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Road to ヤクーツク

ロシア留学 応援します

4月のよしなしごと

 

 

日が沈んだころに外に出ると空に月が出ていて、

この時期らしくぼんやりとかすんでいる。

 

朧月、と思って

立ち止まってしばらく眺めてしまう。

 

だんだんに

離れている人のことが想われてきて、

どうしているだろうかと思う。

 

ポケットの中で握りしめていたケータイに

小さな振動があって、

暗い中に取り出してみると、

私の声が聞こえたみたいに 今まさに手紙が届いたところ。

 

少し肌寒い夜のことで、

ぽーん という優しい音と一緒に、

会いたい人からの手紙は

私の手の中にそっと飛び込んできて、

ほのかに光っていたのです。

 

あんまりタイミングがよすぎて、

まるで夢の中にいるような、

あるいは月の仕業のような。

 

この4月には、こうやって手紙を受け取ったことが二度まであって、とても不思議な気持ちになったのです。

 

 

 

「月と手紙」があまりにも自然にマッチして、

朧月で五七五を考え始めたけれど、このマッチングは伝わる気がしない。

暗がりで、手の中に小さい月が灯ったみたいだったのに。

ふみきたる

ふみ灯るや

降りくるふみや

手の中に灯りしふみや

あー意味わからん。説明文にしかならねーし。

 

 

 

 

 

たわいもないことなんだけど、

忘れてしまうのはもったいない気がします。

来年の春の朧月には思い出さないかもしれないし。

写真もないし、句もないし。

 

書いておくとすればここ以外にないのです。

 

誰にも話したくないのですが、みなさんは口がかたいから大丈夫。