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山中で目撃されたイノシシ=2010年、兵庫県内(県提供)
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山中で目撃されたイノシシ=2010年、兵庫県内(県提供)
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 兵庫県内の銃による狩猟免許所持者は2015年度に2662人となり、20年間で半減していることが分かった。新規免許取得者はジビエ(野生鳥獣肉)料理ブームなどを背景に増えているが、高齢で免許を更新しない人が上回る。シカやイノシシなどによる農林業への被害が問題となる中、対策の大きな部分を狩猟による捕獲が占めており、県は狩猟者の育成施設の整備について検討を始める。(斉藤正志)

 県内の野生動物による15年度の農林業被害額は5億7千万円。うちシカが2億円、イノシシが2億2千万円と合わせて7割を占める。減少傾向にあるものの、依然として稲や野菜などに深刻な被害を与えている。

 15年度に捕獲されたシカ(約4万6千頭)のうち、狩猟者の銃による捕獲が半数を占めた。銃による狩猟は獣害対策の大きな柱となっているが、免許所持者は年々減少。県によると、県内では1996年度に5851人いたが、2015年度は55%減の2662人。うち約7割を65歳以上が占めた。

 一方、新規取得者は15年度に188人と4年前の2・4倍に。近年のジビエ料理ブームなどの影響とされる。しかし、3年ごとの更新をせずに免許を手放す人数が圧倒的に上回る状況が続く。

 県は16年度、生息数の増加が指摘されるツキノワグマの狩猟を20年ぶりに解禁。人が襲われる事案が3件起きたが、期間中に仕留められたのは4頭にとどまった。

 兵庫県猟友会の吹田修身(おさみ)会長(73)=西宮市=は「狩猟は経験が大事。免許を取ってすぐの狩猟者は獲物ばかり見て周りが見えず、熟練者がついていないと事故につながりかねない。ルールやマナー、獲物が出る猟場など、高齢者が現役でいるうちに伝えなければならない」と話す。

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