『男子部の幹部が、困惑した顔で語った。
「新しい活動などを提案しても、壮年の先輩たちは、なかなか賛成してくれません」
伸一は、笑みを浮かべた。
「青年が新しいものを企画し、先輩である壮年たちが反対する――多かれ、少なかれ、どの団体や社会でもあるものだ。
年配者には、何事にせよ、豊富な経験がある。そこから導き出された経験的法則というものがあり、その尺度で物事を判断する。
この経験則という裏づけがあるだけに、年配者の判断には間違いは少ない。しかし、自分が経験していない物事には否定的になりやすい。また、時代が大きく変化している場合には、経験則が役に立たなくなる。それが認識できないと、判断を誤ってしまう。
壮年幹部の側は、その点を心して、青年の意見に、積極的に耳を傾けていくべきです」』
(2017年4月27日 聖教新聞 「新・人間革命」 雌伏 29)より
『青年たちは、真剣な顔で、山本伸一の話に耳を澄ましていた。
「青年幹部の側は、先輩の壮年や婦人の幹部に賛成してもらうためには、まず、説得力を培っていくことです。
それには“なぜ、それが大事なのか”を、明快に、理路整然と説明できなくてはならない。また、その根拠を示すことが大切です。具体的なデータや実例を挙げることもいいでしょう。道理に適った話であれば、誰もが納得せざるを得ない。日蓮大聖人は、『道理と申すは主に勝つ物なり』(御書一一六九ページ)と言われている。その説得力を最も磨いていけるのが折伏です。
さらに、青年らしい、一途な情熱が大事です。後継の青年が、真剣に、一生懸命に新しい挑戦を開始したいと力説している。その心意気に触れれば、応援したいなと思うのが人情です。結局、人の魂を揺り動かした時に、事態は大きく進展するんです。
そして、実績を積むことです。青年たちの企画・提案は斬新であり、常に新しい波動を起こしてきたということになれば、皆が進んで意見を受け入れるようになるでしょう。つまり実証が信頼につながっていきます。
それから、一度ぐらい、意見が受け入れられなかったからといって、すぐにあきらめたり、挫けたりしないことです。“本当に必要である。大事である”と思うなら、指摘された問題点を検討、改善し、何度でも案をぶつけていくことです。粘り強さが大事だよ」
伸一の言葉は、自身の体験に裏づけられていた。彼は、一九五四年(昭和二十九年)三月、新設された青年部の室長に就任し、学会の運動の企画・運営を担うことになるが、当初、理事室は、提出した企画のほとんどに難色を示した。後の平和文化祭の淵源となった青年部体育大会に対しても、賛成しようとはしなかった。
それが、回を重ねるにつれて皆が絶賛するようになり、やがて学会を象徴する催しとなったのである。青年の力の勝利であった』
(2017年4月28日 聖教新聞 「新・人間革命」 雌伏 30)より
『山本伸一は、言葉をついだ。
「意見というのは、人の数だけあるといっても過言ではない。ましてや世代などが違えば、意見は異なって当然です。
座談会のもち方一つでも、平日の夜がいいという人もいれば、土曜や日曜の夜がいいという人もいる。日曜の昼がいいという人も、平日の昼がいいという人もいる。でも、どれかに決めなければならないので、より多くの人が都合のよい日を選ぶことになる。
そして、皆で協議して決まったことに対しては、自分の希望通りではなくとも、心を合わせ、成功するように最大の努力を払っていくことが大事です。
また、座談会を運営していく側の人は、参加できないメンバーのことを考慮して、別の日に、小さな単位での語らいの場をもつとか、たまには曜日を変えてみるとか、皆が平等に、喜々として信心に励めるように工夫をしていくことが必要です。
そのほかの活動の進め方や運動の在り方についても、いろいろな意見があるでしょう。活動の方法に、“絶対”や“完璧”ということはありません。メリットもあれば、なんらかのデメリットもあるものです。したがって、問題点があったら、皆で知恵を出し合って、それをフォローする方法を考えていくんです。柔軟に、大きな心で、互いに力を合わせていくことが大切です」
青年たちは、大きく頷きながら話を聞いていた。伸一は、一人ひとりに視線を注ぎ、力を込めて語っていった。
「活動を進めるうえで、いちばん心しなければならないのは、自分の意見が受け入れられないことで、失望感をいだいたり、感情的になって人を恨んだりしてしまうことです。それは、自分の信心を破るだけでなく、広宣流布を破壊する働きになっていく。
どの団体や宗教も、多くは運動上の意見、方法論の違いから対立や憎悪(ぞうお)を生み、分裂しています。学会は、断じて、そんな轍(てつ)を踏むようなことがあってはならない!」』
(2017年4月29日 聖教新聞 「新・人間革命」 雌伏 31)より
とても大切なご指導だと思います。
そして、指導は指導として真っ直ぐに学び、実践していくことが大事だと思います。
見た、聞いた、知っただけでは、知識にすぎません。
行動、実践していかなければ、何にもなりませんね。
行者なら、実践すべきでしょう。
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Re:リンク
ちよさん、古っ!
てか、しゃ~ないわ。
人間が古いもんで(笑)。
私は、人間が新しいもんで、そんな恥ずかしいこと、よぉ言わんわ~(大笑)
リンク、え~よ~^^
OK牧場~!\(^o^)/
ハピネス
2017-04-29 12:51:14
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