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 7日に決選投票を控えたフランス大統領選で、元サッカー仏代表の英雄ジダン氏が、右翼・国民戦線(FN)のルペン氏の当選を阻むために「最大限の取り組みを」と呼びかけた。ルペン氏は「サッカーのアドバイスなら結構なことだが、政治で確かなことが言えるのか」と反論している。

 自国開催の1998年ワールドカップ(W杯)優勝の立役者であるジダン氏はアルジェリア系2世。現在はスペインの強豪レアル・マドリードの監督を務める。28日の記者会見で、反移民などを掲げるFNを「私の考えと全く違う」と批判し、「反ルペン」を呼びかけた。これに対してルペン氏は、ニュース番組で「ジダン氏はたくさん稼いでいるだろうから、それを守るために(対立候補の)マクロン氏に投票するのではないか」と皮肉った。

 W杯優勝当時、代表チームは「多民族国家の象徴」と称賛された。だがルペン氏の父ジャンマリ氏は「国歌も歌えない代表なんて好ましくない」と批判した。2002年の大統領選でジャンマリ氏が決選投票に進んだ際、ジダン氏はFNを「フランスの価値観に全くそぐわない」とし、著名俳優らとともに「反ルペン」のビデオに出演した。(パリ=青田秀樹)