世の中には色々な人がいます。
だれかの悪口や批判ばかり言っている人。
面倒なことを押し付けてくる人。
相手によって態度が違う人。。。
人間関係ってそのような人に対して「気にしなかったらいい」と割り切れるほど単純なものでもありません。
心理学者アドラーの言葉で「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」というものがあります。
この言葉の通り人とのコミュニケーションというのは生きていく上で、切っても切り離せないものです。
では、そのような対人関係によって生まれるストレスを極力減らすにはどうすればいいか。
それは苦手な人の性格を理解し、心理状況にあった対応方法をすることです。
ここでは「この人苦手」といわれやすい9つの性格別に、その性格に隠れた心理と適切な付き合い方について説明します。
今回参考にした本はこちら
他人の批判や悪口が多い人
悪口や批判を言う人の心理
いつも人の悪口を言ったり、批判ばかりする人っていますよね。
このような人と関わっていると、こっちも良い気はしませんし「私のことも陰で悪口言ってるんだろうな~」なんて思ってしまうので、正直あまり関わりたくないです。
ではなぜそのような人は他人の悪口をいうのでしょうか。
その心理をみていきましょう。
まず悪口が集団にもたらす効果から説明します。
人間というのはグループの外にあえて敵を作ることで、グループ内の結びつきが高まります。
また「集団凝集性」といって、仲間をグループ内に留まらせようとする心理もはたらきます。
なのでグループの仲間を維持し結束力を高める手段として悪口は有効なのです。
といっても、褒められるものではありませんが・・・。
次に悪口を言う人の個人的な心理について説明します。
そこには2つ理由があります。
1つ目は単なるストレス発散です。
自分の欲求不満や不快な出来事によって生じたストレスを減らすために悪口をいいます。
2つ目は一時的にでも自分は有能であると感じたいという心理によって行われます。
他人をおとしいれることで、相対的に自分を高めようとしているわけです。
ただこの時に感じる有能感は過去の経験に裏付けされていない根拠のない思い込みにすぎません。
このような思い込みの激しい人は日頃から抑うつ的であったり、対人関係で敵意を抱きやすい傾向があると報告されています。
悪口・批判を言う人との付き合い方
一緒になって悪口をいうと相手に「仲間」だと認識されてしまします。
そして違う場面で「○○さんも言ってたよ」なんて自分が悪口を言っていたという噂を流される危険性もあります。
うなずいただけでも「言った」と認識され、噂を流される可能性があるので注意が必要です。
なので悪口に乗っかるのは避けましょう。
また対応に困った時は「そう?私は気づかなかった」とか「知らなかった」と言いましょう。
詮索好きな人
他人のことを詮索する人の心理
何でもかんでも聞いてくる人って正直少しうっとおしいですよね。
しかも「それ聞いて何が知りたいの?」というくらい踏み込んだ質問をされた時にはちょっと神経を疑ってしまいます。
そのような詮索好きな人の心理について説明します。
自分自身のことを伝えることを「自己開示」といいます。
自分のことを自己開示することで、相手も自己開示をしてくれます。
これを自己開示の返報性といい、これらを繰り返すことで互いに親密な関係になっていきます。
しかし時折デリカシーに欠けるほど、グイグイ聞いてくる人っていますよね。
そのようなタイプは共感性が低く、人の気持ちに鈍感だといえます。
また自分のことは話さないのに、人のことばかり聞いてくるタイプは相手のプライベートを知ることで自分の優位性を高めようとしています。
相手の情報を握ることで、その人を支配、コントロールしている感覚になっているのです。
詮索好きな人との付き合い方
詮索好きな人は相手の気持ちに鈍感なので、何の気なしにイヤな質問をしてくる場合があります。
そのような時は同じ質問を相手にすることで「こういうこと聞かれたらイヤなんだ」ということに気付いてもらいましょう。
また言いたくないことははっきり「言いたくない」と言うか「知らない」「忘れた」と言ってかわしましょう。
逆ギレする人
逆ギレする人の心理
逆ギレする人とはホントに関わりたくない!
一緒に仕事しても気を使って仕方ありません。
そんな逆ギレする人の心理について説明します。
人間は自分の中に矛盾する考えや行動があると人は不快を感じます。
例えば
・浮気は悪いことだと分かっているのに浮気をしてしまった
・ウソをついたらいけないと分かっていながらウソをついてしまった
などがあげられます。
このように矛盾したものが自分の中にあると、それらを自分の行動によって正当化させようとします。
そして本人自身も自分の発言が矛盾しているということは薄々わかっているからこそ、大声で強調したり相手を責めるといった行動をとってしまいます。
要は自分でも矛盾していることを分かっているからこそ、その矛盾を正当化したくて逆ギレしているということです。
逆ギレする人との付き合い方
相手がヒートアップしている時に正論を言えば言うほど、相手はかたくなに拒みます。
そのような場合は一旦引いて、相手が冷静さを取り戻してから話し合いをするようにしましょう。
ネガティブなことばかり言う人
ネガティブなことばかりいう人の心理
「どうせ私なんか」「絶対ムリ」などネガティブなことを何度もいわれると、こちらまで暗い気持ちになりますよね。
そのようなネガティブな発言ばかりする人には2つの理由があります。
一つ目ははじめから「できない」ということで、実際にできなかったときのショックをやわらげようとしています。
2つ目は自己注目といって、自分自身に注意がいきすぎている可能性があります。
誰でも多少は自分のことを気にしています。
しかし自分自身への注意が過剰な場合、ポジティブな面よりもネガティブな面に意識がいきやすくなります。
そのためネガティブな発言ばかりしてしまうのです。
ネガティブなことばかり言う人との付き合い方は
ネガティブなことばかりいう人は、あなたに「そんなことないよ」と励ましてほしいと思っている場合もあります。
もし励ますことで自信を取り戻せそうなら励ましてあげましょう。
それでもずっと「でも」「だって」とネガティブ発言を繰り返すようなら、残念ながらあなたの励ましも無意味ですので、少し距離をとって見守ってあげましょう。
面倒を押し付けてくる人
面倒を押し付けてくる人の心理
職場などにいませんか?
面倒なことばかり人に押し付けてくる人。
それが上司や先輩だった場合は最悪ですよね。
そんな面倒なことばかり押し付けてくる人には2つ理由があります。
一つ目は対人感受性といって他人の立場に立って物事を考える力が欠けているというのがあげられます。
この対人感受性は大人になる経過の中で養われていく力なのですが、その力を養うことができず大人になったと考えられます。
2つ目は自分の都合のいいように考えてしまうというものです。
「自分は忙しいけど、あの人は忙しくない」と思い込んでいるので、他人に面倒を押し付けてくるのです。
面倒を押し付けてくる人との付き合い方は
無理なこと、イヤなときはきっぱりと断りましょう。
そうでないと相手は気づいてくれません。
また相手が上司や先輩で断れない場合は「これをこなしたらスキルアップに繋がるんだ」とプラスに考えることでストレスを減らすようにしましょう。
ブランド物が好きな人
ブランド物が好きな人の心理
一人で買い集めているだけなら実害はないんですよ。
ただブランド物が好きな人って、相手の持ち物を結構チェックしていますよね。
女子の場合はそこからヒエラルキーが生まれるもんだから、「苦手だな~」と思っている人っているんじゃないでしょうか。
そんなブランド物が好きな人は自己顕示欲をみたしたいという欲求を抱えています。
他人からよく見られたいという欲求が強いのです。
しかし自分の能力や特質には自信がないため、見た目に価値を置くことで自分を守ろうとしています。
要は自分に自信がない人ほどブランド物にすがっているというわけです。
ブランド物好きな人との付き合い方
実害はないのでそっとしておきましょう。
間違っても張り合ってはダメですよ!
女性の場合は、ブランド物一つでもヒエラルキーが生まれたりしますが、そこに対抗心をもつと疲れてしまうだけですからね。
自慢ばかりの人
自慢ばかりの人の心理
これもブランド好き同様に実害はないんですよ。
ただずっと自慢ばかりいわれると疲れてきますよね。
このような自慢の好きな人はいわゆる「ナルシスト」です。
自分自身への関心が非常に高く、また自己評価も高いです。
そこに加えて、人からも賞賛を得たいという感情も強いです。
自慢ばかりいう人との付き合い方は
勝手にいわせておきましょう。
本当に「できた人間」というのは自分のことをひけらかす様なことはしません。
そう思いながら適当に合わせておきましょう。
ただこの「自慢」というのは、聞く側の受け取り方にもよります。
「○○大学に合格したよ~」という知らせを聞いて、素直に「おめでと~」という人と「何?自慢しにきたの?」と受け取る人もいますよね。
なので相手が自慢が多いのか、自分の受け取り方の問題なのかというのは、一度冷静に考えてみてもいいかもしれません。
人の幸せをねたむ人
「人の不幸は蜜の味」という言葉がありますね。
裏を返せば人の幸せはねたましいものということになります。
そして実際に人の幸せに嫉妬する人って結構いますよね。
ではなぜ人の幸せをねたんでしまうのでしょうか。
人は一般的に他人と自分を比べることで自分を評価しようとします。
そして自分より劣っている人をみることで安心感を得て、自信を回復しようとします。
テストで悪い点を取って落ち込んでいても、友達がもっと悪い点をとっていたら安心してしまうあの心理です。
特に自分自身が上手くいっていない時ほど、自分より下の人間を作り安心しようとする傾向になります。
しかしこれまで自分より下だと思っていた相手にまさか負けてしまったとします。
そのような時に「ねたみ」という感情がわいてきます。
・自分よりブスだと思っていた女が先に結婚した
・自分より学歴の低い人が先に昇進した
このように勝てると思っていた相手に負けた時ほど自尊心は深く傷つけられ、それが「ねたみ」という感情に変わるわけです。
人の幸せをねたむ人との付き合い方は
ねたみ感情の強い人と一緒にネガティブな発言をしていると、周囲の人にあなたも同類と思われてしまいます。
そのような話は否定も肯定もせずに軽く受け流し、違う話題に持っていくようにしましょう。
また自分のネガティブエピソードをすることで相手に自信をつけさせるというのも一つの方法です。
人によって態度が違う人
人によって態度が違う人の心理
「あの人、相手によって態度が違う~(-_-;)」
上司にはペコペコしてるくせに、私には言い方がキツくてムカつく~っていう時ありますよね。
でも意外と程度の差はあれ、みんなそんな一面をもっているものです。
私も職場の自分と、家族でいる時の自分、友達といる時の自分でキャラクターが違います。
あなたも心当たりがあるのではないでしょうか。
これは「自己呈示」といって、「こうみられたい自分」というのを演じているのです。
なので単に「好かれたい」と思っているだけではありません。
しかしこの自己呈示は相手の受け取り方次第で、嫌われる原因にもなります。
自己呈示には色々あるのですが、ここでは5つの自己呈示の種類を紹介します。
取り入り
相手に親切にしたり、お世辞を言うことで相手に好かれようとします。
上手くいけば好感をもたれますが、失敗すると八方美人といわれます。
自己宣伝
成績や特技をアピールすることで自分を能力を高く見せようとしています。
上手くいけば「できる人」と思われますが、失敗すれば「自慢が多い」「でしゃばり」といわれます。
示範
自己犠牲的な行動や献身的な行動により、道徳的な人とみられたいと思っています。
上手くいったら「立派な人」と思われますが、失敗すると「偽善者」といわれます。
威嚇
怒鳴ったり、不良っぽいことをして相手を恐れさせることで、優位に立とうと思っています。
上手くいと「怖い」と思わせることができますが、失敗すると「うるさい」と思われるだけになります。
哀願
自分を下に置いたり、弱さや能力のなさをアピールすることで同情してもらったり、援助してもらたいと思っています。
上手くいくと「かわいそう」と思われますが、失敗すると「なまけもの」と思われます。
以上の様に、人は相手にどう思われたいかによって場面場面で性格を使い分けています。
人によって態度が違う人の付き合い方
人によって態度が違う人というのは、本心が分からないといった面から「苦手だな」と感じている方が多いと思います。
人によって態度が変わるのは、本人が相手にどのように思われたいかという演技であるのだと割り切ることで、すこし苦手意識は軽減されるのではないでしょうか。
具体的な付き合い方に関しては相手の態度によって変わるので、今まで説明してきたタイプ別の対応方法をして頂けたらと思います。
さいごに
人の性格には色々理由があります。
それを知ることで上手な付き合い方を知ることができますし、それが分かれば人間関係のストレスを大幅にカットできます。
「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」です。
是非、こちらの記事を参考にストレスの少ない人間関係を築いて下さい。
苦手な人からも気に入られる方法はこちらにより詳しく書いています。
合わせてお読みください。