米空母カール・ビンソン 対馬海峡を航行

米空母カール・ビンソン 対馬海峡を航行
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朝鮮半島の周辺に向け北上しているアメリカ軍の空母は、海上自衛隊と共同訓練を行いながら現在、対馬海峡を航行して日本海に向かっています。空母は今後、朝鮮半島周辺の日本海で、韓国軍と共同訓練を行う見通しで、北朝鮮へのけん制が強まることになります。
アメリカ軍の空母カール・ビンソンは、29日午前6時すぎに長崎県の沖合をゆっくりと北上しているのを上空から撮影しているNHKの取材班が確認しました。

防衛省関係者によりますと、空母は共同訓練を行っている海上自衛隊の護衛艦とともに現在、対馬海峡を航行中で、午後には日本海に入る見通しです。

空母は今月8日にシンガポールを出港したあと、朝鮮半島の周辺に向けて時間をかけて北上し、今月23日にはフィリピン沖の太平洋で海上自衛隊の護衛艦と合流して共同訓練を開始しました。その後、沖縄周辺の海域にとどまったあと、28日午後に移動を始め、東シナ海を経由して北上してきたということです。

この空母について、韓国海軍は今月末ごろに日本海で共同訓練を行うことを明らかにしていて、それを前に海上自衛隊は空母から離れてこれまで続けてきた訓練を終えると見られます。
空母の朝鮮半島周辺への展開によって、北朝鮮が挑発的な行動をとらないよう、けん制が強まることになります。

カール・ビンソンの動き

アメリカ海軍の原子力空母カール・ビンソンはことし1月、母港のカリフォルニア州サンディエゴの基地を出港し、アジア太平洋地域に派遣されました。訓練をしながら太平洋を航行して2月に南シナ海に到達し、定期的なパトロールを始めました。

その後、北上して3月には朝鮮半島周辺でアメリカ軍と韓国軍の合同軍事演習に参加しました。演習を終えたあとは再び太平洋を南下して4月4日にシンガポールに入港。4日後の8日に出港しましたが、その際、アメリカ軍はハリス太平洋軍司令官の指示で当初予定していたオーストラリアへの寄港を取りやめて西太平洋に向かうことになったと公表します。

しかしカール・ビンソンはすぐには北上せず、いったんオーストラリアの北の海上でオーストラリア軍との共同訓練に参加。その後は南シナ海から太平洋に展開して自衛隊と共同訓練を実施しながらゆっくりと北上していました。