「英語が話せない日本人がノーベル賞をとっている」教育に関する疑問

韓国の中でもトップクラスの学生ばかりが集まる「国立韓国科学技術院(KAIST)」。KAISTの学生というだけで世間からは一目置かれるほど、「エリート」という印象が非常に強い学校です。そんなKAISTで、今年に入ってから4人もの学生や教授が自殺しました。それぞれ自殺に至った直接の引き金は違うのですが、根本には精神的に強いプレッシャーを与える大学の教育制度が関係しているのではないかと見られています。

ほかの大学とは違うKAISTの教育制度とは、成績により授業料が左右される「懲罰成績制」、そして「全講義の英語化」というものです。しかし、この制度は英語が苦手な学生にとって大きな負担となるものでした。英語の授業だけでなく、自分が専攻する科目もすべて英語で理解しなければならず、仮に成績が悪ければ授業料はたちまち跳ね上がることになるからです。

KAISTの教育制度については、国会でも議論されるほど深刻な社会問題となっています。また、韓国のインターネット掲示板では、KAISTの教育制度は間違っているのではないかという議論も出ています。あるネットユーザーは、「英語ができない日本人がノーベル賞をとっている」と日本の例を挙げ、教育に関する疑問を投げかけました。

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<質問>英語がひとことも話せない日本のノーベル賞受賞者

今、私がKAISTに通っていたとしたら、極端な話ですが4人の方たちと同じ道を選択していたかもしれませんね…。
日本には、08年にノーベル物理学賞を受賞した益川敏英教授がいます。彼は、留学した経験がないどころか、外国に行ったこともなかった方です。英語が苦手なため、国際会議に招待されても断ってきました。ノーベル賞の受賞式では、英語でのスピーチが慣例ですが、確か彼は日本語でスピーチしていました。

4人のKAIST生が、なぜ自殺の道を選んだのか、詳しいことは分かりませんが、もし英語の講義がプレッシャーになっていたとしたら…非常に残念なことではないでしょうか。韓国は英語のせいで、未来のノーベル賞受賞者を死に追いやったことになります。

もし、益川教授が韓国で生まれ、KAISTに通っていたとしたら、どうなっていたでしょう。英語のせいで退学し、物理学とは関係の無い道に進まれていたかもしれません。


<コメント>
・授業で使うテキストだけ英語にして、説明は韓国語にしたって十分じゃん。英語で講義したところで、教授と学生のコミュニケーションが取りづらくなるだけで良いことなんて無いよ。
・韓国の学生は英語も勉強しないといけないから大変だ~。
・英語は話せなくても英文さえ読めれば授業は問題ないはずだよ。原因は英語だと単純化しない方がいい。
・そうかな。教授が話した内容をちゃんと理解しないとテストの点数なんてとれない。英文が読めれば良いっていう問題じゃない。
・つまり、科学の試験なのに、科学の実力がある人より、英語の実力がある人の方が点数が良いってことだろ?
・効率の問題だよ。英語ができな学生は本を見て独学で勉強せざるを得ない。英語ができる学生は授業時間で学んだことを復習すればいい。
・基礎分野を発達させるために底辺を広げるのは分かるけど、それを外国語でやろうというのが問題。

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相次ぐ学生の自殺により受けて、KAISTは「懲罰成績制」の廃止、全講義の英語化も緩和する方針を示しています。韓国には科学技術分野でのノーベル賞受賞者がいないため、国を挙げた人材育成が熱心に行われています。しかし、エリート大学で起きた悲劇を契機に、これまでの教育制度にも変化が起こりそうです。

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