「著作権侵害に争いはなし?!」
「行知学園」という留学生向けの大学・大学院入試予備校が、市販の本・問題集を丸ごと違法に複製(デッドコピー)し、学生に配っていたとのことです。
出版社は被害額300万円規模を損害賠償として求める方針のようです。
「学校の授業の場合、著作権は利用できるのは?!」
著作権法では、学校の授業では著作権者に許可なくコピーすることが認められています。
ただし、本件ような営利目的の予備校の場合には「学校」には該当しないので、著作権の利用は認められません。。
「著作権侵害の判断は微妙?!」
ちょうど、クライアントから、「著作権」に絡む相談がきていました。
クライアントは、出版社幹部です。
他者が、執筆者(著作権者)の著作物を無断で流用して、本を出版し、ベストセラーになっている!
といった趣旨。
「弁護士に相談・同席してきました!」
苦手な「著作権」の案件だったので、すぐに弁護士に連絡を取り、クライアントとともに、相談に同席してきました。
今回は、いつも以上に出番もなく「うなづきトリオ」状態でした。。。
「著作物の定義・範囲・内容とは?!」
著作物の定義・範囲・内容・・・・
何度聞いても、理解しにくいですね・・・
クライアントと執筆者(著作権者)に至っては、法律の素人なので、さらに理解できない様子・・・
とくに、執筆者(著作権者)は、「感情論」と「自分の専門分野の説明(専門用語で語っているだけ?!)」です・・・
弁護士との会話がかみ合いません・・・
「著作権性が認められにくいジャンル・・・」
弁護士の見解だと、本件のジャンルは、著作物性が認められくい傾向にあるとのこと。。。
多額の金銭を望むことも難しいと。。。
ちょっと、学術的なジャンルなんですけどね。。。
「著作権性が認められにくいジャンル・・・」
理論・ノウハウそのものでは、守られにくいようです。
よほど、独自理論・特殊な理論でもない限り。。。
あくまでも、メインで保護されるのは、文言・表現ということで。。。
「著作権法がダメなら?! 民法の不法行為請求権(709条)!」
著作権侵害による損害賠償請求が難しいのなら、民法の不法行為請求権による、損害賠償請求という手段もある!というアドバイスもいただきました。
なるほど~
視野が狭くなっていました。。。
特別法がダメなら一般法がある!ということですね。。。
「まとめ」
・安易な著作権侵害は、会社を危機な状態にさせてしまうかも?!
・風評被害・ブランドイメージ・信用を損ねる?!
・学校の授業で著作物を無償利用について、「営利」目的の学校では認められない
・著作権の定義・範囲・内容は、分かりにくい・・・
・著作権のメインの保護対象は「理論・ノウハウ」ではなく「表現・文章・文言」
・著作権侵害を主張するのが難しい場合、民法の不法行為請求権という手もある