僕が、大学受験英語を得意にするための戦略を紹介する。
具体的には、センター試験で8割~9割、地方旧帝大、地方国公立大学医学部を志望している受験生を想定している。それ以下の国公立大学志望者も参考になると思う。
東大・京大・東工大などの最難関大学を志望する学生にも活用できるけれど、十分ではなく、これ以外にかなりの演習が必要になる。
また、早慶・GMARCHといったハイレベルな私立大学の場合、出題単語のレベルが高く、文法問題もマニアックなため、それに特化した対策が必要になる。
TOEICの勉強にも応用できるので、TOEIC受験者の方にも目を通してほしい。
- 英語が得意になるまでの5つのステップ。
- ステップ1:単語力が分かるレベル
- ステップ2:文法が分かる
- ステップ3:文構造を理解する
- ステップ4:長文読解(速く正確に読む練習)
- リスニング・ライティングのコツをつかむ。
- 例題和文英訳教本
- ステップ6:過去問を徹底的に分析する
- まとめ
英語が得意になるまでの5つのステップ。
大学受験の英語で高得点を取るためにやるべきステップは6つ。
この6つのステップをしっかりこなしていけば、誰でも英語で高得点が狙えます。
1.単語力をつける
2.文法を理解する
3.文構造の解析を身につける
4.速く正確な長文読解力をつける
5.ライティング、リスニングのコツをつかむ
6.過去問をやり込む
とてもシンプルだけど、やるべきことはたったこれだけ。
ここから具体的に1つずつのステップを、センター試験英語の長文中の一文を使って説明していきます。
その例文がこちら
Psychologists have pointed out that well-established friendships lead us to a better understanding of ourselves.
みなさんはきちんとこの英文を和訳することができますか?
ステップ1:単語力が分かるレベル
単語は、英語の基本中の基本。料理でいう材料。
材料が無ければ料理を作られないように、単語が分からなければ英語を理解できません。
さっきの例文。
Psychologists have pointed out that well-established friendships lead us to a better understanding of ourselves.
単語力があれば、
psychologist:心理学者
point out:指摘する
establish:設立する、確立する
→well-established:上手く確立された
lead:導く
といった単語の意味が分かります。
すると、「心理学者が指摘する、確立した友情、導く、私たち自身のより良い理解」
という風に、なんとなく文の言っていることが分かります。
英語が苦手な人は、まず1冊英単語帳を完璧に覚えましょう。
英語が苦手な人は知っている単語が少ないことが多いです。単語帳一冊しっかりやり込めば、大学受験の英語に必要な単語は網羅できます。
見える世界が変わりますよ。
中学生レベルの英単語も分からない場合はもちろんそのレベルの単語帳をやりましょう。
おすすめの単語帳
システム英単語
通称・シス単。大学受験では定番中の定番の単語帳。
ミニマルフレーズという短いフレーズで、英単語を覚えるのが特徴です。
単語のレベル、覚えやすさ、使っている人の多さを考えると、「間違いない単語帳」だと思います。
ぼくも実際に使っていました。
とはいえ、学校指定の単語帳があると思うので、そちらをやり込む方がいいと思います。どうしても合わないなら、シス単を試すのもいいでしょう。
大切なのは「一冊の単語帳をどれだけ完璧にするか」です。
いろんな単語帳に目移りしてどれも中途半端になるのだけはやめてください。
英単語ターゲット1900や、速読英単語などもいいと思います。DUO 3.0は大学受験だとちょっと微妙です。英会話の勉強には最適だけどね。
詳しい勉強法は後日紹介します。
もちろん音読用のCDも購入しましょうね。
ステップ2:文法が分かる
Psychologists have pointed out that well-established friendships lead us to a better understanding of ourselves.
文法をマスターしていれば、例文をみて、こう思います。
「have Vppだから現在完了形だ!」
「thatからまた新しい文が始まってるから複文だ!」
「that内が無生物主語だから自然に訳そう。」
そして、こんな感じに訳します。
「心理学者たちは、上手く確立した友情によって私たちが自分自身をより良く理解するに至ると指摘した。」
これで、文章の意味は理解できました。
文法は、言語のルールです。
ルールが分かっていないと正しく理解できないし、正しい文章を作ることはできません。
英文法には、「文法問題のための英文法」と「長文読解・ライティングのための英文法」があって、英語を得意科目にするには「長文・ライティングのための英文法」をしっかりと理解する必要があります。
大学受験で、英文法と長文読解問題の比率を考えればその理由は分かると思います。
「長文・ライティングのための英文法」は暗記じゃなくて、理解が大切です。
それを肝に銘じておきましょう。
英文法のおすすめ参考書
大岩のいちばんやさしい英文法
丸暗記ではなく、理解しやすく覚えやすい英文法書です。
話しかけるような口調なので、読み進めやすいところもグッドポイント。
英文法の基礎の基礎は、この本でしっかりと理解するべきです。
スタディサプリもいい!
英文法は仕組みを理解するのが大切だけど、やみくもに暗記しようとする人がいる。
英文法を理解せず暗記しただけでは長文読解やリスニング、ライティングで得点が伸び悩んでしまいます。
スタディサプリの関先生は、シンプルにロジカルに英文法を教えてくれます。
多数の書籍を出版している一流の塾講師の授業が月980円で受けられるスタディサプリ。
無料で2週間体験できるので試してみてください。
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ぼくがスタディサプリで数学の授業を受けたレビュー記事はこちら↓
【口コミ】現役医大生が「スタディサプリ」で数学の授業を無料体験してみた!評判はどうなの? - 言葉にできる僕のすべて
文法のおすすめ問題集
NEXTAGE(ネクステージ)
通称・ネクステ。
左ページに問題、右ページに解説というレイアウトになっています。
問題集だけど、文法事項が右ページにしっかりまとめられているので、問題を解きながら英文法を理解することができます。
文法問題は大学受験において配点が低いので、文法の問題集はネクステ以外必要ありません。
学校の授業や、模試、過去問演習などでやれば十分です。
心配な人は安河内先生の英文法レベル別問題集がおすすめ。
Next stageには、文法・語法・イディオム・会話表現・単語・発音の項目がありますが、すべてする必要はありません。
文法と語法は必須です。
左の問題を解いて、右ページで答え合わせをして、学ぶべきエッセンスを勉強してください。
問題をみて、一瞬で答えが出るレベルになるまでやり込みましょう。
必要な英文法の知識や理解が深まる良問揃いです。
イディオムに関しては、国公立大学の入試にはオーバースペックです。
かなりマニアックなイディオムも多いので、イディオムは長文を読む中で必要なものだけ、もしくは他の参考書で勉強した方が効率的です。
ちなみに、イディオムの勉強は、合格英熟語300―東大合格者も、これだけしか覚えていなかったがおすすめです。3日で終えられて、必要十分な量のイディオムが覚えられます。
単語の分野も目を通しておいた方がいいです
間違えやすく、頻出の英単語が勉強できます。
一度目を通すだけでも違いますよ。
発音のところはコスパが悪いので、個人のお好みで。
センターの発音・アクセント問題が著しく点が低いならする価値があります。
パターン化できる部分も多いので、発音・アクセントのポイントを押さえられます。
Vintageなど似たような文法書も多いので、お好きな参考書をひとつ選んでやり込んでみてください。僕はネクステ信者なので、ネクステ推しですが。
書店においてないことも多いので、事前に問い合わせ、もしくはネットでの注文がおすすめです。
ステップ3:文構造を理解する
文構造とは、英文の構造のことです。
主語、述語、目的語、補語、修飾語などから文章は組み立てられています。
いわゆるSVOC!
英文を読むときは常に文構造を意識することで、より正確に英文の意味を理解することができます。
例文をSVOCで表すとこんな感じ!
psychologistsが主語で、have pointed outが述語(句)、that以下の文章全体が目的語です。
さらにthat以下の文章をかんがえると、friendshipsが主語。
well-establoshedはfriendshipsを形容しているので修飾語です。
leadは述語、usは目的語、to以下は副詞句という風に文構造を解析できます。
こうすることによって、より正確に英文を理解することができます。
今回の例文は簡単だったのであまり意味を感じなかったかもしれませんが、例文が難しくなると文構造の解析の大切さが分かってきます。
下線の英文を和訳する問題では、文構造の解析が必須事項になります。
文構造をしっかりと理解しておかないと、文の意味を取り違えて不用意な減点となってしまいます。
長文の速読にも文構造の解析が役立ちます。これについては後述します。
学校ではあまり習わないので、参考書等での自習が必要です。
おすすめの構造の解析の参考書
文構造の解釈の参考書はいろいろ試しました。
個人的にやってよかったものを紹介します。
基本はここだ!
「基本はここだ!」では、基本的な英文解釈が学べます。
基本だけど、基本が一番大切だということに気づかせてくれます。
英文が体に染み込んでいく感覚が味わえます。
入門英文解釈の技術70
SVOCのルールを学ぶならこの本。
SVOCを考えながら、長文読解の練習ができます。
70の方法がSVOCを考えるときのヒントになります。
ビジュアル英文解釈
かなり古い本なのですが、未だに売れ続けています。
古くても、役に立ち参考書というのは、本質を捉えています。
時代が変わっても、大切なものは変わらないということです。
小手先のテクニックではなく、もっと根底から英文解釈を学ぶことが出来ます。
ステップ4:長文読解(速く正確に読む練習)
単語、文法、文構造の解析ができるようになるまで長文をしない方がいいというのが持論です。
分からない単語ばかりで辞書を引き続けたり、文法が分からず単語の意味だけで推測して読んだり、文構造の解析ができないのにニュアンスで和訳をしたりしても、意味がありません。
少しは意味があるかもしれませんが、効率が著しく悪いです。
まず、単語・文法・文構造をマスターして、その基礎力を使って長文問題の読解をやってください。
長文は1つの文章の集合なので、一文一文の意味を理解できれば何も怖くありません。
要注意:やみくもに速く読むな!
長文は時間との勝負でもあります。
特にセンター試験は、どれだけ速く正確に読解できるのかが大切です。
でも、絶対に、やみくもに速く読もうとしないでください。
スピードだけを意識すると、正確性が失われ、結果的に安定して高得点を獲れるようになりません。
速読のコツは、結局、正確性の反復にあるんです!
長文速読のためのシンプルな戦略
長文問題を解くときは常に文構造を解析しながら読みましょう。
最初は、(物理的な)行間にSVOCや修飾語、副詞などを書きながら読み進めてください。
ぼくはSVOCを書き込みながら、修飾語は<>でくくる、被修飾語は□で囲む、副詞は()でくくる、という風に自分なりにルールを作っています。
最初は一文に物凄く長い時間がかかると思いますが、慣れてくるとどんどん書き進められるようになると思います。
最終的に、SVOCを書かずに頭の中で文構造を解析しながら文章を読めるようになります。
このレベルまでいくと、「速さと正確さを兼ね備えた読解力」が身につけられます。
この訓練を積めば積むほど、速さは増しますし、正確さが衰えることはありません。
速読とは、やみくもに速く読むのではなく、「英語の構造を瞬時に理解すること」です。
そのためには、長文をたくさん読むことが必要です。
おすすめの長文読解の問題集
長文読解の問題集を選ぶときは、「解答にSVOCが書かれてある」問題集にしましょう。
長文読解≒文構造です。解説にSVOCがあると文構造が分からない場合に役立ちます。
曖昧なままにしておくと、同じような英文でまた間違えてしまいます。
長文読解精講
かなり昔からある問題集です。
長文のレベルが適度で、ちょうどいいです。
もちろんSVOCが振られています。
英語長文ハイパートレーニング
ハイパートレーニングはとにかく解説が詳しいのが特徴です。
SVOCが解説にしっかり振られていて、解答の導き方も載っているので初めにやる問題集として最適です。
CDもついているので、ディクテーションや音読にも使えます。
長文レベル別問題集
こちらもハイパートレーニングと同じ安河内先生の本です。
解説はハイパートレーニングと比べると簡素で、必要最小限に抑えられているので、ある程度レベルアップした後にガツガツ長文を読むときに最適です。
もちろんCDもついています。(安河内先生は音読!音読!音読!といつも言っていますw)
英語長文ポラリス
こちらはスタディサプリの関先生の問題集。
「なぜこの長文を読むのか」が書かれているのが特徴です。
入試での頻出テーマの長文で、読むときの注意点を学ぶことが出来ます。
リスニング・ライティングのコツをつかむ。
ここまで来たらあとは簡単。トレーニングを積むだけです。
ライティングでは、自分が正確に使える単語を使って、正しい文法と文構造で英文を書くだけ。
日本語の文はかなりまどろっこし書かれているので難しく感じるかもしれないけど、「結局、この文章で言いたいことは何なのか」を考えてみると、案外シンプルなことが多い。
よく出題されるパターンは、英作文の参考書で勉強して使えるようになるのが近道。
英作文のおすすめ参考書
大矢の英作文実況中継
一見難しい日本語を、どう解釈して、分かりやすい簡単な英文で書くかを学ぶことができます。
間違いやすい解答を紹介して、なぜ間違いなのか説明されている点も良いです。
英作文のコツをつかめるので、英作文対策はまずこの本からやるのがいいでしょう。
同じく大矢先生の書かれている大学入試英作文ハイパートレーニング和文英訳編も良書です。
ドラゴンイングリッシュ英作文
英作文では、頻出問題の解答を暗記するのもひとつの手です。
多くの英作文暗記系の参考書では300文とか500文とか、とても覚えきれない量の文の載っているものが多いです。
この参考書は100例文ほどなので覚えやすく、エッセンスがぎゅっと詰まったものばかりです。
単語の意味や、解説が載っているので、身になる例文を覚えられます。
例題和文英訳教本
この参考書では、問題を解きながら、英作文のコツを学ぶことが出来ます。
難しい日本語を、分かりやすくして、英語にする「解釈系の英作文」です。
英作文のエッセンスが詰まっている良書です。
入試前には減点されない英作文にも目を通しておましょう。
リスニングの勉強法
リスニングでは、「音声が始まる前に選択肢を読んでおくこと」「過去問でディクテーションを繰り返すこと」「過去問を1.5倍速でも理解できるようにすること」の3つさえやっておけば、平均点以上は間違いなくゲットできます。
不安な人は、オンライン英会話で発音を勉強するといいと思うけど、大学受験に関しては少し効率が悪いかも。どうしても点数が伸びない人は、試す価値はあります。
いま高1生なら、将来も見据えてオンライン英会話で発音の勉強をするのもいい投資になるはず。ちなみにほかの記事でも紹介したけど、DMM英会話の発音コースがコスパ最高なのでおすすめ。
センター試験の発音・アクセント問題の絶対的な対策にもなる。
おすすめのリスニングの参考書
センター英語リスニングをはじめからていねいに
かなり初歩的な内容ですが、リスニング対策をはじめるならまず最初にやっておきたい参考書です。
リスニングを基礎の基礎から学べます。
正直、リスニングに特化した参考書はこれだけにして、あとは演習を繰り返すのがいいと思います。
リスニングに小細工は効きません。
長文問題を読んだ後に、ディクテーションや音読をどんどんやっていきましょう。
心配な人はキムタツの東大英語リスニング BASIC
がおすすめ。
ステップ6:過去問を徹底的に分析する
「過去問を制する者が受験を制する」
センター試験や大学の二次試験など、過去問をしっかり分析して、過去問のレベルの文章をしっかり読めるようになりましょう。
過去問は最低5年、できれば10年以上やっておきたいです。
過去問を使った勉強法も後日紹介します。
まとめ
とにかく、英語の勉強は地道にやるしかないです。
地道にやればだれでも高得点をとれる科目なのでがんばってください。
苦手な人が多い英語。得意になってライバルに差をつけましょう。
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