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経済

目立った混雑なし、リピーター「着々」 レゴランド開業1カ月

 名古屋市港区の金城ふ頭にテーマパークのレゴランド・ジャパンが開業してから間もなく1カ月。目立った混雑や交通渋滞も起こらず、「思いのほか静かな幕開け」(観光業関係者)となった。一方で、1日券で入場した後に年間パスポートを購入する来園者も多く、満足度は上々のもよう。初の大型連休を迎え、入園料の割引キャンペーンも始めており、今後の集客に注目が集まる。

 大型連休初日の29日は朝から晴れ間が広がり、家族連れが集まった。午後に激しい雷雨に見舞われると、小走りで退場する来園者の姿も。名古屋市西区の男性会社員(47)は「待ち時間は長くて15〜30分くらいだったので、目当てのアトラクションに全部乗れた」と話した。

 運営会社の広報担当者は「客足は順調で、目標の年間200万人は軽くクリアできる」と自信を見せるが、来園者数は公表しておらず、実態は分からない。1日券で入園して差額分を支払えば年間パスポートに変更できるサービスを実施しており、来園者の1割超が利用。担当者は「他国のレゴランドより圧倒的に反応が良い。リピーターは着実に増えている」と話す。

 名古屋市によると、名古屋駅と金城ふ頭を結ぶ「あおなみ線」のレゴランド最寄り駅の降車人数は、前年の2〜4倍に大きく伸びた。一方で周辺の道路では大きな混雑はなく、隣接する5千台収容の大型駐車場は休日でも2千〜3千台の利用で、「おおむね想定の範囲内」(市担当者)という。

 「入園料が6900円もするなんて」「園内の食べ物や飲み物も高い」−。この1カ月間、インターネット上では価格に関する批判の声も上がった。レゴランドは、今月24日までの年間パスポート購入者を対象に、同行者2人までの1日入園券を半額にするキャンペーンを5月末まで実施。「値引きの効果を測る」(運営会社)としているが、大型連休に向けた集客のてこ入れとみられる。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの田中三文観光政策室長は、2005年の愛知万博でも開幕当初の客足が伸び悩んだことを指摘。「名古屋の人は、お金がかかるものに慎重だ。『行けば満足する』との口コミが広まれば、多くの人が訪れるだろう」とみる。

 今後、施設やサービスを充実させる中で、根強いファンを獲得できるかが成功の鍵になりそうだ。

     ◇

 今年のゴールデンウイーク(GW)は、レゴランド・ジャパンが開業して初めての大型連休。周辺の観光施設は相乗効果を期待し、イベントなどを企画している。

 金城ふ頭にあるJR東海のリニア・鉄道館では4月以降、レゴランドの土産袋を持つ来館者が目立つという。担当者は「入館者数に目立った変化はないが、周辺の観光施設を巡る人がいるようだ」と説明。GWには、人気の高い新幹線検査車両「ドクターイエロー」の企画展を開き、客の呼び込みをねらう。

 三重県桑名市の遊園地「ナガシマスパーランド」などを運営する長島観光開発の広報担当者も「全国から東海地方を訪れる人が増える。相乗効果で盛り上がってほしい」と期待した。旅行大手のJTB中部によると、愛知県内の宿泊施設では、4〜6月の予約数が前年より2割ほど多いという。

 三重県伊勢市では、4年に一度の全国菓子大博覧会「お伊勢さん菓子博2017」も開催中。中部運輸局の沢田孝秋観光部長は「レゴランドの波及効果は大きい。今年の東海地方は、観光で全国の注目を集めている」と話す。

 (久野賢太郎、石原猛)

開業後初めての大型連休を迎えたレゴランド・ジャパン=29日、名古屋市港区で、本社ヘリ「あさづる」から

開業後初めての大型連休を迎えたレゴランド・ジャパン=29日、名古屋市港区で、本社ヘリ「あさづる」から

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