スーパーフードとして知られる”キヌア”。栄養バランスが豊富な食べ物として、かなり注目されている食べ物の一つです。今回は、そんなキヌアの栄養素と効果について調べてみました。 では、早速見ていきましょう!!
キヌアって何?
キヌアはアンデス山脈を原産地とする穀物です。主食として用いられていますが、ホウレンソウと同じヒユ科の植物です。キヌアは雑穀に分類されますが、グルテンを含まないので、小麦アレルギーの方には小麦の代用品として使われています。
キヌアはスーパーフードといわれるほどバランスの良い栄養素が含まれ、さらに栄養価が高いのが特徴です。必須アミノ酸9種類すべてを含むなど、豊富な栄養素が注目されNASAの宇宙食としても評価されています。食べると少し甘くプチプチした食感、特徴的な香りがあるそうです。
では、次にキヌアに含まれる栄養素について具体的に見ていきましょう。
<キヌアに含まれる栄養素>
キヌアの栄養素と普段日本人が主食としている精白米の栄養素を比較してみましょう。(100gあたり)
●エネルギー・・・白米:356kcal 、キヌア:368kcal
●たんぱく質・・・白米:6.1g 、キヌア:14.12g
●脂質・・・白米:0.9g 、キヌア:6.07g
●食物繊維・・・白米:0.5g 、キヌア:7.0g
白米と比べてみると、キヌアの栄養価が高いことがすぐわかりますね。この高い栄養価は健康維持にも力を発揮してくれます。
キヌアの栄養素と効果
①豊富なたんぱく質
白米と比べるとキヌアには2倍以上のたんぱく質が含まれています。また、体内で作れない必須アミノ酸の9種類のすべてを含みます。豊富なたんぱく質は美しい髪・肌・つめなどの形成を助けます。また、必須アミノ酸のリジンはコラーゲンの生成に欠かせない栄養素です。免疫力を高め、肌の再生を早めます。
②フィトエストロゲン
キヌアにはフィトエストロゲンという女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをする外因性エストロゲンが含まれています。女性ホルモンの働きを補いホルモンバランスを整えるので、更年期症状の緩和・改善、生理痛の緩和、不妊への効果、美肌美髪効果が見られます。
さらに乳がん予防、骨粗鬆症予防に効果があるといわれています。
③不飽和脂肪酸
脂質には体内で固まりやすい飽和脂肪酸と、固まりにくい不飽和脂肪酸があります。キヌアには不飽和脂肪酸が多く含まれています。
不飽和脂肪酸は体内でも固まりにくいで、血液をサラサラにぢ、中性脂肪やコレステロール値をコントロールする働きがあります。
④リノレン酸
リノレン酸は体内で作ることのできない必須脂肪酸で、DHAやEPAと同じオメガ3脂肪酸です。積極的に摂取したい栄養素の一つです。リノレン酸の健康効果は、血中の中性脂肪を下げる、高血圧予防、血栓の防止、心筋梗塞予防、アレルギー症状の緩和、鬱症状の改善などがあります。
⑤オレイン酸
オレイン酸は悪玉コレステロールを減少させてくれるオメガ9脂肪酸の一種です。悪玉コレステロールの減少により、動脈硬化を予防できるので、脳梗塞や心筋梗塞を予防します。また、がんの予防や糖尿病・高血圧などの生活習慣病を予防します。また、胃酸の分泌を調整して胃の健康も守ります。
さらに、皮膚を柔らかくする効果もあるので、小じわの抑制にもしてくれます。。
⑥ビタミンB群
ビタミンB群(ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6)は皮膚や粘膜を保護する働きがあるので、美肌効果が期待できます。また脂肪の燃焼を助ける働きもあるので、太りにくい体作りに有効です。
キヌアに含まれるビタミンB群にはパントテン酸が含まれています。パントテン酸は肌や毛根に栄養を行き届かせる働きがあります。またパントテン酸やナイアシンは糖質・脂質・たんぱく質の代謝に不可欠な栄養素です。
また、ビタミンB2にはエネルギー代謝を促進する働きと、皮膚の代謝も活性化させる働きがあり若々しい肌を保ちます。
⑦ビタミンC
ビタミンCには抗酸化力がるので、シミを予防する美白・美肌効果や、免疫力を高める働きがあります。
⑧ビタミンE
強い抗酸化力が魅力です。老化の原因となる活性酸素の発生防ぐのでアンチエイジング効果があります。また、頭皮環境を整える働きもあります。
⑨食物繊維
キヌアは他の穀物の2倍以上の食物繊維が含まれています。食物繊維の代表的な働きとして便秘解消効果があります。腸内環境が整うことで免疫力のアップにもつながります。
また、便秘が解消することで、体内に溜まっていた老廃物を排出するのでデトックス効果もあります。さらに、食物繊維はコレステロール値や血糖値を下げる働きもあります。高血圧や糖尿病の予防効果も期待されています。
⑩カリウム
キヌアにはカリウムがキュウリ3本分が含まれています。筋肉の収縮に欠かせない栄養素です。他にも血圧が高くなるのを防いだり、老廃物の排出を助けたりする働きがあります。
⑪カルシウム
骨や歯を強くするので骨粗しょう症予防につながります。またイライラの解消など精神の安定も促します。
⑫マグネシウム
豊富なマグネシウムは血管を拡張する働きがあるので、偏頭痛の緩和に有効な栄養素です。
⑬鉄
ヘモグロビン形成の元となる鉄は、キヌアに含まれる葉酸との相乗効果で貧血予防の効果が大いに期待されます。また鉄には脳の機能を高める働きもあります。
⑭マンガン
キヌアに含まれるカルシウムやリンとともに骨の形成を促進します。また身体で作られる酵素を活性化する働きもあります。さらにマンガンは体内の細胞膜の保護作用や、血糖値を下げる働きもしています。
⑮サポニン
余分な中性脂肪ができるのを防いだり、コレステロール値を下げたり、免疫力を上げる働きがあります。他にも、老化の原因となる活性酸素の発生を防ぐ働きがあります。
<キヌアは低GI値食品>
キヌアは食後に血糖値の急上昇の心配がない低GI食品です。キヌアは血糖値が上昇しにくいので、脂肪が蓄積されにくく、太りにくい食材と言えます。主食のGIを比較すると食パンは91、白米は84、胚芽米70、玄米56なのに対し、キヌアは35です。糖の吸収を穏やかにしてくれる食物繊維が、キヌアには豊富なことが理由です。
キヌアの食べ方
キヌアはご飯に混ぜて炊いたり、ご飯の代わりにそのまま炊いたりして食べることが多いです。炊いたキヌアを小分けして冷凍保存しておくと、使い勝手もよく便利です。
キヌアのアレンジ料理として、サラダ、スープ、シリアル、カレー、ビビンバ、パスタ、リゾット、納豆、シチューなどがあります。 ・・・ちょっとキヌアを加えるだけでも楽しみ方が増えます。また、ハンバーグやコロッケ、麻婆豆腐、卵調理、クッキーなどの焼き菓子に混ぜても大丈夫です。
まとめ
普通の穀物と見た目があまり変わらないキヌアですが、バランスの良い栄養素がたくさん入っています。どれも体にとってうれしい働きが期待できる栄養素ばかりなので、NASAにも注目されているスーパーフードであることにも納得です。
身近な穀物として、少しずつ食事に取り入れていくことで健康増進を心掛けましょう。
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では、最後までお読みいただきありがとうございました。