日系人ら収容所跡でイベント トランプ大統領の移民政策批判

日系人ら収容所跡でイベント トランプ大統領の移民政策批判
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アメリカでは、太平洋戦争中およそ12万人の日系アメリカ人が強制収容された歴史を後世に語り継ごうと、日系人らで作る団体がイベントを開き、参加者からはトランプ大統領の移民政策を批判する声が相次ぎました。
旧日本軍による真珠湾攻撃の次の年の1942年、当時のルーズベルト大統領は大統領令に署名し、およそ12万人の日系アメリカ人が収容所に送られました。

この歴史を後世に伝えようと、強制収容された経験を持つ日系人らで作る団体が29日、カリフォルニア州にあったマンザナー強制収容所の跡地でイベントを開き、およそ2000人が参加しました。

式典では、この収容所で生まれおよそ1年半を過ごした、パット・サカモトさんが「われわれの権利を守るためには、権力を警戒しなくてはならない。ほかの誰にも二度と同じ思いをさせてはならない」とあいさつしました。

また、別の参加者が「当時の大統領令と現在の大統領令、75年の時がたっているが、おそれや偏見から生まれたという点は同じだ。この強制収容所を遺言として語り継がなければならない」と述べるなど、トランプ大統領の移民政策を批判する声が相次ぎました。

就任から100日を迎えたトランプ大統領は、中東などからの人の入国を制限する大統領令に署名するなど厳しい移民政策を掲げていて、人種を理由に差別を受けた歴史を持つ日系人社会では反発が広がっています。