EU首脳会議、英国との交渉方針採択、全会一致 結束示す
2017年04月30日 08:07 発信地:ブリュッセル/ベルギー
このニュースをシェア
【4月30日 AFP】欧州連合(EU)は29日、ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)で欧州理事会(European Council、首脳会議。政治レベルの最高協議機関)の特別会議を開き、英国を除く加盟27国の首脳らはEU離脱を決めた英国との「堅固かつ公正な」交渉方針を全会一致で採択し、2年間にわたる英国との厳しい交渉を前にEU側の結束を示した。
テリーザ・メイ(Theresa May)英首相が1か月前にEU離脱手続きを開始した後では初となる首脳会議に出席した27か国の首脳は、会議が始まってから数分のうちに英国に対する今後の対処方針に合意し、拍手した。
会議に出席した各国首脳は、英国との将来的な貿易交渉は、英国で暮らすEU市民の権利保護、約600億ユーロ(約7兆3000億円)とされる英国の未払い分担金の精算問題、北アイルランド(Northern Ireland)の国境管理について英国が同意した後で開始することを確認した。
欧州理事会のドナルド・トゥスク(Donald Tusk)常任議長(EU大統領)は記者会見で、EU各国首脳の「素晴らしい団結力」を称賛し、今回の決定は英国のEU離脱交渉に臨む上で「堅固かつ公正な政治的指針」だと指摘。さらに「(会議を開始して)4分後には私たちの準備は整った。とても有望だ」と述べ、意見対立で悪名高いEUが迅速に一致団結したのは「われわれの歴史上初めてだ」と付け加えた。
英国の離脱により、通貨ユーロや移民問題をめぐり長年激しい内部対立に悩まされてきたEUは新しく生まれ変わる機会を与えられた形だ。英国のメイ首相が交渉の足場を固めるため6月8日の総選挙実施を決定したこともEUの団結力を強める結果となった。(c)AFP/Danny KEMP, Alex PIGMAN